『若者はなぜ3年で辞めるのか』の城繁幸が説く「不況に勝つ新人力」

2008/10/01

社会人ライフ


10年後に伸びている人、いない人

卒業して10年ほど経つと、同じ大学の同級生であっても、大きく差がついていることに驚かされる。ここでいう"差"というのは、必ずしも年収やポストではない。30歳前後と言う年齢は、将来に向けた人生の投資時期であり、単年度の年収どうこうというのではなくて"人間力"というようなものに、ものすごい差が生じているのだ。


同年代の会話についていけない“ビール人"

たとえば昨年、ある同窓会の席でこんなやりとりを目にした。
「先月の週間ダイヤモンドのインド特集、君の会社出てたねえ。あれって今どうなってんの?」
「ああ、あれは今、○○と組んで○○が○○で~」
と、流暢な会話をするビジネスマンがいる一方で、きょとんとした顔でビールを舐め続けている人間たちがいる。

こんな会話もあった。
「日経から出た平ちゃんの新刊、読んだ? どう思う?」
「うーん、ちょっとタイミングが悪いかなぁ......」
そばには相変わらず、黙ってビールジョッキを抱える"ビール人"......。

要するに、同じだけ社会人として働いてきたにも関わらず、もはや思い出話以外で会話が成立しないほど、別世界の住人となってしまっているわけだ。

一応フォローしておくと、"ビール人"たちも昔からぼーっとしていたわけではない。むしろ、真面目に授業に出て、成績も優秀なタイプが多かった。では、何が彼らの差をこれほど開かせてしまったのか。


社会人になってからの意識の差

それは、アンテナの高さの差である。流暢な会話をしていたビジネスマンたちはもはや年功序列も終身雇用も保証がない時代だということをよく理解し、必要なものは自力で身につけるべきだと考え、実際そうした努力をしている。新聞はもちろん経済誌や書籍を読み、必要な専門書も購入し、切磋琢磨しているわけだ。

一方で、"ビール人"たちは、「良い大学を出てそこそこ有名企業に入ったのだから、もう大丈夫だろう」と安心し、会社で言われたことしかやろうとしない。余暇に生産的な何かをするなんてこともなく、淡々と与えられた仕事をこなしているのだ。


迫る進行国の生産性

彼らは、新興国の労働者がすでに自分と同等の生産性を持っているにも関わらず、自分がその何倍もサラリーを貰っている事実に気付いていない。ひょっとすると、そういう現実から彼らはギリギリ逃げ切れるかもしれない。でもこれから社会に出るフレッシャーズ諸君は、"ビール人"にはならない様にアンテナを高くして、努力する必要が出てくるだろう。



城 繁幸(じょう しげゆき)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。一九七三年山口県生まれ。
東大法学部卒業後、富士通入社。以後、人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。二〇〇四年独立。『人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見をメディアにて発信し続けている。『若者はなぜ3年で辞めるのか』(光文社新書)は2、30代ビジネスマンの強い支持を受け、40万部を超える大ベストセラーに。08年出版の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。他に日本型「成果主義」の可能性』(東洋経済新報社)等。



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