料理の取り分けは、女性の役目? #モヤモヤバスターズ

2020/06/01

社会人ライフ

社会人のみなさんの、なかなか言えないモヤモヤを解決していく連載 #モヤモヤバスターズ 。春夏シーズンのテーマは、“ジェンダーに関するモヤモヤ”です。

今回の相談者のマイコさんは、「飲み会で、料理の取り分けは女性の役目」になっていることにモヤモヤしているそう……。モヤモヤバスターズ隊長、瀧波ユカリ先生の回答は?

★今回のモヤモヤ(お相手:職場の上司)
飲み会で、サラダなどを女の子が取り分けるのが普通という風に見られている気がしてモヤモヤしています。しかも、年上の男性からというよりも、年上・年配の女性からのほうが、「それくらいしないと」という目線を感じる。仕方ないので、率先して取り分けるようにするか、若手の男の子が先に取り分けてくれたときには、「気が利かなくてすみませーん!」と笑いながら謝るようにしている。
(マイコ/女性/26歳/学校・教育関連)


どうも、モヤモヤバスターズ隊長の瀧波です!
「サラダ取り分け問題」、あるある!ていうか、みんなに認識されるようになってから、もうけっこう経ってる!

私、25歳くらいの時に参加した合コンで「ほら来た例のアレだ!絶対取り分けねーぞ」って思った記憶があります。なので少なくとも15年は「面倒な、例のアレ」として女性たちに認識されているはず。(男性は未だに認識していない人もいるかも……。)

15年……。長い……長すぎるよ……。

でも認知度は年々広まっているし、若い世代の中ではだいぶ「取り分けは女子がやるもの」的な感覚はなくなってきているという話も聞きます。問題解決の時は着実に近づいている!はず!

上司の気持ちを想像してみよう

しかし意外と手ごわいのが、マイコさんの職場にいるような年配の女性たちかもですね。
「取り分けて」とか言うんじゃなくて、視線を送ってくる……何を考えているのかわからなくて、モヤモヤしますよね。

本人から話を聞かないと、本当のところはわかりません。でも、想像してみることはできます。というわけで以下、私が想像した上司の方の気持ちを箇条書きにしてみました。

1. 私が若い頃はお酌も取り分けもなんでもやってた。取り分けくらいはやってほしい。
2. 若い子が何もしないでいると、気が利かない子に見えちゃうよ。
3. 私がやってもいいけど、それを当たり前だと思われても困る。
4. 女がやるべきとは思わないけど、男に期待してもムダ。
5. こういう気遣いができるとあとあと武器になる。今のうちに磨きなさい。


だいたい、こんなところじゃないかな?

ちなみに私、これらの考え方を「こんなふうに思われてたら怖い!」と思うし、同時に「気持ちはわからなくもない」とも思うんですよね。
もし自分が組織にいたら、若手にとっての上司にあたる年齢なので……。いろいろ言いたいことを我慢した上での「視線チラチラ」ということも、理解はできます。

もちろん、マイコさんが無理に上司に理解を示したり、受けいれようとする必要はありません。でも「もしかして、こういう気持ちなのかな」と一度想像してみると、得体の知れなさから来るモヤモヤが少し薄らぐこともあります。
モヤモヤ対策の基本として、覚えてもらえると嬉しいです!

「サラダ取り分け」は誰の問題?

もうひとつ考えてみたいのは、「じゃあサラダ取り分け問題って誰が解決すべきなの?」ということです。
取り分けさせられる側ばかりこの問題を考えている現状、モヤモヤしますよね。

私としては、チラチラ視線を送ってくる女性の上司の人はもちろん、男性の上司の人たちが「取り分けなんてしなくていいよ」「それぞれで取ればいいよ」って言ってくれたらいいのに!言ってくれ!って思います。
飲み会のたびに、その場にいる一番上の立場の人がそれを言ってくれたら、みんなどんなに気が楽か!

でも理想を言えば、上司から言われたからやめよっか~、ってことじゃなくて、社会を構成している全員が当事者意識を持つべきだと思うんです。
そして、特に男性に言いたい!!「自分には関係ない」とは思わないでほしい!!

そもそも、女性が「気が利くかどうか」でジャッジされがちなのは、「女性は家のことができて一人前」とか「女性は家庭的な気配りができて当然」という、まちがった思い込みがいまだに多くの人々の意識に根付いているからです。

女性は「家庭を切り盛りするお嫁さん予備軍」ではありません。そういった女性蔑視的な見方や考え方に対しては、男女問わずみんなで「NO」を唱えるべきなのです。
声をあげることが難しい状況であっても、それぞれがそれぞれの立場でできることをやっていけたら、一番いいですよね。

できることを考えよう

というわけで、マイコさん自身ができることについても、考えてみましょう。
今のマイコさんは「率先して取り分ける」以外の選択肢がない状態なのかもしれません。でも、できればぜひ別のやり方も挑戦してみてほしいです。

たとえば、取り分けは自分と両隣の人の分だけにして、向かい側には「こっち側の分は取りましたので!」とやんわりパスするとか。
これは「たまたまサラダボウルの前に座っていた人が自分と両隣の人に取り分けるシステムを定着させていく作戦」です。
「取り分けをしたくない」と主張するよりもハードルはずっと低いし、もし定着すれば自分の下に新しく女性職員が入ってきた時も安心です。

それと、若い男性職員が取り分けてくれた時は「気が利かなくてすみませーん!」と言いたいところをぐっとこらえて、ごく普通のテンションで「ありがとう」と言うだけにとどめるのはどうでしょう。
そのほうがきっと、男性側も気が楽だと思うんです。

こうして少しずつ変えていくために大切なのは、仲間を作ること。
同僚や、話のわかりそうな人たちに考えを打ち明けるところから、始めていくといいでしょう。もしかしたら、同じことを考えている仲間は意外と多いかもしれません。話してみてお互いわかりあえたら、嬉しいですよね。

また、今は飲み会の様式自体が変わっていくタイミングでもあります。
新型コロナウイルスの拡大を受けて厚生労働省が発表した「新しい生活様式」の食事に関する項目の中に「大皿は避けて、料理は個々に」という文言があります。

もしかしたら、団体での飲み会の時の大皿ドーン!形式自体が、なくなっていくかもしれません!なくなってほしい!

そんなわけで、あの手この手を使いつつ、サラダ取り分け問題の解消に向けてお互い頑張っていきましょう!応援していますよー!

文・瀧波ユカリ
漫画家、エッセイスト。北海道生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』等。雑誌Kissにて『モトカレマニア』連載中。

Twitter:@ takinamiyukari
公式サイト:Takinami Yukari Official Site


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