企業型確定拠出年金の受け取り方について解説

2020/09/07

税金・年金

企業型確定拠出年金とは、公的な国民年金や厚生年金とは異なる私的な年金制度の1つで、企業が掛金を拠出します。年金制度ですから、高齢になれば給付金を受け取れるのですが、その受け取り方について解説します。

企業型確定拠出年金 受け取り方

受け取り方は3種類ある

企業型確定拠出年金には、3種類の受け取り方があります。

  • 年金として受け取る
  • 一時金(退職金)として受け取る
  • 年金と一時金を組み合わせて受け取る

年金として受け取る場合には、年に数回を何年かにわたって受け取ります。一方、一時金(退職金)として受け取る場合には、一括で受け取ります。

企業型確定拠出年金の運用利益は全額非課税となりますが、給付時に税金がかかることもあり、年金として分割で受け取る場合は「雑所得」、一時金として一括で受け取る場合は「退職所得」として扱われます。

受け取り方による給付時にかかる税金について

上記のように、年金として分割で受け取る場合は「雑所得」、一時金として受け取る場合は「退職所得」となりますので、課税される税金の算出方法も異なります。

雑所得の計算式

収入金額-公的年金等控除額(年齢・収入額によって異なる)

収入が130万円以上〜410万円未満の場合、雑所得の計算式は収入×0.75-27.5(万円)となります。

退職所得の計算式

(収入金額-退職所得控除額)×1/2

退所所得控除額の計算式は、以下のようになっています。

  • 勤続(企業型確定拠出年金の場合は拠出年数)20年以下…40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
  • 勤続20年を超える…800万円+70万円×(勤続年数-20年)

年金と一時金のメリット・デメリット

年金として受け取る場合、65歳以上で公的年金等の収入が110万円以下であれば課税されず、収入金額が400万円以下かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は、医療費控除などの申告がなければ原則として確定申告も不要です。
ですから、この範囲に当てはまる人であれば年金として受け取るのも良いでしょう。

しかし、公的年金やその他の所得がこの範囲よりも多い人については、確定拠出年金を一時金で受け取ってしまうか、公的年金の受給が始まる65歳よりも前に受け取りきれるように設定する方が、税負担が軽くなるケースもあります。

確定拠出年金を一時金として受け取る場合、退職所得としてほかの退職金などと合算して算出されるところに注意が必要です。勤続年数(拠出年数)に連動して控除額が増えるため、一般的に他の所得に比べて税負担が軽くなる場合が多い退職所得ですが、一時金とほかの退職金との合計額が控除額を大幅に上回る場合は、税負担もそれに伴って多くなります。受給のタイミングは慎重に検討しましょう。

脱退一時金について

企業型確定拠出年金を脱退し、積み立てた年金資産を「脱退一時金」として受け取るためには、以下の3つの要件をすべて満たさなくてはなりません。

  • 企業型確定拠出年金またはiDeCoの加入者または運用指図者ではない
  • 個人別管理資産額は15,000円以下である
  • 企業型確定拠出年金の資格喪失日が属する月の翌月から起算し、6ヶ月以内である

このように、脱退一時金を受け取るには厳しい要件が必要です。企業型確定拠出年金は将来のためにしっかり貯めておく、強制力ある貯蓄として利用するのが良いでしょう。

まとめ

企業型確定拠出年金を受け取る場合、年金・一時金・併用の3つの方法が選べます。どのように受け取れば良いかは給付額や退職金の額、収入額などによって異なります。最適な受け取り方を計算して調べてみることをおすすめします。

(学生の窓口編集部)

監修協力:野原 亮(のはら りょう)
確定拠出年金創造機構 代表。証券営業、株式ディーラー、営業マーケティング会社を経てFPとして独立。中小企業の確定拠出年金を中心とした福利厚生の社外担当として活動。上場企業等の金融研修なども担当している。
https://fpsdn.net/fp/rnohara/

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