損益計算書って何? その意味と利用法の簡単な覚え方

更新:2020/04/10

お金の知識

ある企業が儲かっているのか、それとも赤字なのかは、どのようにして判断するのでしょうか? 企業の経営状況をまとめた表を「損益計算書」と言います。損益計算書の意味や見方を知り、就職活動や転職活動に活かしましょう。

【監修協力:資格の大原(社会人講座)→https://www.o-hara.ac.jp/best/

損益計算書

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損益計算書について

ある一定の期間において、企業がどのように収益を上げ、どれだけの費用を使い、利益あるいは損失を出したのかという経営成績をまとめたものが「損益計算書」です。まずは、損益計算書で使う用語について見ていきましょう。

○売上高…実際に得た売上のすべて。
○売上原価…売上に対する原価。たとえば、販売した製品を作るためにかかった費用。
○売上総利益…売上高から売上原価を差し引いたもので、粗利とも呼ばれる。
○営業利益…その企業の本業である、サービスや製品の販売で得た利益。売上総利益から、給与や管理費など運営に必要なコストを差し引いたもの。
○経常利益…営業利益に、財務活動で得た利益(収益−費用)を加えたもの。
○税引前当期利益…経常利益に対し、一時的な収益や損失を加えたもの。大きな成果や臨時的な損失があった場合、前年度と大きく異なる場合がある。
○当期純利益…税引前当期利益から法人税など税金を支払った残り。会社のすべての事業の総決算とも言える。

損益計算書の見方を覚えよう

では、実際に損益計算書を見ていきましょう。

図中にオレンジ色をつけて示した部分が「会社の本業」、緑色で示した部分が「財務活動」、ピンク色で示した部分が臨時の利益や損失に加え、税引前の利益と最終的に得た純利益というわけです。

会社の本業部分について

売上高とは、実際に製品を販売してお客さんから受け取ったすべての金額を指します。そして、その製品を作るためにかかった費用が売上原価です。例えば、300円の布を買ってぬいぐるみを作り、500円で売った場合、500-300=200円が売上総利益となります。

さらに、そのぬいぐるみを売るために10円コピーでチラシを6枚作って配ったとすると、60円の広告費(販売費に含まれる)がかかったことになります。ですから、営業利益は200-60=140円となります。

つまり、売上総利益は「製品の稼ぐ力」、営業利益は「会社が本業で稼ぐ力」を表しているのです。

会社の財務活動について

ここは、ざっくり言えば本業以外の利益と費用のうち、臨時のものではなく、恒常的に得られるものを表しています。営業外での損益を営業利益と合わせて計算したものが「経常利益」となります。

臨時の利益・損失、最終的な純利益

特別利益・損失は、臨時の損益を表しています。経常利益にこれらの損益を合わせて計算したものが「税引前当期利益」となり、さらにそこから法人税などの税金を支払った残りが、その期間の純粋な利益「当期純利益(当期利益、最終利益)」となります。この純利益で株主配当が支払われたり、内部留保として使われたりするのです。

まとめ

損益計算書は、会社に入ってきたお金(利益、配当など)と、会社から出たお金(費用、損失など)をまとめたものです。会社の本業とそれ以外、臨時の損益をよく見比べ、会社選びの参考にしましょう。

(学生の窓口編集部)
(監修協力:資格の大原)

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