【まとめ】Excelの検索機能。実はいろいろな方法が! 活用法と基本操作を解説

更新:2023/05/26

ITスキル


Excelで検索をしたい場合、基本の検索機能のほかにも関数を使った検索などいくつかの方法があります。どれも、使いこなし方によってはExcelの作業効率UPにつながる便利なものです。

今回は、まとめ記事としてExcelでの検索機能について活用法と基本操作を解説します。

Excelでの検索方法の種類

Excelでの検索方法といえば、基本となるのはこの後ご紹介する「検索と置換」機能。そして、場合によっては関数を使うことで、より便利に検索できることもあります。

本記事でご紹介するExcel検索方法の種類を表にまとめました。

Excel検索方法 概要
「検索と置換」機能 セルに入力されている値や数式などを検索できる
「VLOOKUP」関数 表の1列目で知りたい値を検索し、その○つ隣の値を答える
「HLOOKUP」関数 表の1行目で知りたい値を検索し、その列の上から○行目にある値を答える
「MATCH」関数 検索値の場所(何番目なのか)を求めることができる


では、最もスタンダードな「検索と置換」機能から順番に解説していきます。

検索方法1「検索と置換」

Excelで「検索と置換」を利用すると、セルに入力されている値や数式などを検索できます
実際の表を使って手順を解説します。

(1)「ホーム」タブから「検索と選択」をクリックし、検索を選択します。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(2)「検索と置換」のダイアログボックスが表示されます。ここで「オプション」をクリックします。

※細かな条件を指定しない場合は、「オプション」を選択せず、このまま「検索する文字列」に値を入力することで検索ができます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(3)「検索する文字列」に検索をかけたい文字列を入力し、オプションの各項目を設定していきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

※オプションの詳細についてはこの後でまとめて解説します。初期設定のまま検索することも可能です。

(4)それでは、実際に「50」という文字列を検索してみましょう。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索する文字列」に「50」と入力
「検索場所」に「シート」を選択
「検索対象」に「値」を選択
「すべてを選択」をクリックします。「すべてを選択」にすると、検索結果が一覧で表示され、「次を選択」にすると検索結果が1つずつ表示されるようになります。

(5)50の値の検索結果が一覧になって表示されました。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelで検索する方法を解説

「検索と置換」のオプション機能について

先ほど出てきたオプション機能では、より細かな検索条件を指定することができます。

オプションにある3つのチェック項目には、

・大文字と小文字を区別する
・セル内容が完全に同一であるものを検索する
・半角と全角を区別する

があり、検索内容に合わせてチェックを入れていきます。

また、「検索場所」は、「シート」か「ブック」を選べるようになっています。
「シート」を選択すると、現在開いているシートのみが検索対象となり、「ブック」を選択すると、Excelファイルにあるすべてのシートが検索対象となります。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索方向」では、「行」と「列」を選択できるようになっています。「行」は横方向に、「列」は縦方向に検索をします。しかし、実際には、結果表示で順番が異なるだけであり、検索結果自体は変わらないため、「検索方向」のどちらを選択しても結果は同様です。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索対象」は「数式」「値」「コメント」の3つがあります。
「数式」は、「=」でセルに入力された関数などの数式を検索対象とし、「値」は、セルに入力されている値が検索対象となります。

そして、「コメント」は、「コメント」に入力されている内容が検索対象となります。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelのオプション機能で、より細かな検索ができることについて解説

検索方法2「VLOOKUP関数」

ここからは、関数を用いた検索について解説していきます。まずはVLOOKUP関数から。

●VLOOKUP関数とは?

指定された範囲の1列目で知りたい値を検索し、その○つ隣の値を答えます。

【構文】
VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)

例えば講演会出席名簿の表を使って、「まず田中さんを検索し、その出席回数を求める」ような場合に使えます。ここでは講演会IDと名前の複数条件を指定して、検索をしていきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(1)検索結果を求めたいセルを選択し、「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、VLOOKUP関数を選択します。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(2)VLOOKUP関数のダイアログボックスで、各項目を入力していきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

検索値には2つの複数条件が示されたセルとして「A2&B2」と入力します。
範囲には、データ範囲のセル「E2:H15」を選択。
列番号に、データ範囲の左から4番目の列番号を示す「4」を入力。
検索方法は、絶対参照を表す「FALSE」を入力。
「OK」を押します。

(3)複数条件を指定した検索結果が表示されました。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelでの複数条件検索について解説

検索方法3「HLOOKUP関数」

次に「HLOOKUP関数」のご紹介です。先ほどのVLOOKUP関数は1列目を「縦に」検索していましたが、このHLOOKUP関数は1行目を「横に」検索するという違いがあります。

●HLOOKUP関数とは?

範囲指定した表の「先頭行」で知りたい値を検索し、その列の上から○行目にある値を答えます。

【構文】
HLOOKUP(検索値,範囲,行番号,検索方法)

実際の表を使って、たまねぎの11月納品数を検索してみましょう。

(1)検索結果を表示させたいセルを選択します。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(2)「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、HLOOKUP関数を選択し、「OK」をクリックします。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(3)HLOOKUP関数のダイアログボックスで、各項目を入力していきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索値」にセルB1を選択。
「範囲」にセルC3からF7を選択。
「行番号」にデータ範囲の上から3番目を表す3と入力。
「検索方法」に絶対参照を表すFALSEを入力します。

(4)「OK」を押して、指定した行の検索値が表示されました。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelでの行の検索について解説

検索方法4「MATCH関数」

もう1点、検索値の場所(何番目なのか)を求めることができるMATCH関数をご紹介。完全一致で検索することも、最も近い値で検索することもできます。

●MATCH関数とは?

指定された照合の種類に従って配列を検索し、知りたい値の配列内での相対的な位置(何番目なのか)を表す数値を答えます。

【構文】
MATCH(検査値,検査範囲,照合の種類)

早速、MATCH関数を実践してみましょう。

各品目の「11月納品数」のうち「納品数35」が何番目にあるかを調べます。

(1)検索値を表示したいセルを選択します。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(2)「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、MATCH関数を選択し、「OK」をクリックします。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(3)MATCH関数のダイアログボックスで、各項目を入力していきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索値」に検索をしたい値、セルC1を選択。
「検索範囲」に検索をする範囲、E4からE7を指定。
「照合の種類」には絶対参照を表す0を入力。

※「照合の種類」について
・1を選択した場合
検索範囲の中での検索値以下の最大値が求められます。データは、昇順に並べておきます。
・0を選択した場合
検索値に一致する値が求められます。データは特に並べ変えなくてもよいです。
・-1を選択した場合
検索範囲の中での検索値以上の最小値が求められます。データは、昇順に並べておきます。

(4) 「OK」を押すと、値が表示されました。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

MATCH関数はそれ単独ではなく、例えばINDEX関数など他の関数と組み合わせることによって、より便利な検索ができるようになります。さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【Excelの行・列検索】INDEX関数&MATCH関数を使ってデータを抽出する方法をチェック!

【Excel】MATCH関数とは? その概要と活用法について解説

Excelで検索できない場合の対処法

最初にご紹介した「検索と置換」機能でうまく検索ができない場合には、次のような対処法を試してみてください。

検索場所の「シート」を「ブック」に変更する

検索機能で「検索する文字列」に値を入力したけれども、検索結果が表示されずエラーメッセージが出てしまうケースがあります。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

こちらの表は、シートが「部署名1」と「部署名2」の2つに分かれているため、オプションの「検索場所」で選択されていた「シート」を「ブック」に変更します。開いているシートだけでなく、ブック全体が検索範囲になるように設定し直します。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「すべてを選択」を押すと、エラーメッセージが消え、「部署名2」のシートにあったデータが検索結果として表示されました。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

「検索対象」を正しく直す

文字列を検索しているのに、「数式」を選択していたなど、検索対象が検索値に合ったものを選択しているかどうかもチェックしましょう。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

オプションのチェック項目を確認する

こちらもオプションになりますが、3つのチェック項目にチェックが入っていないことを確認します。

・大文字と小文字を区別する
・セル内容が完全に同一であるものを検索する
・半角と全角を区別する


Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

検索対象がはっきりとわかっているか、表記の違いを重要視している場合でなければ、エラー表示が出やすいのでこの3つのチェックは入っていないほうがよいです。

特定のセルを選択していないか確認

検索の際に、特定のセルを選択していないかどうかを確認します。

検索の際に、誤って特定のセルを選択していると、特定のセル範囲の中だけで検索がかけられ、エラーになってしまうことがあります。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

データが重すぎる場合は整理する

データの容量が重すぎて、検索がうまくはかどらないことも考えられます。その際の対処法を解説します。

(1)不要なセルを削除する。
データの中で、不要なセルはできるだけ削除していきます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(2)不要なシートを削除する。
1つのブックにシートが多くある場合は、Excelが重くなりやすいため、不要なシートを削除します。
Ctrlを押しながら複数のシートを選択し、右クリックをして削除をすると、選択したシートが一気に削除できます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

(3)数式を値に置き換える。
数式が複数のセルにわたって入力されていると、データが重くなるため、数式の範囲をコピーし、貼り付けのオプションで値を貼り付けます。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

検索を一度リセットする

Excel検索が機能しない、表示が消えてしまうといったトラブルが起きることもあります。

その場合、セルの中に改行が入力されていないかどうかを確認します。Excelでは「Ctrl」+「J」でセル内に改行を入れることができます。

Excelを活用している間に、気付かないうちに「検索する文字列(N)」の見えない場所に改行が入ってしまうことも。一度「BackSpace」や「Delete」で「検索する文字列(N)」の中にある値を消していき、いったん中身を何もない状態にしてみましょう。そうすることで、検索が復活することがあります。

Excel検索で表示が消えてしまう場合には、一度試してみるとよいでしょう。

Excelの検索機能 活用法と基本操作のまとめ

Excelで検索できない場合の対処法について解説

まとめ

紹介してきたように、Excelの検索機能には、さまざまなものがあり、活用法を覚えておくと便利です。これを機会に、皆さんも、検索機能を利用し、Excel作業の効率化や時間の短縮化を図っていきましょう。

(マイナビ学生の窓口編集部)

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