苦痛な会社の行事をしたたかに乗り越える方法 #フレッシャーズサバイバル

更新:2019/12/19

社会人ライフ

社会人のみなさんが新人時代に経験した失敗談を解決していく連載 #フレッシャーズサバイバル。今回は「会社の行事が苦痛」というお悩みです。

苦痛な会社の行事をしたたかに乗り越える方法 #フレッシャーズサバイバル


一年目など新人のうちは会社の行事に強制的に参加させられること。付き合いも大切だとは思うが、休みの日ぐらいプライベートの時間を充実させたい。(りんご/社会人/23歳)


会社の行事、上司はこう考えている


会社の行事というと、親睦会や花見、歓送迎会、研修旅行などでしょうか? 私は集団行動が苦手なので、それらの文字列を見るだけで「無理」という言葉が浮かんできます!
年の近い人たちだけならまだいいけど、会社の行事となると親と同じくらいのベテラン社員たちも一緒ですよね。無理無理! 楽しいわけがない!

でも一方で、ベテラン社員たちの気持ちになって考えてみると、会社の行事は新人と交流できるチャンスであるということも理解できます。
私自身、20代のときは40代の人と話がしたいなんて全然思わなかったけど、40を目前にひかえた今は20代の人たちに興味津々なのですから。機会があったら話したい! もし行事に来てくれなかったら寂しい!
そういう気持ち、すっごくわかる……!

人間って、コミュニティの中で自分たちが「年上」の立場になると気を遣わなくて済むので、集まることが楽しく感じられるようになります。
そして、自分たちが年下に気を遣わせる立場であるということへの自覚がとても薄かったりします。「自分たちはこんなに楽しいのに、若い人たちが楽しくないと言って参加しない。わがままだ」くらいに思っちゃう人もいたりします。

会社の行事を「うまくやる」には


そんなふうに分析しつつも、私は権力的なものに対して1mmも譲歩したくないし自分の権利を絶対に守りたいタイプなので「休日に会社の行事に強制参加させられるなんてひどい会社! そんな行事、みんなでボイコットしちゃえ! てか、そんな会社やめちゃえ!」って言いたい思いはすごくあります。
でも、その結果食うに困るようでは人生やっていけないし、食うためにある程度譲歩するのも大事だっていう大人の考え方も最近(やっと)できるようになりました。

で、そんな私がここでりんごさんに何を言えるかというと、

「できる限り、うまくやってみよう!」

ということです。

「できる限りうまくやる」とはどういうことかというと、会社側の要求(新人は行事に参加するように、というお達し)に対して、

・差し出すものは最小限
・受け取るものは最大限

になるように、計画を練って実行する、ということです。

「差し出すもの」とは、参加する「時間」であると考えてください。強制参加の行事が10個あったら、何個までならサボっても許されるか? 早く切り上げても大丈夫なものはどれか? そのあたりのさじ加減をじっくり検証する。

「受け取るもの」は上司たちからの「信頼」であると考えてください。参加する行事でどのように振る舞えば信頼を得られるか? もっとも効率よく自分の人となりを伝えるために、できそうなことは何か? ということを、したたかみたっぷりに考えてみる。

なお、「信頼」というのは、単に好かれたり気に入られたりすることではありません。この人はしっかりしてる人だな、自分というものを持っているな、と思われることです。

「行事への参加時間は短くても、やるべきことはきっちりやる人だな」「責任感がありそうだな」「いいキャラをしてるな」と社内の人たちに思われることは、きっと働く上でプラスになることでしょう。

逆に、ほどよいところで切り上げられずに遅い時間まで付き合ってしまうと「NOと言わない人だから利用しよう」と思われるかもしれませんし、参加している間ずっとつまらなそうにしていたら「協調性のない人だな」と思われてしまうかもしれません。

どうしても参加しなくてはならないなら、せめて自分にとってプラスになるよう、無理のない範囲内で動いてみる。それが最善の「妥協策」ではないかなと、私は思います。

そのように立ち振る舞うこと自体は、楽しいことではないかもしれません。でも、「できる限りうまくやる」というスキルは、今後の社会人生活できっと役に立ちます

差し出すものは最小限、受け取るものは最大限。これをモットーに、挑戦してみてください。応援しています!

文・瀧波ユカリ
漫画家、エッセイスト。北海道生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』等。雑誌Kissにて『モトカレマニア』連載中。

Twitter:@ takinamiyukari
公式サイト:Takinami Yukari Official Site


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