不安、それはあなたの戦闘準備期間。 #フレッシャーズサバイバル

2019/08/01

付き合い・人間関係

社会人のみなさんが新人時代に経験した失敗談を解決していく連載 #フレッシャーズサバイバル。今回は、社会人生活への不安が多すぎてつらいという方からの相談です。

不安、それはあなたの戦闘準備期間。


社会人生活にマイナスなイメージがたくさんあり、今からいろいろと不安です。
毎日、曜日感覚がなくなるくらい、同じ一日を過ごすことになりそう、
給料の多い少ないを周りの友人と比べてつらくなりそう、
他の仕事がしたいと思うようになりそう、土日しか休みが無い上に朝から夜までずっと働き続けるのがしんどそう…などなど悩みが絶えません。(まゆみ)


まゆみさん、内定おめでとうございます!
私は漫画家になる前は短期型のアルバイトや派遣社員として働いていたので、ちゃんとした就職活動をしたことがありません。なので、入社を前に不安になる……というのは未経験です。
でも、相談を読んだときに「この感じ、すごくよくわかる」と思いました。なぜなら、私も20代前半はすごくたくさんの不安を抱えていたからです。

不安は役に立つ?

当時の私が何を不安に思っていたのか、思い返してピックアップしてみました。

・自分を愛してくれる男性とは一生出会えないかもしれない
・漫画家になれないかもしれない
・一生貧乏かもしれない
・年をとって年金がもらえなかったらどうしよう

こうして並べてみると、
「それ不安になってもしょうがなくね? まあ、がんばれ」
って感じですよね……。
なのに当時の私はこれらのことを毎日、ずーっと考えていました。どうしよう、どうしたら? ってぐるぐると。

でもこの不安、ちゃんとその後の人生に役立ってるんです。

男性との出会いに不安があったから、久しぶりに新しい出会いがあった時に「無駄にしてはいけない」と思って、ちゃんと向き合った。そうしたら、その相手と付き合うことになったんです(今の夫です!)。

漫画家になれないかもという不安があったから、やれるだけのことはやろうと思って、下手くそなりに作品を描いては投稿。そうしたら、デビューすることができました。それから毎月原稿を描き続けて、今年で15年目になります。

一生貧乏かもしれないという不安があったから、ちょっと無理をしつつも細かい仕事をなるべく受けるように。その結果、少しずつ仕事の幅が広がって、もし漫画でスランプになっても文章やトークの仕事で食いつないでいくことはできるかな、と思えるくらいになりました。とはいえまだまだ気は抜けませんが、とりあえず今は普通に暮らせています!

年金がもらえなかったら…という不安は今も変わらずあって、こればかりは自分だけの努力ではどうにもならないので、政治の動向をチェックしたり、選挙があれば必ず投票に行くなどしています。長く働き続けるために、健康にも気をつけるようになりました。

このように、不安があったからこそ得られたものがたくさんあるんです。そして今思えばですけど、私は
「自分は不安があるほうががんばれるタイプだ」と半分無意識のうちに自覚していて、あえて不安をちょっと多めに盛っていた。

生存戦略として「不安」を活用していた。

そんな気がするんですよね。

生存戦略として不安を活用しよう

内定が決まってすぐ、入社後のことが不安になっているまゆみさん。あなたもきっと私と同じで、生存戦略として不安を活用するタイプなんじゃないでしょうか?

もしかしたら起きるかもしれない嫌なことや辛いことをあらかじめ想像しておけば、現実にそうなったときに「やっぱりね、こうなると思ってた」と落ち着いて受け止めることができる。「だったらこうしよう」と気持ちを切り替えて、行動に移すこともしやすくなる。

不安がいっぱいの今は、まゆみさんにとっての「戦闘準備期間」なのかもしれません。きっと自分では意識していなくても、心は少しずつ社会人になるための準備を進めているんだと思います。
だからまずは、来るべき未来に備えて不安になっている自分をむしろ褒めてあげてください。「これからのことを真剣に考えているんだね、がんばってるね」って。

それから不安のひとつひとつをリストアップして、「じゃあどうしたらいいだろう?」ってポジティブに考えてみてください。不安のほとんどは、情報の少なさが原因です。
社会人2年目、3年目の先輩に話を聞いてみましょう。また、楽しく社会人生活を送っている人から、毎日を楽しむコツを教えてもらいましょう。自分がポジティブになれる情報を積極的に集めてみてください。不安を原動力にして、安心材料を確保するのです。

その上で、自分に今足りないものを見つめ直して、できる限りカバーしてみましょう。それは知識かもしれないし、体力かもしれません。お金や休息、悩みを打ち明け合える仲間かもしれません。
いずれにせよ、足りないものがわかれば、取るべき行動もわかってきます。

そうしていろいろ動いてみても、やっぱり不安が消えない! そんなこともあるでしょう。でも動く前とは、気の持ちようが確実に変わっているはず。先回りしてあれこれと悩み行動した経験は、社会人生活スタート後にも必ず良い形で生きてきます。

また、働き始めるときっと別の不安が次から次へとやってきます。でもそのときのまゆみさんには、すでに「不安に対処した経験」があるのですから「前に不安だったとき、何をしたっけ?」と思い出して行動すればいいのです。その繰り返しが、そのまままゆみさんの経験となり、強さになります。

いつかは不安から「卒業」できる

最後に、もうひとつ。若いうちはパワーがあるので、不安をプラスに変えることが可能です。でも、常に強い不安を感じ続ける日常が長く続くと、いつかは疲弊して息切れを起こしてしまいます。
私も35歳ごろに限界に達して「いつも不安を感じている人生、もういやだ!」と痛感しました。そして、今の自分はもう不安を原動力にしなくても、起こり得るトラブルに対処できるだけのノウハウが身についていると気付いたのです。

それからは、不安を感じたら「大丈夫! なんとかなるし、なんとかするから」と自分を鼓舞して機嫌よく乗り切っていく方向にシフトチェンジして、今に至ります。つまり不安を原動力に変える日々を「卒業」したんです。

まゆみさんもいつかは、不安から卒業する日が来ると思います。その時までは、自分を成長させるために不安を活用することをがんばってみてください。少し自分を俯瞰して、できればなるべく楽しみながら、人に頼ることを忘れずに!
応援しています。

文・瀧波ユカリ
漫画家、エッセイスト。北海道生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』等。雑誌Kissにて『モトカレマニア』連載中。

Twitter:@ takinamiyukari
公式サイト:Takinami Yukari Official Site


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