源泉徴収票とは何? 詳しく知りたい時に読むべき情報まとめ

更新:2021/08/01

税金・年金


源泉徴収票は、1年間の給与総額と所得税額を記載した書類で、毎年年度末に発行されます。

源泉徴収票は、転職や住宅ローンを組む場合などお金にまつわるライフイベントで必要になる重要書類なのですが、うっかりなくしてしまう人も多いのです。

今回は、源泉徴収票の役割や具体的な使い方を知らない人のために、源泉徴収票の概要や入手時期、方法などをまとめて解説します。

源泉徴収票は1年間の給与総額と所得税額を記載した書類

源泉徴収票は、会社が1年間で従業員に支払った給与総額と、源泉徴収した所得税額を記載した書類です。源泉徴収票は、1年間での所得額が記録された信頼性の高い書類なのです。

源泉徴収票が発行される理由は、源泉徴収という納税システムです。

会社では従業員へ給与を支払う際、所得税を天引きします。所得税は本来、納めるべき金額を自分で計算して納税する「申告納税方式」に該当する税金です。しかし従業員一人ひとりがそれぞれ申告書の作成を行うのは、とても手間がかかってしまいます。

そこで効率的に納税ができるよう、会社が一旦預かったうえで納税を代行しているのです。この仕組みを源泉徴収と言います。

源泉徴収した金額と支払った給与総額を確認するために源泉徴収票が必要になるということですね。

○源泉徴収票とは? 入手時期や受け取り時の注意事項を解説

源泉徴収票は転職やローンを組む場合に必要になる

源泉徴収票は、

  • 転職し新しい会社に勤めるとき
  • 住宅ローンやカードローンを組むとき
  • 扶養親族になるとき
  • フリーランスになり確定申告をするとき

に必要になります。

ライフイベントに関わる重要な書類になるので、受け取ったら大切に保存しておく必要があります。

源泉徴収票をもらったらチェックすべき4つのポイント

源泉徴収票をもらったらチェックしておくべきポイントは4つあります。

  • ・支払金額:会社員の年収(会社から支払われたお金の合計金額)
  • ・給与所得控除後の金額:フリーランスでいう経費が差し引かれた後の金額
    ※給与所得控除の金額は国税庁 No.1410 給与所得控除を参考
  • ・所得控除の額の合計額
  • ・源泉徴収税額

これらの金額が正しいかどうか、確認しておきましょう。

○【給与明細のトリセツ】よく聞く控除って何? 給与明細の正しい見方を知ろう

源泉徴収票がもらえるタイミングは2パターンある

源泉徴収票は、その年の12月あるいは翌年1月に、給与明細と共に源泉徴収票が渡されます。年の途中で会社を退職した場合は、退職後1ヶ月以内に源泉徴収票が発行されます。

源泉徴収票が発行されるタイミングは

  • ・会社に勤めている:年末調整時期に給与明細と一緒に渡される
  • ・会社を退職した:退職後1ヶ月以内にその他の書類と一緒に郵送される

というパターンが多いです。

源泉徴収票をもらえるのはどこか

源泉徴収票は、給与や報酬を支払った会社が発行します。市役所や税務署では発行していません。

勤めているなら勤め先の会社の総務部が発行していますし、退職している場合は勤めていた会社の総務ということになりますね。年金受給者の場合は年金を支給している日本年金機構などが発行元です。

「時期を過ぎても源泉徴収票が配布されない」「手元にない」場合は、給与明細を発行している部署に問い合わせてみましょう。

○源泉徴収票はいつ、どこでもらえる?入手方法、見方、使い道を解説

源泉徴収票を発行してもらえない・紛失した場合の対処法

源泉徴収票をいつまでたっても発行してくれない場合は「税務署に相談します」という旨を伝え催促しましょう。会社が源泉徴収票を発行することは、所得税法上の義務だからです。罰則もあります。

それでも動きがない場合は、税務署で源泉徴収票不交付の届出書を提出します。この書類を受け取った税務署は、企業に対し行政指導を行います。指導を行ったからといって、強制的に発行させることはできませんが、やってみる価値はあります。

いずれの手段を取ってもどうにもならない場合は、転職先の会社や再度税務署に相談しましょう。

○源泉徴収票が届かない・紛失した際の対処法|再発行する方法を解説

新卒入社後にアルバイト時代の源泉徴収票が必要になる?

新入社員が見落としがちなのが、新卒入社した年度の1月から3月までのアルバイトの源泉徴収票です。入社後の会社の年末調整で必要になるので、必ずとっておく必要があるのですが、引っ越しの荷物に紛れてしまいなくしてしまうケースがあるのです。

アルバイト時代の会社に伝えれば再発行も可能ですが、入社後の勤務地が遠方であった場合は再発行が年末調整書類の提出期限に間に合わない可能性もあります。

忘れずにとっておきましょう。

○新入社員が見落としがちなアルバイト時代の源泉徴収票

フリーランスにも源泉徴収票は必要なのか

フリーランスの場合は、会社から給与を受け取っているわけではないので源泉徴収票が発行されることはありません。フリーランスの報酬の中にも源泉徴収が必要なものがありますが、企業にはフリーランスに対して源泉徴収票や支払調書を渡す義務はありません。

確定申告の際に源泉徴収された金額が必要になるので、企業に対する請求書で源泉徴収金額が判明しない場合は、企業に源泉徴収金額がわかる書類を求めましょう。

兼業フリーランスや年度途中のフリーランス転職の人は源泉徴収票が必要

会社員との兼業フリーランスや年の途中で会社員や派遣社員の仕事を辞めてフリーランスになった場合は、その年の所得を証明する書類として、確定申告時に源泉徴収票が必要になります。

年の途中で会社を辞めた場合、通常退職後1カ月後には源泉徴収票が発行・送付されます。手元にない場合は、会社や派遣元の会社に問い合わせて発行してもらいましょう。

○フリーランスも源泉徴収票は必要? 年末調整・確定申告の基本手続きを解説

源泉徴収や年末調整について正しい知識を身につけよう

源泉徴収票は、普段働いていく上で源泉徴収票を求められることはあまりありませんが、住宅ローンを組んだり、税制上の控除を受けたりする際など、いざというときに必要になる大事な書類です。

みなさんもどういう書類なのかを確認して、いざというときに準備できるようにしましょう。

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