石油王でも将来は不安。「先を見据える」より大事なことは?【菊池良のお悩み相談室】

2019/01/17

付き合い・人間関係

新社会人からリアルな悩みを募集し、独自の視点からアドバイスをもらうこの「お悩み相談室」。
今回は、「将来が不安で、今の仕事を続けるべきか悩んでいる」と悩んでいる人に、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒットし、著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)を持つライターの菊池良さんが回答します。

将来が不安で、今の仕事を続けるべきか悩んでいるイラスト・わかる

こんにちは、ライターの菊池良です。
あけましておめでとうございます。年末年始は台湾にいました。
海外に行くとなんだか楽な気持ちになるのですが、それは言葉があまり通じないからだと思いました。
お互いに言葉が完全には通じないと思っているからこそ、割り切ったコミュニケーションができるんです。

言い換えると、「過剰な期待をしない」になります。言葉が通じ過ぎていると、「あれもわかるはず」「これもわかるはず」と過剰な期待をしてしまいます。だから、それが裏切られると苦しい。
海外に行くのは過剰な期待を沈静化するのにいいかもしれません。
さて、今回の人生相談です。

Q.将来が不安で、今の仕事を続けるべきか悩んでいる
社会人になって少し時間が経ち、仕事にも慣れてきたのですが、それと同時に「このままでいいのかな?」という思いに悩まされるようになりました。
就活のときは単純に憧れで就職先を選んだので簡単に決めてしまったのですが、これからの長い人生を考えると、「この仕事を続けていて、いいのだろうか?」と悩みが出てきてしまいました。
その悩みを解決するために自分のキャリアを改めて考えてみると、「最終的な人生のゴール」がまだ見つかってないことに気づきました。
先を見据えて職業選択やキャリアアップをするためにはどうすればいいでしょうか。
(女性/22歳/情報・IT)



なるほど、ちょっと要素が多いので整理しますね。

「憧れた就職先に入ることができた」

うんうん、よかったですね。最高じゃないですか。

「でも、この仕事をつづけていていいのか、と悩んでいる」

おっと、ちょっと雲行きがおかしくなってきましたね。

「先を見据えてキャリアアップをするにはどうすればいいのか」

なるほど、先を見据えてキャリアを築いていきたいと。よくわかりました。これは突き詰めると、「将来、どうなるかわからないのから不安」ってことじゃないでしょうか。「先を見据えて」ってことはそうですよね。

うーん……。

これは難題ですね。なぜならぼくも将来が不安だし、ほぼすべての人が不安なのではないでしょうか?

会社員として年収がたくさんあって余暇も充実している
→ でも将来どうなるかわからないから不安……

フリーランスでバリバリやって目立っている
→ でも将来どうなるかわからないから不安……

油田を掘り当てたので石油王へ仲間入りだ
→ でも将来どうなるかわからないから不安……

どんな境遇でも言えるんです。

会社がなくなるかもしれないし、案件が途切れるかもしれないし、石油が枯渇するかもしれないんです。

将来がわかったら、この不安はなくなると思うのですが、それは無理です。たとえば、ぼくは寝っ転がりながらiPhoneでNetflixを見ているのですが、10年前には

「iPhoneが流行っている」
「Netflixが流行っている」

なんてどちらも予想できなかったですよね。
いや、ぼくは10年前もネットをやっていたし、寝転がりながらDVDを見ていたので

「そうか、このままいけばモバイルで映画を見る時代が来るはずだから、それを見越してスキルを身に着けておこう」

と予想はできたかもしれませんが、事実してないですし、予想したとしても当たるかわからないものに向かって鋼の心で突き進むことはできなかったと思います。

YouTuberのHIKAKINさんは、動画の時代になる前からひたすら動画を投稿しつづけています。なので、ほかの人が参入する前から動画の知見をずっと蓄積していたので、そのアドバンテージで今トップクラスにいるわけです。

でも、それができたのってHIKAKINさんと、あと何人か数えられる程度なんです。「先を見据える」ことが可能ならもっとたくさんいるはずですよね。

いや、「動画は絶対伸びる!」と思っていた人でも、YouTubeじゃない動画サイトで頑張っていたことによって食えていない……みたいな悲劇もあるかもしれません。

10年前だったかもうちょっとあとだったか、「これからはウェアラブルデバイスだ」と言われていましたが、まだきてないですよね。これからくるのかもしれないですが、わかんないですよね。

長々と書きましたが、「先は見据えられない」んです。



「先を見据える」ではなく、「今を見据える」のはどうでしょうか



じゃあ、どうするかというと、「今を見据える」じゃないでしょうか。今です、今!

先を見据えて、逆算してやることを決めるんじゃなくて、今、質問者さんに足りていないものはなんですか? 今、自分が必要だと思うものはなんでしょう?
それを埋めていった結果、たどりついたところが「ゴール」ではないでしょうか。

足りない知識分野がある
→ 勉強をする、補う方法を考える

プライベートが充実していない
→ 趣味を見つける、好きなものを探す

時間が足りない
→ 通勤や家事の時間など、短縮できる部分はないか探す

このような細かい「今」の軌道修正の蓄積が、その後に効いてくるのではないでしょうか。先を見据えることはできないので、あとから考えるとあれが活かされていた、というケースを狙うしかない気がします。

未来はわかりません。なので、「過剰な期待はしない」ことが大事です。おっと、冒頭の言葉に戻ってきましたね。では、最初から狙って書いてきたのか? というとそうではありません。ただの偶然です。
質問者さんは言葉のわからない地域に行くといいかもしれません。ほんとうに、わかりませんから。

そして、この連載も最終回です。「未来はわからない」、1秒先のこの連載の結末さえも。今までありがとうございました。それでは、またどこかで。

☆編集部からのお知らせ
「菊池良のお悩み相談室」は今回で最終回です。いままでご愛読ありがとうございました!

文・菊池良
ライター、編集者。学生時代に公開した、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒット。著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)、『世界一即戦力な男』。
Twitter:@kossetsu


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