「折衝」とは? 意味や使い方、交渉との違いを解説【例文つき】

更新:2024/02/09

ビジネス用語

「折衝」という言葉を見たことはあるものの、読み方や使いどころがわからないという人もいるのではないでしょうか?

「折衝(せっしょう)」はビジネスシーンの駆け引きでよく使われる言葉。特に営業職や、取引相手とのやり取りをともなう仕事でよく登場します。

今回はこの「折衝」の意味や使い方について例文とともにご紹介。気になる「折衝」と「交渉」の違いや、社会人に必要な「折衝力」にも触れていきます。この機会に理解を深めておきましょう。

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折衝の意味とは?

まずは「折衝」の意味についてです。デジタル大辞泉によると、

【折衝】
読み方:せっしょう

[名](スル)《敵の攻撃をくじき防ぐ意から》利害関係が一致しない相手と問題を解決するために、かけひきをすること。また、そのかけひき。「労使間で―する」「外交―」
(引用:デジタル大辞泉)


とあり、「折衝(せっしょう)」とは、利害が一致しない相手との解決のために話し合うことや、外交その他の交渉での談判や駆け引きという意味になります。

わかりやすく言い換えるならば「話し合い」「協議」「駆け引き」に言い換えてみるとイメージしやすいでしょう。

折衝にはお互いが納得できるように折り合いをつけたり、妥協したりするというニュアンスが含まれることから、ビジネスシーンの接客や営業などの場で多用されています。

顧客折衝とは

接客業や営業職など顧客と共に成果をあげる仕事においては「顧客折衝(こきゃくせっしょう)」という業務があります。これは文字どおり、顧客や取引先などと折衝する業務という位置づけになることが一般的です。

具体的には相手方と金額をすり合わせたり、納期を調整したり、契約内容を確定したりとさまざまな項目について話し合い、合意を目指すプロセスを指します。

「折衝」と「交渉」の違い

「折衝」と「交渉」はどちらも「話し合い」という共通の意味を持っており、非常によく似ていることは確かです。この2つの言葉はそのまま言い換えができるケースも多いです。

【交渉】
相手と取り決めるために話し合うこと。かけあい。談判。

「値引をーーする」
「ーーが決裂する」
「団体ーー」
(引用:広辞苑第七版)

あえて違いを挙げるならば、「交渉」の方が日常のさまざまなシーンでの話し合いとして広く使われ、「折衝」の方があらたまった協議の場で使われる傾向があります。

それから「折衝」の方が、話し合いの中でも特に「何とか折り合いをつける」「妥協点を見出す」ところまでを強調したいときに使われることが多いです。そのため「交渉」よりも「折衝」の方が駆け引きのニュアンスが強くなります。

2つの言葉を両方使った例文はこちらです。

<例文>
度重なる交渉を重ねてきたが、今回こそは着地点が見つかるよう折衝する。

折衝を使った例文【ビジネスシーン】

折衝を使ったビジネス例文

折衝という言葉の使い方を例文で見ていきましょう。

<例文1>
顧客との折衝が私の役割です。

上記は顧客との間に生じた問題について、話し合いで折り合いをつけていくことが自分の仕事だという意味の例文です。

<例文2>
何度も折衝したおかげで問題が解決しそうだ。

複雑な問題に直面するシーンでは、話し合いでの解決も簡単ではありません。何度も折衝しなければならなかったが、最後は解決できそうだという例文です。

<例文3>
納品予定の商品について、これから先方と折衝する。

商品の取引においては、商品の種類・数量・納期・場所などさまざまな要素があります。双方に事情や要望があるので、折衝の機会は多いでしょう。

<例文4>
たとえ技術職であっても、顧客折衝経験のある人は重宝される。

たとえばエンジニアのような技術職であっても、転職の際に「顧客折衝経験」が求められるケースがあります。折衝スキルを持っていると、クライアントとの打ち合わせなどで能力を発揮でき重宝されるでしょう。

社会人に必要!「折衝力」とは?

社会人に必要!「折衝力」とは

接客業だけでなくクライアントと共に成果を達成するような職種において、「折衝」に「力」を加えた「折衝力(せっしょうりょく)」は重要です。ビジネスシーンにおける対人スキルの1つとして身に付けておくと何かと有利です。

ビジネスシーンでの折衝は、相手との利害が一致しておらず、対立している状態からスタートします。そのため、たとえ解決を目的とした折衝だとしても、相手との「交渉」が困難になることも想定されますよね。

その中でお互いが納得する着地点を導き出せる、折衝力の高いビジネスパーソンは重宝されやすいのです。

折衝力が高い人の3つの特徴

自分の利益だけを考えて交渉をする人には、残念ながら折衝力があるとはいえません。

ビジネスシーンでの折衝力とは、相手の立場や都合を考えた上でなるべく有利に物事を進めていくことが求められます。

ただし、相手の立場や都合ばかり考えていては自分に不利な条件になったり、クレームやトラブルの元となったり、結果的に相手と長期的な関係を築けません。

折衝力(せっしょうりょく)が高い人は以下のような特徴があると言えます。

1)自分の要求をわかりやすく説明できる
2)相手の主張を理解し、相手の立場になって物事を考えられる
3)具体的な代案を提示できる

詳しく見ていきましょう。

1)自分の要求をわかりやすく説明できる

折衝力が高い人は、自分の要求を相手に伝わるように説明できます。

スムーズな交渉を行うためには必要不可欠な要素です。

2)相手の主張を理解し、相手の立場になって物事を考えられる

相手の主張を聞くだけでなく何を要求しているか理解し、相手の立場になって物事を考えられる人は、お互いの妥協点が見つけやすくなります。

3)具体的な代案を提示できる 

利害関係の一致しない折衝では、自分の要求が通らない場合やまた相手の要求を受け入れられない場合が多いものです。

議論が進まないような状況で妥協点を見つけて具体的に提示できる人は、折衝力が高い人といえるでしょう。

折衝力を上げるための3つの方法

折衝力を上げる方法

では、折衝力を上げるためにどのようなことをすればよいのでしょうか。

具体的には以下の3つが挙げられます。

1)日常的に話の構成を意識する
2)シミュレーションする
3)傾聴スキルを身につける

詳しく見てみましょう。

1)日常的に話の構成を意識する 

日常的に、相手との話の構成を意識すると折衝力アップに役立つでしょう。

会議やミーティングの場で議事録をつけることにより話の内容が記憶に残りやすくなるだけでなく、話の構成を考えやすくなるのでオススメです。

書くよりも聞いたり話したりするほうが記憶に残りやすい人は、ニュースを即座に復唱する「シャドーイング」という方法もあります。

2)シミュレーションする

実際に折衝する以外にも、いろんなパターンを考えシミュレーションすることは想像力や発想力を高めます。

さまざまな状況に対応できるようになることも大切ですよ!

3)傾聴スキルを身につける

傾聴とは相手の話に関心をもち、共感するという意味です。

ふだんから傾聴を意識することで、より相手を理解することにつながるでしょう。

まとめ

折衝(せっしょう)は難しい言葉ですが、対人関係を築くうえで大切なスキル。特に折衝力(せっしょうりょく)が高い人は「話し上手は聞き上手」という諺(ことわざ)にあてはまる人物だと言えます。

反対の「話し上手の聞き下手」にはならないようにしたいものですね。折衝力を身に付けることで、お互いが納得するWin-Winの関係へ導く社会人になりましょう!

(マイナビ学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

「3度のご飯よりも学生にとっていいことを考える!」の精神で 大学生に一歩踏み出すきっかけコンテンツをたくさん企画しています。 学生生活に役立つハウツーから、毎日をより楽しくするエンタメ情報まで 幅広く紹介していますので、学窓(がくまど)をチェックしてみてください!

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