「邂逅(かいこう)」の意味とは? 正しい使い方を例文つきで解説

更新:2024/02/09

ビジネス用語

「邂逅」とは一言でいうと「めぐり逢い」のこと。読み方も書き方も難しい言葉ですね。最初にこの言葉に出会ったときは面食らってしまうかもしれません。日常会話で聞かれることはほとんどありませんが、文学作品や映画のタイトルなどで目にした、という方は多いのではないでしょうか。今回は「邂逅」の意味や使い方から、類義語、英語・フランス語表現までを解説します。

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「邂逅」の意味と読み方

「邂逅」は「かいこう」と読みます。意味は『広辞苑』では次のように説明しています。

思いがけなく出あうこと。めぐりあうこと。
(『広辞苑 第七版』より引用)

あまり見慣れない漢字が使われますが、それぞれ、

・邂→めぐりあう
・逅→であう


という、互いに似たような意味を持っています。

そして部首の「しんにょう」は、「道」や「進」などの漢字に使われていることからもわかるとおり、「道を行く」「進む」という意味があります。そのため「点」としての出会いというよりも、長い道のりや月日を経た「線」の上の出会いというイメージです。

つまり邂逅という言葉は単なる日常的な出会いではなく、

・思いがけない遭遇
・偶然の出会い
・運命を感じさせる出会い
・めぐり逢い


といったニュアンスで用いられます。いずれも、「驚きを伴うような感動的な出会い」を指すことが多いです。

「邂逅」の使い方は?

邂逅は「めぐり逢い」といった意の名詞として使われることが多いですが、「邂逅する」といった表現で動詞的に使われることもあります。

・運命の邂逅
・~との邂逅
・邂逅を果たす
・邂逅する(した) など


「出会い」というと、まず「人」との出会いをイメージされるでしょう。ですが邂逅は人物だけではなく「芸術」や「思想」など、さまざまな出会いに対して使われる言葉です。

それから、邂逅が使われるのは主に小説や手紙などの文章の中です。出会いをより豊かに、ドラマチックに表現するために使われることが多いです。また過去には映画のタイトルにもなっているようです。

一方、日常生活の中で話し言葉として使われることはめったにありません。使っても間違いではないのですが、実際にはあまり使われない分、相手に伝わりづらい点にはご注意を。音が「会合(かいごう)」と似ているため、勘違いされてしまう可能性も。やや難しい言葉ですので、邂逅ではなく「めぐり会う」や「偶然出会う」と言った方が無難でしょう。

ちなみに、邂逅はいい意味だけでなく、悪い意味の両方で使われます。次から具体的な例文で見ていきましょう。

「邂逅」を使った例文

邂逅を使った例文を何点かご紹介します。

小説や手紙での例文

・今思い出しても、彼との邂逅が、私のその後の運命を変えたと言えるでしょう。
・20年ぶりに、長年探していた人物との邂逅を果たした。
・偶然訪れた本屋で知った、その小説との邂逅こそ、私にとって今年一番の出来事だった。

邂逅という言葉を使うと、文章中の「出会い」がより印象深いものとなることが分かります。

悪い意味での例文はどうなる?

・不運な邂逅により、その後の人生がガラリと変わってしまうこととなる。
・茂みの中を進んでいくと、ついにあの恐ろしいものに邂逅した。

このように、あまり出会いたくなかったものに対しても邂逅が用いられることがあります。

「邂逅」の類義語

邂逅と意味が似ている類義語のご紹介です。特に話し言葉では、邂逅の代わりに次のような言葉を使うと分かりやすいでしょう。

●巡り合い

巡り合いは、偶然、自分自身の意思とは関係なく出会うことを意味します。運命の相手との出会いや、お世話になった恩師との出会いなど、ポジティブな出会いを語る際に使用します。

●鉢合わせ

一方、鉢合わせは「好ましくない相手」との出会いに使います。文章や話の前後には、ネガティブな相手が登場することになります。

●出会い

邂逅をよりシンプルに表現すると「出会い」となります。

「邂逅」の英語とフランス語表現

邂逅を英語にする場合、“encounter” が非常によく似た意味合いを持っています。

●encounter
⇒(動詞)偶然出会う、出くわす
⇒(名詞)偶然の出会い、遭遇

<例文>
encounter a good music
(いい音楽に巡り合う)


あるいは“accidental”には「偶然の」という意味があるため、“accidental meeting”「偶然の出会い」と表現することもできます。

次に、フランス語表現について。
フランス語には“rencontre fortuite”という表現があります。

●rencontre fortuite
⇒rencontre(出会い・出会う)fortuite(偶然)

<例文>
Une rencontre fortuite
(偶然の出会い)

まとめ

「邂逅」は「かいこう」と読み、「思いがけなく出あうこと」「めぐりあうこと」を意味します。小説や手紙などで使われることの多い文学的な表現なので、日常的にはあまり耳にする機会はないかもしれません。とはいえ、文学作品などで目にしたときには正確に理解したいもの。是非この機会に正しい意味を知って、知識の幅を広げておきましょう!

(マイナビ学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

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