「おこがましい」という言葉。聞いたことはあるけれど、使ったことがないという人も、実は多いのではないでしょうか? でも、他人から言われたときに、その意味を知らないと、恥をかいたり、相手に対して失礼な態度をとってしまう可能性もあります。今回は、そんな「おこがましい」の正しい意味を解説します。
「おこがましい」は、漢字では「烏滸がましい」と書きます。
『広辞苑』によると「烏滸がましい」を次のように説明しています。
1.ばかげていて、みっともない。物笑いになりそうだ
2.出過ぎている。さしでがましい。なまいきだ
(『広辞苑 第七版』より引用)
一般的には2つ目の意味で使われることが多く、自分の立場が下であることを強調し、相手をうやまうことで、謙遜したいときなどによく使われます。
では、例文をあげて、具体的な使い方を見ていきましょう。
・私が言うのもおこがましいですが、弊社はその道のパイオニアです。
・おこがましい意見に耳を傾けていただき、ありがとうございます。
・おこがましいとは思いますが、その案件、私に任せていただけますか。
これらは、いずれも「自分などが出過ぎたことを言って」「自分などが言うのは生意気かもしれませんが」といったように、自分をへりくだっていうときに使います。
上司や取引先の人にお願いをしたり、要望を伝えたりする際に、このように前置きすることで、相手を立てると同時に謙虚さをアピールすることができます。反対に相手から「おこがましいですが」と言われたときは、「そうですね」と相槌を打つのはスマートではありません。「そんなことはございません」と、やさしく控え目に言い直すのも、人間関係を円滑にするコツかもしれませんね。
では、「おこがましい」を他人に使った場合はどうなるでしょう。
・先輩にあんなことを言うなんで、あの人はなんておこがましいんだろう。
・勝手にそんなことをするなんて、彼はおこがましいにもほどがある。
このように、第三者を「おこがましい」と言った場合、その人物を非難していることになるので、使い方には十分注意が必要です。
「おこがましい」と似た言葉に、「厚かましい」という形容詞があります。
厚かましい:行動や態度に慎みがない。ずうずうしく遠慮がないこと。
「おこがましい」が「身の程をわきまえていない」といったニュアンスを含んでいるのに対して、「厚かましい」は上下関係などにかかわらず、ただ単に図々しく、遠慮がないといった意味で使われます。そのため、部下が上司を「あの人の厚かましい態度が嫌だ」と言うことはあっても、「あの人のおこがましい態度が嫌だ」と言うことはありません。
「おこがましい」は、日常会話やビジネスシーンで、「出過ぎている」「さしでがましい」「なまいきだ」といった意味で使われる言葉です。何かを相手にお願いしたいとき、目上の人に自分の意見を言うときに使うと、相手を立てると同時に、こちらの謙虚な姿勢も伝わるので、是非覚えておきましょう。
(文・イマーゴ)
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