よく聞く資本金とは? 正しい見方を知ろう

2018/09/12

ビジネス用語

資本金とは何なのか、なんとなくはわかるけれど、厳密に資本金のことを説明できる人は少ないのではないでしょうか。資本金は会社を起業するときには必要な知識なのでこの機会に理解しておきましょう。資本金の正しい意味や就職活動で役立つ会社の資本金をチェックする方法について解説していきます。

資本金の意味は?

資本金とは?

資本金とは、会社の体力、会社が事業をはじめたときに保有している事業資金のことです。一般的には株主が会社設立時に出資した金額のことを資本金といいます。

資本金額が大きい会社ほど資金繰りが楽に行えます。また、金融機関からの融資も受けやすくなります。たとえば、資本金100万円の会社と資本金300万円の会社が銀行から300万円の融資を受けるとしましょう。この場合、資本金300万円の会社の方が融資審査に通りやすくなります。資本金は運転資金のためだけでなく、金融機関から融資を受けるときにも重要な指標となります。

設立時の資本金が1,000万円を超える会社は、初年度から消費税が課税されます。1,000万円を下回っている会社は設立から2年間、消費税が免除されます。

2006年より以前は1,000万円以上の資本金がなければ株式会社が設立できませんでした。しかし、2006年4月から新しい会社法が施行され最低資本金制度が撤廃されました。そのため資本金1円でも株式会社が設立できます。

資本金は必ずしも会社規模や売上高と関係しているわけではありません。資本金が少なくても活発に事業展開をして高い収益を出している会社がたくさんあります。

資本金の文例

では、「資本金」はどのようなシーンで用いる言葉なのでしょうか。以下に、1つ文例を挙げておきます。

<例文>
時下ますますご清祥のことと拝察申し上げます。
さて、当社の株主総会を下記の通り開催いたします。
何卒、ご出席くださいますようお願い申し上げます。
資本金額の減少の件が議案です。
資本政策の機動性を確保することを目的に資本金の額を減少し、そのほかの資本剰余金へふりかえたいと存じます。

上記の例文は株主総会への参加を通知する手紙です。株式会社が減資をするときは株主総会の特別決議にかける必要があります。(会社法第447条1項・309条2項9号)

資本金の減資って?

「累積赤字の補てん」や「損失の補てん」を目的に資本金の減資を行うことがあります。上記の例文にもあるように、資本金を減らして資本剰余金へふりかえることで減資を行います。

資本金の額によって課税区分が変わるため、「節税」を目的にして減資を行う企業もあります。資本金1億円以下の企業(中小企業)は資本金1億円以上の企業よりも、数百万円から数億円規模の節税効果があるといわれています。

資本金の見方 

資本金だけで企業の良し悪しは測れません。就職活動では資本金に加えて年間売上や収益額、賃借対照表の純資産を見て優良企業かどうかを判断するようにしましょう。ほとんどの企業が自社のホームページ上に資本金や売上高、収益額、賃借対照表の純資産を公開しています。

まとめ

今回は資本金について解説してきました。資本金は会社の規模や体力を測るバロメーターといわれますが、資本金だけで優良企業かどうかは測れません。資本金に加えて年間の売上や賃借対照表の純資産を見て経営状態を調べるようにしましょう。ほとんどの企業が自社のホームページに公開しているのでどなたでも閲覧できます。

執筆:ヤマダ ユキマル
国公立の美術大学を卒業後、広告代理店やデザイン事務所のクリエイターを務める。現在はライターとして活動中。ビジネス関連や健康分野、デザイン関係、茶道、アウトドア、DIYなど幅広い分野のオウンドメディアに連載中。

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