本記事では、「矜持(きょうじ)」の正しい意味や「矜恃(きょうじ)」との違い、使い方をくわしく解説します。

  • 矜持の意味とは?

    「矜持(きょうじ)」の正しい意味は?「矜恃」との違いや使い方を解説

矜持の意味とは?

「矜持(きょうじ)」には、自信、自負、誇り、プライドを持つという意味だけでなく、「自分をコントロールする」「自分を抑える」「自分を抑制してつつしむ」という意味も含まれています。

「矜持」の語源

「矜持」の「矜」は「矛の柄」が語源です。古代中国の武士にとって「矛の柄」持つことは誇りでした。「持」には「維持する」「たもつ」という意味があります。2つをあわせると「誇りを持つ」「プライドをたもつ」という意味になります。

「矜持」と「矜恃」の違い

「矜持(きょうじ)」と「矜恃(きょうじ)」、一見同じに見えるかもしれません。でもよく見比べてください「矜持」は「持」ですが「矜恃」は「恃」です。どちらも「きょうじ」と読みます。

「矜恃」の「恃」は心と寺です。「恃」には「依頼する」「頼む」という意味があります。そのため「矜恃」は「自分には相手に依頼するだけの自信と誇り、プライドがある」という意味になります。「矜持」と「矜恃」の意味はよく似ています。しかし微妙な違いがあるようで、次のような意味合いとなるのです。

「矜持」=「自分に自信と誇り、プライドがあって自制心も持ち合わせているさま」

「矜恃」=「自分に自信と誇り、プライドがあって堂々とふるまっているさま」

  • 矜持と矜恃の違いは?

    「矜持(きょうじ)」と「矜恃(きょうじ)」との違いについて解説しました

「矜持」の使い方・例文

・後輩にミスを指摘されて「矜持」を傷つけられた。

・こんな失敗は20年のキャリアを持つ私の「矜持」がゆるさない。

・ゴシップ記事にまどわされることなくしっかり「矜持」を保ってほしい。

・不祥事によって彼女は自分の「矜持」がしぼんでいくのを感じていた。

・傘張りの内職は武士としての「矜持」がゆるさなかったが背に腹はかえられない。

・祖父の口癖は「男の矜持を大事にしろ!」だった。

・タバコを吸う少年を注意したのは教師としての「矜持」がゆるさなかったからだ。

  • 矜持の使い方・例文

    「矜持(きょうじ)」の使い方を例文で紹介しました

「矜持」の類義語

前述した「矜恃(きょうじ)」以外の類義語をいくつか紹介します。

■自尊心

自分自身を誇らしく思う心。自分を尊重すること。

例文
「自尊心を保つには、日々の善良な行いが不可欠だ」

■自負

自分の能力.知識.経験への信頼。

例文
「私には長年にわたって当社のセキュリティ部門を務めた自負がある」

「矜持」の意味や使い方、「矜恃」との違いを理解しておこう

「矜持」の意味と使い方について解説してきました。「矜恃」は、「自信や自負、誇り、プライドを持つ」という意味です。「矜持」と「矜恃」はどちらも「きょうじ」と読みます。意味もほぼ同じですが、若干ニュアンスが違うようなので使う際には注意しましょう。