上司が高圧的で怖い……そんなときの対処法は?【菊池良のお悩み相談室】

2018/08/09

社会人ライフ

新社会人からリアルな悩みを募集し、独自の視点からアドバイスをもらうこの「お悩み相談室」。
今回は、「上司が高圧的で怖い」と悩んでいる人に、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒットし、著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)を持つライターの菊池良さん(@kossetsu)が回答します。

上司が変わって仕事のやり方が合わないイラスト・わかる

こんにちは、菊池良です。
前回の記事を出したところ、「おいしいチーズダッカルビの店を教えてほしい」と聞かれました。ぼくは答えられませんでした──なぜならチーズダッカルビを1回しか食べたことがないから!
もしあなたがご存知なら教えていただけるとありがたいです。
それが今のぼくの悩みです。

ところで私事なのですが、先月末に会社を退職してフリーランスになりました。
前回の記事で「会社員で副業もやっている立場から答える」と言っておいて──いきなり変わっていますが──今回から会社員経験もあるフリーランスとしてお答えしようと思います。

さて、今回も新社会人から悩みがきました。

Q.上司が怖くて話しかけにくい
とにかく上司には気を使う。怖いときもあるし、話しかけんなオーラを出される。同僚も怖がっている。何とかして欲しいがだれも逆らえない。ほんと嫌だ。
(男性/24歳/商社・卸)


怖い人、苦手でよね。よくわかります。
ぼくも怖い人は怖いです(稲川淳二をのぞく)。




怖い人はどうやっても怖く、怖くない人はどうやっても怖くない


『川端康成伝 双面の人』などの著作がある評論家の小谷野敦さんは「怖い外見がほしい」とブログに書いています。少し引用させてください。

最近、無灯火自転車が多く、怒りを覚える。
しかし、怖そうなお兄さんとかおじさんだと、下手に注意をすると怖いから、それ以外のやつに注意しているが、何せ無灯火自転車なので、遠くからだと分からない。近寄って、怒っても安全な相手だと確認してから「あかりをつけろ」と言う。我ながら情けない。怖い外見がほしい。

引用元:無灯火自転車が多い - 猫を償うに猫をもってせよ

もう一つあります。

図書館の帰りに自転車に載っていたら、前を二人の中学生の男子らしいのが歩いていたから、ちりんちりんと鳴らして追い越したら、むかつきでもしたのかあとから走って追いかけてきた。やっぱりもっと怖い外見が欲しい。

引用元:ここは丸の内なのだぞ! - 猫を償うに猫をもってせよ

ぼくも怖い外見がほしいです。童顔で、高校生に間違えられることがあります。コンビニ店員にタメ口で話されます。「ここで外見が怖かったらもっとスムーズにいくのでは?」と思う場面があります。


しかし、怖くない人が急に怖くなることはできません。それと同じように、怖い人が怖くなくなることも難しいのではないでしょうか。

無理に「怖いからやめてほしい」と言っていると、
「そんなことわかっているよ!(うつむく) 俺だって……できたら怖くなくなりたいんだ……(涙を流す)」
という展開になる可能性もあります。

だとしたら、上司を「怖くなくす」ことは諦めて、「怖いけど愛せる」ことを目指したほうがいいでしょう。

では、怖いけど愛されているものとはなんでしょうか。そうです。妖怪ですね。

「妖怪図鑑」ならぬ「上司図鑑」を作ろう


水木しげるの『日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』にはいろんな妖怪が載っています。たとえば、こんな妖怪がいます。

1.豆富小僧(とうふこぞう)
雨の日にお盆に豆腐を乗せて現れる。その豆腐を食べると身体にカビが生える。
2.灯無蕎麦(あかりなしそば)
店に灯りがついていない蕎麦屋。灯りをつけるとすぐ消えるし、家に帰ると災いが起きる。
3.枕返し(まくらがえし)
夜中、寝ている人の枕を移動させる。朝起きて枕が定位置から移動していたらこいつのしわざだ。


こんな妖怪が存在するのですから、質問者さんの上司も妖怪である可能性は否定できません。
なので、あなたも「上司図鑑」を作って、どんな上司なのかを同僚たちとまとめるのはどうでしょうか。

みんなで

・「こういうときは不機嫌になる」
・「こう言われたときはこう対処しろ」
・「○○の話題を振ったらテンションが上がる」

などといった項目をクラウドで共有し、マニュアル化し、可愛らしいイラストもつける。
そして、ノベルティアイテムとして時計を作り、「妖怪ウォッチ」ならぬ「上司ウォッチ」が誕生──ここまでやると同僚たちとの結束も高まることでしょう。

さらに、日常生活でヤなことがあったらどんどん妖怪にしていくのです。たとえば、こんな感じに。

・妖怪コンビニタメ口店員
コンビニでタメ口で話しかけてくる店員風の妖怪。ちゃんと会計はしてくれる。
・妖怪満員電車の乗車口付近動かず
一旦降りたほうが周りの乗り降りがスムーズになるのに、微動だにしない妖怪。しかし、押されて結局降りることになる。
・目覚まし止め小僧
目覚ましをかけたはずなのに、起きたらとっくに時間を過ぎていて遅刻確実、なんてときはこの妖怪のしわざだ。決して自分で止めているわけではない。


こうやって集めているといずれ「21世紀の妖怪図鑑」として出版できるかもしれません。明日の妖怪博士はあなたです。

「そんなことする気になれないよ」という方へ


同僚たちと愚痴を言い合い、「あの上司は嫌だ」という同盟を組んでおくと、あとあとにも有効かと思います。
あるいは上司の上司へ相談してみるか、思い切って退職してもいいのではないでしょうか。

その結果、経済的な安定が脅かされるかもしれません。しかし、精神的な安定のほうが重要です。お金を取り返す方法はいくらでもありますが、心を取り返す方法はあまりないのではないでしょうか。

何かありましたらまた相談してください。
次回のお悩み、お待ちしています。

文・菊池良
ライター、編集者。学生時代に公開した、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒット。著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)、『世界一即戦力な男』。
Twitter:@kossetsu


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