「引き合い」とは、物事と物事または人と人が、お互いが引っ張り合っている、または結びつきや繋がりがある状態を表しています。ビジネスシーンでは営業などで使われることが多いです。

今回は、「引き合い」という言葉について、正確な意味や活用方法などを解説していきましょう。一般的には「引き合いに出して」「引き合いにされる」などという使い方をしますが、営業の業界では一般的な使い方とは多少異なる意味合いで利用されます。「引き合い」の意味と使い方をマスターしてビジネスシーンで活用していきましょう。

  • 営業で使う「引き合い」には2つの意味がある

営業で使う「引き合い」には2つの意味がある

1.顧客に新たな顧客を「引き合わせて」もらう

一つ目の「引き合い」には、取引のあるユーザーから新たなお客様を紹介してもらうという意味があります。「引き合い」または「引き合わせ」によって、顧客を獲得していく営業手法の一つです。

2.参考事例のために「引き合いに出す」

二つ目の使い方としては、営業で商品やサービスをアピールする際に、他のユーザーが購入してくれたという事例を挙げるなどして商談をまとめるときに使う「引き合いに出す」という意味があります。具体的には、商談を行っている会社のライバル企業や取引先などを「引き合いに出す」ことがあり、「ならばうちも」という心理効果を狙った営業手法です。

現在の顧客から新たな顧客を紹介してもらう「引き合わせ」による営業手法

営業では顧客から新たな顧客を紹介してもらうことが業績を上げるための最も重要なポイントになります。もちろん、優れたサービスや商品であることが前提となりますが、顧客から顧客へ口コミ(引き合わせ)が広がり、さらに新顧客へと伝播することで、業績が加速度的に伸びたという事例がたくさんあります。

「引き合わせ」による営業手法は、広告費ゼロで行える最も効率のいい営業だといわれています。また、顧客が顧客を紹介してくれるので、いきなり訪問して営業トークをはじめる飛び込み営業よりも、契約に結び付くチャンスが高くなります。

【「引き合わせ」を依頼する営業トーク事例】

営業マン「先日は、当社のサービスを導入いただきまして誠にありがとうございます。使ってみたご感想などがございましたら、お聞かせ願えますでしょうか」

クライアント「こちらこそ、丁寧にサポートしてもらって、ありがとうございました。社員の業務が大幅に削減できて、みんなよろこんでいます」

営業マン「ああそうですか、そのお言葉をいただいて安心いたしました。本日は、○○様にお願いがございまして、お伺いさせていただいた次第です」

クライアント「どういった用件でしょうか」

営業マン「実は、当社のサービスを御社と取引がございます○○社様にもご紹介していただけないかと存じまして」

クライアント「ああ、○○社さんね、いいですよ、今度「引き合わせて」あげますよ。いつだったら都合がいいですか」

営業マン「ありがとうございます。それでは、○○様のご都合のよろしい日時にあわせて私の方で会食の手配をいたしますので、ご連絡いただけますでしょうか」

クライアント「はい、わかりました。スケジュールを調整して、明日までに連絡するようにしますよ」

営業マン「ありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いいたします」

「引き合い」を使ったセールストーク

商談中に他の購入事例などを「引き合い」に出す営業でのセールストーク事例です。

【「引き合い」を使った営業トーク事例】

営業マン「実は、○○社様でも当社のサービス商材を使用していただいております」

商談相手「ああ、○○さんも使っているのですか? で、評判はどうですか? 」

営業マン「はい、とても使いやすいとの好評をいただいております」

商談相手「そうですか。当社もそろそろ導入しようと検討していたところなので、ぜひ前向きに検討させていただきます」

営業マン「ありがとうございます。ぜひご検討いただけますとありがたく存じます。○○様では、去年導入されて、現在は業績が順調に伸びております。人件費が抑えられるだけでなく、わずらわしい業務が大幅に削減できたとのお言葉をいただいております」

まとめ

「引き合い」の意味や、どんなシーンで使うのか紹介しました。営業はどのようなシーンでどのように返事をして話を展開していくのか、商品をどのようにアピールしたら相手に伝わるのか、場数を踏んでタイミングなどを覚えることが大切です。今回ご紹介した事例を参考にしながら、営業に役立つトークを組み立てるようにしてください。