「何卒よろしくお願い申し上げます」の意味とは? 由来と使い方

2018/07/31

付き合い・人間関係

「何卒よろしくお願い申し上げます」は、​「何としても強く、お願い申し上げます」という言葉を短くしたものです。
ビジネスシーンでの​メールなどでよく使う「何卒よろしくお願い申し上げます」。ほとんどの方が「何卒」の本当の意味や語源を理解せずに何となく利用しているのではないでしょうか。そこで今回は「何卒よろしくお願い申し上げます」の意味をわかりやすく解説していきます。

「何卒」の由来は?

「何卒」は徒然草や方丈記などの古文によく登場する古い言葉です。ここで、2つ例文を取り上げてみましょう。

・「飼ひける犬の、暗けれど主(ぬし)を知りて、飛び付きたりけるとぞ」(『徒然草』)

意味は、飼っている犬が暗い中でも飼い主を見つけて飛びついてきた。「ぞ」(すごい勢いで)は、ここで強調する役割を担っています。

「何事も入り立たぬさましたるぞよき」(『徒然草』)

意味は、何事も我関せずといった様子で深く立ち入ってこないこと「ぞ」がいい。ここでも「ぞ」は強調を意味しています。

「何卒」の「卒:とぞ」は「何」を強調する役割を持ちます。「何」(なんとなれば)(いずくんぞ)、「卒」(とぞ)、二つをあわせると「なんとなれば・とぞ」となり「なんとしても強く」という意味になります。

「何卒よろしくお願い申し上げます」の正しい使い方

「何卒」の語源と意味がわかったところで、次に「何卒よろしくお願い申し上げます」の正しい使い方について解説していきます。

メールで何かをお願いする場合の「何卒よろしくお願い申し上げます」の使い方

ビジネスメールのあいさつでは文末に「よろしくお願い申し上げます」としめくくるだけで十分です。しかし、お願いをする場合や、相手に注意喚起をうながすような場合には「お願いする」ことを強調する意味合いで「何卒」を前に付けます。また、目上の方やクライアントなど上にある立場の人に向けて丁寧にあいさつする場合には文頭に「何卒」をつけて「何卒よろしくお願い申し上げます」を使用します。

「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」の使い方

メールの文末に社交辞令として付けるあいさつの言葉です。継続して仕事の依頼を行う場合や、仕事を引き受ける場合に、「今後とも」を付けるとより丁寧なあいさつ文になります。

「○○のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」の使い方

「○○のほど」も、お願いするメールや謝罪のメール、相手に注意喚起をうながすメールなどでよく使用する言葉。「ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」は、検討を強くお願いする意味合いを持ちます。

「ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」の場合は、送信したデータなどの中身をよく確認してくださいという意味です。「ご了承のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」であれば、「どうか了承してください」という気持ちを強くお願いする意味合いを持ちます。また「ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」は「どうかご理解ください」を強くお願いする文面です。

「○○いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」の使い方

この場合も、お願いするメールなどでよく使用されます。例えば、

「ご検討いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
「ご配慮いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
「お取り計らいいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」

などの使い方があります。

「何卒よろしくお願い申し上げます」と「何卒よろしくお願いいたします」違い

「申し上げます」は「言う」の謙譲語であるのに対して、「いたします」は「する」の謙譲語になります。意味としての違いはないので、どちらを使用してもかまいません。しかし、「何卒よろしくお願い申し上げます」の方がより丁寧な印象になります。

まとめ

今回は、メールなどでよく使う「何卒よろしくお願い申し上げます」について詳しく解説してきました。ちなみに、「何卒よろしくお願い申し上げます」はメールの文章ではよく使用しますが、会話をする際に使用すると不自然になります。おそらく古文に由来していることが原因だと思われます。対面してあいさつする場合には「どうぞ、よろしくお願いいたします」の方が自然です。

・執筆:ヤマダ ユキマル
広告代理店を経て、求人サイトのコンテンツライター、ビジネス関連サイトのライターとして活動中。

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