「ご入用」の意味と使い方とは? ビジネス用語としての正しい使い方を例文付きでチェック!

更新:2022/08/29

ビジネス用語


お店で買い物をする際、「領収書はご入用ですか?」と聞かれたことはありませんか。この「ご入用」には「必要」という意味がありますが、あまり聞き慣れていないと焦ってしまうことも。また「ご入用」を文字で見た時に、読み方で迷ってしまう人も多いのでは。

そこで今回は「ご入用」の意味と読み方、具体的な使い方などを一挙解説。ビジネスシーンで焦らないように、言われた時の答え方や英語表現までご紹介しますので参考にしてみて下さい。

ご入用の意味と読み方

●「入用」の意味

・読み方:いりよう、にゅうよう
・意味:必要であること。必要な費用。大切なこと。

ご入用の読み方は「ごいりよう」と「ごにゅうよう」の2通りあります。現代では「ごいりよう」の方がポピュラーに使われていますので、こちらで覚えて差し支えありません。

意味の方は、簡単にいうと「ほしい、必要である」ことをあらわします。「入用」に接頭語「ご」をつけることで、丁寧な言い回しとなっています。相手に対して「欲しいですか? 必要ですか?(もしそうならご用意できますよ)」といったニュアンスで用いられることが多いです。

さらにもう1つ、「必要な費用」という意味も持っているのがポイント。「急なご入用にも安心」といった具合にビジネスシーンで用いられています。

また、「ご」を外せば自分にも使えます。「自分にとって必要なもの、欲しいもの」という意味になり、「この道具は私の仕事に入用です。」と表現します。しかし、最近はあまり使われなくなってきました。「必要です」で補えるからでしょう。 

ご入用の使い方と答え方を例文で解説

では早速使ってみましょう。お客様に対して接客するシチュエーションで多く使われます。答え方の方もお伝えしますので、言われた時に慌てないように準備しておきましょう。

【例1】〜はご入用ですか?

「領収証はご入用ですか?」
⇒「はい、お願いします。」

領収証が必要ですか?という主旨の例文です。

お客様や目上の人に対して、ストレートに「要りますか?」と言うのは失礼にあたります。「ご入用ですか?」を使うことで、丁寧な言い回しで提案することができます。言われた方としても気持ちよく「じゃあ、お願い」と返しやすくなるでしょう。

【例2】ご入用の際はお申し付けください

「アメニティはフロントにご用意致しております。ご入用の際はお申し付け下さい。」
⇒「女性用の化粧水があれば欲しいのですが。」

こちらはホテルでの1コマ。「ご入用の際は」というのは「必要となる場合には〜」という意味です。「欲しい方は声をかけて下さいね」ということですので、必要なら遠慮なく声をかけてOK。

【例3】ご入用でしたら〜

「〇〇がご入用でしたら、こちらからお使いください」
⇒「どうもありがとう」

例えばレストランのバイキングで、デザートスプーンが欲しい時。コーヒーのミルクや砂糖が欲しい時。「もし必要ならこちらから自由に取ってお使い下さい」と案内してもらう例文です。

【例4】ご入用の方がいらっしゃいましたら〜

「こちらの品、ご入用の方がいらっしゃいましたらお譲りします。」

もし欲しい方がいらっしゃいましたら(お譲りします)、という主旨の例文です。中古品のやりとりができるフリマアプリなどで多く用いられているようです。

ご入用を使う際の注意点は?

ご入用を使う際の注意点

ご入用という言葉を使う際の注意点を3つご紹介します。

注1:目上の人やお客様に対して使う

1つ目は、目上の人に対して使う、ということです。つまり目下の相手や同僚、同級生に対して使うのはふさわしくありません。

具体的な使う相手としては、お客様や取引先、上司など。特にレストランやホテルなどの接客シーンでは使う機会が多いでしょう。

注2:「ご入用ですか?」は用意がある時だけ使える

「ご入用」を持ちかけるときは自分の側に用意があるときだけ使います。つまり「私は持っていますがあなたは必要ですか? もし欲しいなら差し上げます。」と言う意味。そのため、用意がないのに「ご入用ですか?」と聞いてはいけません。

例)
「ギフト用の箱はご入用ですか?」
「はい、お願いします。」
(すぐにご用意する。)


この場合にギフトボックスのご用意がないのに「ご入用ですか?」と聞いてしまうと、相手に不快感を与えてしまうことに。当たり前のようですが、きちんと提供できる状態で使うように気をつけましょう。

注3:「ご利用」との混同に注意!

耳で聞くと「ご入用」は「ご利用」と音が似ています。この2つは聞き間違いをしやすいのでご注意を。ご利用の意味は「うまく使うこと」であるのに対し、ご入用の方は「必要であること」。異なる意味を持つ2つの言葉は、きちんと区別しておきたいものです。

とはいえ、「ご入用」を「ご利用」と聞き間違えたとしても、意外と似たニュアンスで通じてしまうケースも。

例)レストランにて
「おはしはご入用ですか?」
「おはしはご利用ですか(ご利用になりますか)?」


ーーこのように、何となく意味が通じてしまうこともあるのが面白いところです。

ご入用と意味が似ている類語

ご入用と意味が似ている類語には「ご要望」「ご所望」「ご希望」などが挙げられます。「ご必要」「ご不足」といった言葉もあります。それぞれの意味を簡単にご紹介します。

・要望:物事の実現を強くのぞむこと。
・所望:欲しいと望むこと。
・希望:願い、のぞみ。
・必要:なくてはならないこと。
・不足:足りないこと。


特に「ご要望」「ご希望」はなじみのある言葉なので、使いやすいかもしれません。

「ほかにご要望はございますでしょうか」
「領収証をご希望の場合はお申し付け下さい。」

といった使い方が「ご入用」と近いニュアンスとなります。

ご入用と意味が反対の対義語

ご入用の対義語には「ご不要」が挙げられます。必要がないことをあらわす「不要」に、ご入用と同じく「ご」を付けて「ご不要」となります。

「ご不要になりましたら、お手数ですが破棄していただけますか。」このように表現します。

また、「入用」の対義語としては「不用」という言葉もあります。「不用」には「使わないこと」「いらないこと」といった意味があり、「不用品」などとして用いられます。

ご入用を使った英語表現をcheck!

ご入用には「必要」という意味があるため、英語では「need」を使った表現が多くみられます。

●Please let us know when you need it.
⇒ご入用の際はお申し付けください。

●Do you need chopsticks?
⇒おはしはご入用でしょうか。

また、接客シーンなどで「何かご入用ではありませんか」といったニュアンスで使う際には、次の表現も便利です。

●Can I help you?
⇒何かお手伝いしましょうか。

ただし、“Can I help you?”というのは広範囲にわたって「何かできることは?」とたずねる表現なのに対し、「ご入用」は「具体的に必要なモノは?」と絞り込んで使われる表現です。この違いは押さえておきましょう。

まとめ

いかがでしたか。「ご入用」は「必要」という意味を持つ丁寧な表現です。さらに「急なご入用に備えて〜」など必要な費用をあらわすこともあります。耳で聞くと「ご利用」と似ていて紛らわしい面もありますが、しっかり区別して使いこなせるとスマート。効果的に使って、相手へのうやまいの気持ちを上手に表しましょう。

 

文:マイナビ学生の窓口編集部

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