「ご参照ください」の意味と使い方は? 「ご参考」「ご照会」との使い分けに注意

更新:2022/04/29

ビジネス用語

普段何気なく使っている「ご参照」という言葉ですが、意味を把握したり、正しい使い方をしたりしている自信はありますか?

この記事では「ご参照」という言葉について、例文を交えながら意味をご紹介しています。

似たような言葉についても説明していますので、「ご参照」という言葉をしっかり把握して、職場で恥ずかしくない正しい使い方を身につけましょう!

「ご参照」の意味


ご参照(ごさんしょう)は、「照らし合わせてみること」を意味します。

「参照」に丁寧語の「ご」の接頭語を付け、「〜してください」という丁寧な依頼の形にしたものです。

「ご参照」の使い方を例文で解説

では、次に使い方を見ていきましょう。

以下に例文を2つ提示します。

「本文(または本体)+照らし合わせるべき資料」が揃っての言葉であることがわかるのではないでしょうか。

このように、本文(または本体)があって、わかりやすくするために「補足がありますよ。」「見た方がいいですよ。」という誘導として用いられます。

上記の例文は文章でも口頭で説明するときも同じです。

照らし合わせる資料・手段がない場合は使用できない

照らし合わせるべき添付媒体がない場合は、「ご参照ください」は使えません。

例文で見てみましょう。

 「なお、料金につきましては添付の料金表をご参照ください

 の場合、「添付の料金表」という照らし合わせる資料がある前提なので問題ありませんが、

 「なお、料金につきましてはお電話にてご参照ください

 は間違い!

「お電話にてご参照ください」とすると電話で聞かないといけなくなりますので、照らし合わせる手段が揃っていません。

なお、上記例文の場合「お電話にてお問い合わせください」なら大丈夫です。

「ご参照」で使える敬語表現

「ご参照ください」だけでも十分ビジネスシーンで役立てられますが、他にも「ご参照」を使った表現方法があります。

「ご参照いただけます」

「ご参照いただけます」は、何か参考になる資料や添付物・手段がある際に「照らし合わせられますよ」という意味で用いられる表現です。

「ご参照いただけますでしょうか」

「ご参照いただけますでしょうか」もよく見かける敬語表現です。

二重敬語ではないため安心して使えますが、人によってはくどさを感じてしまうかもしれません。

「ご参照いただけますか」でも十分丁寧な表現ですので、覚えておくと役立ちます。

「ご参照いただけますと幸いです」

こちらもよく見かける表現ですよね!

「参照してくれたら嬉しい」という意味が込められており、「参考にしてくれたら有難い」をより丁寧に表現しています。

その他にも「ご参照いただけますと幸いです」「ご参照いただければ幸いです」も同様の表現です。

また、「ご参照いただけますでしょうか」と同様、二重敬語ではないため安心してください。

「ご参照くださいますようお願い申し上げます」

「ご参照くださいますようお願い申し上げます」は「参照してくれるようにお願いする」のよりかしこまった表現です。

どうしても見てほしい資料や添付ファイルなどがある場合に使用されます。

上司だけでなく、取引先や目上の人にも積極的に使えるので、丸ごと覚えて活用しましょう!

「ご参照になってください」は二重敬語!

丁寧に表現しようとするあまり「ご参照になってください」と書いたり話したりしていませんか?

「ご参照になってください」は実は二重敬語

「ご参照ください」で十分ていねいな敬語表現なので、こちらを使うようにしましょう。

「ご参照」の類語「ご参考」と「ご照会」に注意!

ここでは「ご参照」と間違えやすい類語を2つお伝えしていきます。

 「ご参考」

・例文:この機械の起動法方はマニュアルをご参考ください。

 「ご参考」は、考えるときのヒントにしてくださいという意味なので、必ずしも使わなければならない訳ではないということです。

マニュアルがなくても、誰もがすぐ起動できる簡単設計なら「ご参考」で構いません。

しかし、そうでない場合は「ご参照」を使います。

目上の人には使用しない方が無難

特に目上の人に対する「ご参考ください」という言葉は、「あなたには難しいかもしれないのでヒントをあげますよ」と言ったニュアンスに取られる場合があり、少々強すぎます。

この場合、「ご参考にしてください」「ご参考になれば幸いです」などに言い換えると、丁寧にアドバイスしている印象を与えられるでしょう。

 「ご照会」

・例文:この機械の起動法方はマニュアルをご照会ください。

・例文:こちらのATMで残高をご照会いただけます。

 「ご照会」は個人では使わず、公のものを引き合いに出して参照にする場合に多く見られます。

この場合では「ご参照」の方がしっくりくるでしょう。

「ご照会」は以下のように、公共の機関などから情報を引き出す場合に多く使われます。

また、「こちらのATMで残高をご照会いただけます」も違いを把握する、よりわかりやすい例文かもしれません。

「こちらのATMで残高をご照会いただけます」とすると、「このATMで残高を知れます」という意味です。

まとめ

普段から何気なく使っている言葉も、意味を理解して正しく使いこなすと言葉の説得力が増します。

「ご参照」という言葉も、社会人になると頻繁に用いることとなるでしょう。

しっかり意味を理解し、ビジネスシーンで活用してください。

執筆:山河丸々(さんが まるまる)

海外で外国人に日本語を教えている兼業ライター。現在はアジア某国在住。日々生まれてゆく新しい日本語と、日本語能力試験に出る日本語との乖離に悩む。趣味はB級グルメ食べ歩き。

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