「ご一読ください」とは? 正しい意味と使い方を紹介

更新:2022/06/28

ビジネス用語

普段何気なく使っている「ご一読ください」という言葉、意味や適切な使い方をご存知でしょうか?

一見、遠回しで丁寧に聞こえる「ご一読ください」も、実は場合によっては良くない印象を与えてしまう可能性があります。

そこで今回は、ビジネスシーンの中でもよく使われる「ご一読ください」の意味と使い方について紹介します。

言い換え文章や類語についても触れますので、ぜひ参考にしてみてください。

「ご一読ください」とは?


「ご一読ください」とは、作成した会議資料や商品の説明書、カタログなど、一定の期日までに上司やクライアントに内容を把握しておいてほしい場合に使う言葉です。

他に代わる言葉として「ご確認ください」、あるいは「お目通しください」などもあります。

後述で詳しく紹介しますね。

「ご一読ください」の読み方

「ご一読ください」は「ごいちどくください」と読みます。

ビジネス上では口語表現でも書き言葉でも使いますので、この機会に覚えておきましょう。

辞書で読み解く「ご一読ください」で相手に与える印象

辞書で「一読」を調べてみると

“一度読むこと。また、一通りざっと読むこと。”

とあります。

それに「ご」をつけることで丁寧な言い方をしているわけですが、一通り読むということは、読んで内容を確認するということにほかなりません。

伝えたいことが同じであれば、受け取る側に感じよく聞こえる「ご一読ください」のほうがより高い評価につながりやすいことは言うまでもないでしょう。

「ご確認ください」と「ご一読ください」での受け取り手の違い

相手から資料を読んでほしいという連絡を受けた時、「ご確認ください」と「ご一読ください」ではどのように感じるものなのでしょうか。

「ご確認ください」が受け取る側にとってストレートに聞こえがちであるのに比べ、「ご一読ください」は少し遠回しで柔らかい感じがする方もいるかもしれません。

対面で直接話すにしても、メールや書面の上でも変わらないのが不思議ですよね。

ただし、言葉は受け取り手次第でどのようにも変化します。

「ご確認ください」を何とも思わない人もいるかもしれませんし、「ご一読ください」に慣れていない方もいるかもしれません。

受け取り手がどう感じるかを念頭に置きながら相手とコミュニケーションをとるのが最適だと言えます。

【例文付き】「ご一読ください」を使ってみよう

ビジネスで多く使われる「ご一読ください」を含んだ例文には、以下のようなものが考えられます。

  • ・「パンフレットを送らせていただきましたので、ご一読ください」
  • ・「用意した資料をご一読ください」
  • ・「用意いたしました資料をご一読くださいませ」 
  • ・「パンフレットを送らせていただきましたので、ご一読くださいますようお願いいたします」
  • ・「議事録を共有しますのでご一読いただければ幸いです」
  • ・「用意いたしました資料をご一読のほど、よろしくお願いいたします」 

「ご一読ください」に近い言い方は?

「ご一読ください」は、以下のように表現することでより丁寧に言い換えられます。

  • ・「添付にて資料をお送りしましたのでご査収ください」
  • ・「送らせていただいた資料をご覧くださいませ」
  • ・「恐れ入りますが、同封した弊社資料をご高覧ください」

「ご査収ください」

メールや文書で見かける「ご査収(さしゅう)ください」は、送った添付物や資料などにしっかりと目を通してほしい場合に用いられます。

また「査収」には、ただじっくり目を通すという意味が含まれているだけではありません。

良く確認したうえで受け取ってくださいという意味もあります。

したがって、目上の方や取引先などに対して資料や添付物を送る際に活用可能です。

「ご高覧ください」

「ご高覧ください」は、ある程度の距離感がある顧客や社会的地位のある方など特別な相手に対してサッと読んでほしい場合に使われます。

自社の情報がアップデートされたことを知らせたり、展示会や講演の感想を展開したりする際に使うことが一般的です。

「ご一読ください」は目上の人にも使える?

自分と同じくらいの立場の人には、「ご一読ください」というフレーズを使って全く問題ないでしょう。

しかし相手が上司や目上の人、取引先の担当者、お客様の場合は、ほかの表現方法も頭に入れておく方が無難だと言えます。

なぜかというと、「~ください」の部分に「有無を言わさず」というニュアンスを感じとる人も一定数いるためです。

「一読」を丁寧に「ご一読」と言っているのに、上から目線という印象を与えてしまうのはもったいないことです。

 「ご一読ください」を基本として、相手の立場やシチュエーションに応じて言い方を使い分けることをおすすめします。

「お目通しください」と「ご一読ください」の違い

冒頭でも少し触れましたが、「ご一読ください」の使い方を調べていると、よく「お目通しください」と比較されるケースが見られます。

「ご一読ください」は熟読してほしかったり、じっくり読んでほしかったりする場合に用いられることが一般的です。

それに対し、「お目通しください」はサラッと見てほしい場合に使われることが一般的です。

細かなニュアンスの違いなので戸惑うかもしれませんが、相手に見てもらいたい資料や本・書籍などが「じっくり見てほしい」ものなのか、「サッと見ておいてほしい」ものなのかで区別すると良いでしょう。

まとめ

今回は「ご一読ください」の使い方について、例文や受け取り手の印象も含めてご紹介しました。

「ご一読ください」は「ご確認ください」よりも遠回しで柔らかい印象を与えられることから、あらゆるシーンで使いやすい定型文です。

しかし、自分よりも目上にあたる人や取引先・距離のある方などに対して使うと、場合によっては上から目線の印象を与えてしまいかねませんので注意が必要です。

「ご一読ください」の意味や使い方をマスターして、今後のビジネスシーンで役立ててくださいね。

・執筆:山岸りん

短大卒業後、自動車ディーラーをはじめ金融関係、介護関係、保育、学習塾と幅広い業種での経験があり、現在は学習塾で小学生の学習に携わっています。

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