有給休暇の理由は伝えるべき?有給休暇の基本を知ろう!

更新:2018/11/07

社内ハック

会社員として働いていると、会社から「有給休暇」を取る権利を与えられます。有給休暇の取得を申請すると理由を聞かれることもありますが、正直に伝えなければいけないのでしょうか?今回の記事ではその素朴な疑問にお答えします。

まずは有給休暇の基本を知ろう

「有給休暇」は「有給で休める休暇」のことで、正式には「年次有給休暇(以下「有給休暇」と略)」といいます。労働者は、以下の2つの条件を満たすと会社(使用者)有給休暇を与えられます。

1.雇い入れ日から6か月間継続勤務する
2.その間の全労働日のうち8割以上出勤する

この条件を満たすと最低10日間の有給休暇が与えられます。(その後は、継続勤務年数1年ごとに一定日数を加算した日数の有給休暇が与えられます)。その他、有給休暇には以下のような決まりがあります。

・パートタイマーやアルバイトでも有給休暇を取れる
有給休暇はパートタイマーやアルバイト等の形態の労働者でも与えられるもので、有給休暇に日数は勤務日数に応じて変わります。

・有給休暇には期限がある
有給休暇には期限があり、付与されてから2年間取得せずにいると権利を失効します。

・有給休暇は自由に取得できる
労働者は、基本的に理由のいかんを問わず、有給休暇を取得することができます。「友人の結婚式に出席したい」「好きなアーティストのライブに行きたい」「新発売のゲームで遊ぶため」など、どのような理由でも構わないのです。

つまり、会社は労働者が有給休暇を取得したいと申し出たときに、その理由が気に入らないからといって拒否することはできません。また、有給休暇を取得した労働者の賃金をカットするなど、不利益になる扱いをしてはいけません。労働者が有給休暇を取ることによって業務上の差し支えがあるとしても、それを見越した人員配置をすることは経営者の義務だと考えられています。「代わりを探さないと休めない」という話をよく聞くことがありますが、これは違法です。

とはいえ、従業員全員が自由に有給を取っていては正常な業務ができなくなってしまうことも考えられます。そのため、請求どおりに有給休暇を与えることで正常な業務を妨げる恐れがある場合、使用者は有給休暇の時季を変更することができます。この権利を「時季変更権」といいます。

・年次有給休暇の計画的付与
有給休暇全体の付与日数のうち5日を除いた日数については、労使協定により「計画的付与」として会社が休日を指定し、その日を有給休暇として与えることができます。逆にいうと、有給休暇のうち5日分は個人が自由に取得できる日数として残しておかなければなりません。これは会社全体、あるいは事業所全体を一斉に休ませ、全従業員に対して同一の日に有給休暇を与えるという方式です。年末年始などに実施している会社が多いでしょう。

有給休暇を取る理由を正直に伝えないといけないの?

上記のように「有給休暇を取る理由」は何でも構いません。しかし、理由を正直に伝えないといけないのでしょうか?

結論から言うと、有給休暇を取る理由を伝える義務はありません。企業によっては、有給休暇取得のために申請書等を提出することもありますが、理由については「私用」と書いておけば問題ありません。ただし、事業所の繁忙期などの場合、上記の「時季変更権」によって取得時季の変更を依頼されてしまうことは考えられます。「それなら休みたい日の朝に申請すれば変更される時間もない」と考えるかもしれませんが、それはやめたほうが良いでしょう。突然の欠員は他の従業員に迷惑をかけることにもなりますし、そのような取得が横行すれば会社の業務にも支障をきたすでしょう。

いずれにしろ、使用者は「有給休暇を取得する理由が不明だから」といって有給休暇の申請を却下することはできません。有給休暇は、労働者が心身を癒し、リフレッシュするための正当な権利です。たとえ遊びの用事であったとしても問題はなく、具体的に理由を伝えなければいけないということもありません。十分に休んで気持ちを切り替え、休み明けにはしっかり働けるようにしたいですね。


(藤野晶@dcp)

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