辞令交付式とは? 当日の概要とマナーなどを解説

更新:2021/08/18

配属・異動


会社員になると、配属・異動・転勤・昇給・昇進など、さまざまな状況で会社から「辞令」を受けます。

中には「辞令交付式」という、辞令を交付するための式典が開かれることもあります。

今回はこの辞令交付式についてご紹介します。

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辞令交付式とは何のために行われるものか

「辞令交付式」は、従業員に辞令を渡す=「辞令交付」のために開催される式典です。

企業によってはわざわざ式典を開いて辞令交付をせず、上司から言い渡すだけということもあります。中小企業では、書類としての辞令は作らずに口頭で伝えるのみということも少なくないようです。

しかし、会社の規模が大きくなると、関係者が本社に集合して大掛かりなセレモニーを開催する場合もあります。

辞令とはそもそも何か

「辞令」とは、入社に始まり配属・異動・転勤・昇給・昇進などといったことがある際に、会社から渡される「命令文書」です。

昇進や異動などの辞令であれば、発令される前に打診があります。辞令とは会社の決定事項として発令されるものなので、発令後には取り消しを求めることはできません。

また、新入社員の場合には事前の打診はありません。人によっては希望した部署に配属されないということもありますが、会社としてはその部署が適任だと判断して配属しているのです。

「辞令」と「内示」「発令」「任命」の違い

辞令と似た言葉に「内示」「発令」「任命」がありますが、

  • ・辞令:人事事項の決定通知のこと
  • ・内示:辞令が出る前に対象者やその上司に辞令内容に知らせること
  • ・発令:従業員に命令・辞令などや警報を出すこと
  • ・任命:従業員が特定の役職につく命令を出すこと

という違いがあります。

辞令交付式は法律上の義務ではないが…

辞令交付式をしなければならないという法律上の義務はありません。口頭で辞令を伝えるのみでも十分ではあるのです。

しかし、辞令交付式を行い文書で辞令を出すことで多くの人に辞令の内容を知らせることができ、辞令内容を文書で残すことができます。

辞令交付式が慣習となっている企業も多く、日本では辞令交付式が行われることが一般的なのです。

辞令交付式はいつ?新入社員は入社式であるケースが多い

辞令交付式が行われる時期ですが、

  • ・新入社員:入社式と同時に
  • ・中途採用:新卒と同時の場合は入社式。時期が中途の場合は個別に

というパターンが多いようです。

詳しい流れは後ほど紹介しますが、新入社員として辞令を受ける場合も中途採用社員として辞令を受ける場合もアナウンスがあるはずですので、それにしたがっておけば間違いないでしょう。

公務員の辞令交付式も勤務初日に辞令交付式をし配属部署で挨拶

公務員の辞令交付式も民間企業と同じく勤務初日に辞令交付式を行い、配属部署に到着次第、部署内で挨拶という流れが一般的です。

一人一人の名前を読み上げるケースもありますが、大抵の場合は代表に選ばれた新入社員が代表して辞令を受け取ります。これは民間の大手企業も一緒です。

辞令交付式の流れ

辞令交付式の流れについて紹介します。企業規模やその企業の慣習によって異なりますが、大まかな流れは代わりません。

辞令交付式は、おおむね以下のような流れで進行します。

  1. 1.開会のあいさつ
  2. 2.社長・役員のあいさつ
  3. 3.辞令交付
  4. 4.役員の紹介
  5. 5.新入社員代表のあいさつ
  6. 6.閉会のあいさつ

企業によっては社訓の唱和や社歌の斉唱、その他さまざまなプログラムが盛り込まれます。これから働く会社がどのようなものかを知る、いい機会となるでしょう。

辞令交付式の服装とマナー

辞令交付式の服装とマナーについて紹介します。

辞令交付式にはこれから一緒に仕事をする先輩や役員も集まっており、新入社員を見ています。学校の入学式は比較的和やかで楽しい雰囲気がありますが、入社式・辞令交付式は業務の一環でもあり、緊張感がある式典ということを忘れないでください。

辞令交付式の服装はダークスーツかリクルートスーツ

辞令交付式に参加する際は、ダークスーツを着用するのがマナーです。ダークスーツを持っていなければ、就職活動のときに着ていたリクルートスーツでも構いません。

ダークスーツとは、略式の礼装です。白い無地のワイシャツに、落ち着いた色柄のネクタイを締めましょう。

制服がある会社なら制服での参加が指示されるかもしれません。なにかしらの指示があった場合には、それに従いましょう。

辞令交付式では進行役の指示通りに動けば問題ない

辞令交付式では事前に台本が配られたり、リハーサルを行うようなことはありません。

名前を呼ばれたら指示がなくても返事をしますが、それ以外の動作については進行役の指示どおりに動きましょう。当然、自分勝手な行動やアドリブはやめましょう。

私語やヘラヘラした態度はNG

過度ににこやかというのもあまりふさわしくありません。

表情は引き締め、毅然(きぜん)とした態度での参加が求められます。背筋を伸ばし、歩くときもだらだら、のそのそとせず、さっそうと歩きましょう。

返事は元気よく

辞令交付の際には一人ずつ名前を呼ばれ、辞令を受け取ります。

自分の名前が呼ばれたら、元気良く返事をしましょう。

辞令は卒業式のように両手で受け取る

上司から差し出された辞令を受け取るときは、両手でしっかり受け取りましょう。

ただし、手を上げるときは両手同時ではなく、左手・右手という順に辞令に手を添えます。辞令を受け取る際の手順は以下のようになります。

辞令の受け取り方の手順

  1. 1.名前を呼ばれたら元気よく返事をします。椅子に座っている場合は返事をして起立します。
  2. 2.発令者の所まで歩いて移動します。
  3. 3.歩ほど手前で立ち止まり、一礼します。
  4. 4.読み上げられる辞令の内容を、直立不動の姿勢で静聴します。
  5. 5.辞令が差し出されたら、すぐ手前まで進みます。
  6. 6.左手、右手の順で差し出し、辞令を受け取ります。
  7. 7.発令者に一礼し、2歩ほどそのまま後退します。
  8. 8.回れ右をして、元の場所(座席)まで戻ります。

この手順も代表者のみの場合は自分で受け取る必要がありませんし、大抵の場合は先輩方が例を示してくれますのでよく見ておきましょう。

辞令交付式で挨拶をする場合の例文

辞令交付式で挨拶をすることになった場合の例文を紹介します。

挨拶文を作る際のポイントはこれらです。

  • ・短くても1分、長くても3分程度にまとめる
  • ・要点は3つ程度に絞る
  • ・感謝の気持ちとこれからの抱負は忘れない

辞令交付式で新入社員代表として挨拶をする場合の例文

ーーー

本年度入社の〇〇です。

新入社員を代表して、ご挨拶と抱負を述べさせていただきます。

ご縁があり採用していただいたこと、また同じ会社の人間としてこの場に立たせていただいていることに感謝しております。

これからは諸先輩方が積み上げてきた歴史と伝統を支え、私自身も株式会社〜〜へ貢献できるよう精一杯の努力をし続ける所存でございます。

私たち新入社員は、社会人経験に乏しく至らない点も多くあります。諸先輩方におかれましては何卒、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

ーーー

辞令交付式にはマナーを守って緊張感を持っていどもう

入社式・辞令交付式というのは決して社員が楽しむためのイベントではありません。

会社にとっては正式なセレモニーなので、マナーが存在します。気を付けて参加するといいでしょう。

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