「大丈夫です」は敬語?ビジネスで使える言い換え表現を例文つきで解説

更新:2023/10/13

対人マナー

「大丈夫です」 という言葉は日常ではよく使う言葉ではないでしょうか。しかしビジネスシーンで使ってしまうと少しくだけた言い方に聞こえるため注意が必要です。

相手によっては失礼にあたることもありますし、子どもっぽい印象にもなりがちです。そればかりか、場合によっては勘違いの元になってしまうことも……!

やはり、ビジネスにおいては適切な敬語を使いこなしたいですよね。そこで今回は「大丈夫です」をビジネスシーンで言い換えるための敬語表現を、例文とともにご紹介します。

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「大丈夫です」の意味

日常生活の中で質問を受けて「大丈夫」という言葉は本当によく使いますね。この大丈夫という言葉の意味は、現在では多岐に渡って使われています。

【大丈夫です】とは?

●可能や承諾
⇒「OKです」と同じような意味

●問題ない、安心できるという意味
⇒「ケガはどう?」「大丈夫です」

●間違いない、確かであるという意味
⇒「大丈夫です、必ずうまくいきますよ」

●間に合っています、要りません
⇒「結構です」と同じような意味

「大丈夫です」は心配ない、間違いない様子を表すとともに「要りません」という意味があることにも注意しなければなりません。

このようにさまざまな意味を持つ「大丈夫」をビジネスシーンで使うと誤解を招きやすいという点を考えると、あまり使わない方が賢明です。

「大丈夫です」は敬語なのか

「大丈夫です」は「です」がついているため、文法としては丁寧語(敬語の1つ)にあたります。ですがビジネスシーンで使うのに適切な敬語表現とは言えません

なぜかというと、「大丈夫です」は肯定とも否定とも取れる曖昧な表現だからです。

さまざまな意味で便利に使えるからこそ、言葉の輪郭がぼやけやすく、ビジネスで使うと子どもっぽい印象になりやすいのかもしれません。

それに、ビジネスで曖昧な表現を用いると、ちょっとした勘違いからトラブルへ発展してしまうことにもなりかねません。

ビジネスシーンにおいては、できるだけ分かりやすい&失礼にならない表現を用いるというのが鉄則。ですから特に目上の人や敬うべき相手に対しては「大丈夫です」を使うのは避け、より適切な表現に言い換えるようにしましょう。

次からは、つい使ってしまいがちな「大丈夫です」の代わりとなる言い換え表現の例をご紹介していきます。

ちなみに、同僚や部下に対して承認を伝えたり元気づけたりするときには、少しくだけた表現として「大丈夫」を使うことができます。

「大丈夫です」の言い換え表現

大丈夫です 言い換え表現

「大丈夫です」の言い換え表現は、肯定なのか否定なのかによって異なってきます。

肯定したい場合

肯定したい場合の言い換え表現には、次のようなものがあります。

・はい、問題ありません
・問題ございません
・はい、お願いいたします
・承知いたしました
・かしこまりました など

肯定したいときは最初に「はい」とはっきり伝えることで、意図が伝わりやすくなるでしょう。

否定したい場合

否定、つまりお断りしたい場合の言い換え表現は次のとおりです。

・不要でございます
・必要ありません
・お断りいたします
・すみませんが今回は見合わせます
・遠慮させていただきます
・いえ、結構です など

お断りするときは言いにくい気持ちもあって、つい「大丈夫です」と使いたくなりますよね。ですが、どっちつかずの表現を使うと逆に混乱を招いてしまう恐れも。

失礼にならないよう、敬語表現を用いながらはっきりと意思表示をすることが大切です。状況に応じて「ありがとうございます」「申し訳ありません」といった言葉を添えてみてもいいでしょう。

「大丈夫です」を言い換えたビジネス例文

ここからは、もう少し具体的なビジネスシーンを想定した例文をご紹介します。

資料のやり取りを行うシーンで

まずは「大丈夫です」をそのまま使ってしまったNG例文から。

<NG例文>

「この資料を添付してもよろしいでしょうか? 」
→「大丈夫です」


取引先からこのように質問されて「大丈夫です」と答えてしまうとどうでしょうか。考えようによっては2通りの解釈に迷うことがあります。そのため、YesなのかNoなのかによって、次のように言い換えてみます。

<OK例文>

「この資料を添付してもよろしいでしょうか? 」
→Yesなら「はい、お願いいたします」
→Noなら「いいえ、こちら不要でございます。ご配慮ありがとうございます」


断るときも、失礼のないような丁寧な表現を心がけたいものです。

仕事を依頼されたとき

上司や先輩から仕事の依頼をされたときの例文です。

<例文>

「次の会議までに資料の手直しをお願いできるかな?」
→「はい、承知いたしました」


「大丈夫です」と答える代わりに「かしこまりました」「承知いたしました」を使いましょう。あるいは、上の例文の場合は「はい、可能です」も使えます。

電話での内容確認のシーンで

電話で何らかの申し込みをするようなときの内容確認の例文です。

<例文>

「(項目を読み上げて)こちらでよろしいですか?」
→「はい、問題ございません」


「こちらで大丈夫ですか?」ではなく「こちらでよろしいですか?」と表現しています。答える側も「大丈夫です」の代わりに「問題ございません」と答えるのが適切です。

飲み会に誘われたとき

もう1点、上司に飲み会に誘われたときの例文も見ておきましょう。断りたいときに「私は大丈夫です」とつい言いたくなりますが、次のように言い換えます。

<例文>

「営業部と合同で飲みにいくけど、一緒に行かない?」
→「せっかくですが、今回は◯◯なので遠慮させていただきます」


こうしたお誘いのシーンで「大丈夫です」と答えると、相手は判断に困ってしまいます。「遠慮させていただきます」「今回は見合わせます」のような表現がベターでしょう。

まとめ

日常生活の流れでついつい使ってしまう「大丈夫」。実は曖昧な言葉だということを念頭にいれておきましょう。ビジネスシーンでは極力使用を避けて具体的な言い回しで相手を戸惑わせないようにしたいものです。


(学生の窓口編集部)

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