「謹んで」の意味とは?正しい使い方と「慎んで」との違い【例文つき】

更新:2024/02/09

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「謹んでお悔やみ申し上げます」のように使われる「謹んで」の正しい意味や使い方が分からず困っていませんか?「慎んで」という似た言葉もあるため混同しないように注意しなければなりません。

今回は「謹んで」の意味やビジネスシーンでの使い方について、よくある言い回しの例文とともにご紹介。「心より〜」との使い分けや「慎んで」との違いについても解説しますので、是非参考にしてみてください。

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「謹んで」の意味と読み方

【謹んで】
(読み方:つつしんで)

・敬意を表してうやうやしく物事をするさま。
・かしこまって。

(引用:デジタル大辞泉

「謹んで」とは、相手に敬意を払いながら行動したり発言したりする様子を意味しています。「謹」という漢字には「相手に対して敬意をもって接する」という意味合いがあります。

例えば、年賀状でよく見かける「謹賀新年」や、手紙の冒頭の挨拶として使われる「謹啓」といった熟語にある「謹」も同じニュアンスです。いずれの熟語も、相手に対して敬意を払いつつ、ご挨拶を申し上げる丁寧な姿勢がうかがえる言葉です。

「謹んで」のビジネスシーンでの使い方

「謹んで」の基本的な使い方は、「謹んで〇〇申し上げます」といった挨拶の形となることが多いです。どちらかといえば挨拶状や弔電のような文面で書き言葉として用いられることが多いですが、話し言葉として使われることもあります。

「謹んで」の使用シーンとしては、一般的には冠婚葬祭や新年の挨拶(年賀状)などがあります。ビジネスにおいても関係者に不幸があったり、年賀状をやり取りしたりする際に使うことになるでしょう。

そのほか、ビジネスシーンでは人事異動の打診を受けて、返事をするときに「謹んでお受けいたします」のように使います。また、会社の不祥事があった際の謝罪にもよく使われています。

いずれにしても、「謹んで」はフォーマルなシーンやかしこまった席で使われるという特徴があります。

「謹んで」の主な言い回し表現をご紹介しましょう。

「謹んでお悔やみ申し上げます」

葬儀やお通夜などの席で、ご遺族に挨拶する際や弔電で用いられるフレーズです。

「謹んで新年のご挨拶を申し上げます」

こちらは年賀状でおなじみの挨拶。友達同士ではあまり使いませんが、ビジネスでは目上の人、取引先、顧客とのやり取りで鉄板のフレーズとなります。

「謹んでお受けいたします」

目上の人や取引先から大切なご依頼を受けたときに「謹んで」を使うと、あらたまった印象となります。あるいは人事異動の辞令を受けたときにも使えるフレーズです。

「謹んでお詫び申し上げます」

ビジネスで取引先や関係者にお詫びするシーンで使われます。「謹んで」をつけることで襟をただすような真面目な気持ちを表すことができ、誠意が伝わりやすくなります。

「謹んでご報告申し上げます」

ビジネスでこちらから何かを伝えたいときに使えるフレーズ。例えば表彰者を発表したいときなどに「謹んでお伝えします」よりも上記の方がより敬いの気持ちを表現できるでしょう。

このように「謹んで」は「〜申し上げます」とセットで使われることが多いです。

「謹んで」と「心より」の使い分け

「謹んで」はかしこまった表現なので、特に話し言葉としては使いづらいと感じることもあるかもしれません。そんなときに便利なのが「心より」。

「心よりお悔やみ申し上げます。」
「心よりお詫び申し上げます。」

このように、お悔やみやお詫びのシーンで話し言葉として使うのに適しています。「心からそう思っている」といった誠意や丁寧な姿勢を表すことができるので、あわせて覚えておくと便利です。

「謹んで」の使い方を例文でチェック!

「謹んで」の使い方 例文

ここからは、もう少し具体的な例文を大きく2つのシチュエーションに分けて紹介します。いずれも、言葉を贈る相手に対する敬意を払った丁寧な言い回しとなっています。

喜ばしいシチュエーションでの使用例文

○新年の挨拶で

「謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。」

こちらは年賀状のほか、仕事始めの際の年始の挨拶メールとしても使われます。

○取引先の新社長就任の知らせを受けて

「この度の新社長のご就任につき、謹んでお祝い申し上げます。」

謝罪やお悔やみなどでの使用例文

○自社が提供するサービスの不具合により、迷惑をかけた顧客への謝罪に際して、

「先般の不具合につきまして、謹んでお詫びを申し上げます。」

「謹んで」や「心より」をつけることで、より丁寧な謝罪の表現となります。

○親交が深い相手企業の方が亡くなったというニュースを聞き、

「このたび、突然の○○様の訃報に接し、悲しみは如何ばかりかと拝察致します。弊社一同、謹んでお悔やみを申し上げます。」

「謹んで」と「慎んで」の違いとは?

「謹んで」と混同しやすい言葉に「慎んで」があります。この2つの違いを考える際、それぞれの漢字「謹」と「慎」の本来の意味に着目すると、違いが理解しやすくなります。

「謹」には、前述のとおり相手に対して敬意の気持ちを表す意味合いがあります。一方「慎」は、失礼や粗相(そそう)をおかさないように気をつけるさまという意味合いを持っています。

身近な熟語としては、「慎重」が一例として挙げられます。つまり、「慎んで」とは行動や想いを抑制するという意味を表しているのです。

「謹んで」と「慎んで」の使い分けはどうするのが正解?

もし、「謹んで」と「慎んで」の使い方で迷ったら、まずは、相手に対する敬意なのか、自身または相手に対する戒めなのか、どちらに該当するかを考えてみましょう。

「謹んで」の方は先に解説したとおり、冠婚葬祭やかしこまった挨拶、謝罪などで相手への敬いの気持ちを表現したいときに使います。

一方、「慎んで」を使うシチュエーションは、行動や発言を慎むべきときなど、自身または相手を律する必要がある文脈で利用するのが一般的です。

「慎んで」を使った例文をご紹介しておきます。

○自身の反省文の中で

「先日の私の言動には行き過ぎがあったと感じ、深く反省しております。今後は、言葉を慎んで参りたいと思います。」


○部下などにメールで指示をするとき

「お客様から弊社の接客に関して苦情をいただいております。くれぐれも軽率な言動は慎んでください。」

まとめ

「謹んで」とは「敬意を表してうやうやしく〜する」という意味です。主にかしこまったシーンで使われる言葉なので、いざという時になって困らないように、言い回しのフレーズごと覚えてしまうのがおすすめ。「謹んでお悔やみ申し上げます」など、スラスラ出てくるようになればスマートです。

また、「慎んで」とは混同しやすいので要注意。両者の違いをきちんと理解して、マナー違反にならないような文書やメールを作成できるようになるといいですね。

(マイナビ学生の窓口編集部)

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