「ご無沙汰しております」は目上の人に使える? 意味や使い方を解説【例文つき】

更新:2023/12/08

電話・メール

久しく相手に連絡を取っていない場合に使われる「ご無沙汰しております」という言葉。ビジネスの場面でもよく耳にすることが多いのですが、使い方を間違ってはいませんか? 

今回は、「ご無沙汰しております」という言葉の意味と使い方、実例をご紹介します。

ビジネスで何かと活用できる表現である「ご無沙汰しております」の意味を正しく理解して、より円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

ビジネスで使う「ご無沙汰しております」の意味

ご無沙汰しております 意味

「ご無沙汰(ぶさた)しております」は、長い間連絡を取らなかったり、やり取りがない状態が続いたりしたことを申し訳なく思い、詫びるときの挨拶の意味で使われます。

「ご無沙汰」の「沙汰」は、「便り」「知らせ」を意味する言葉。つまり「ご無沙汰」は「便りや知らせがない」という意味です。

そこから「ご無沙汰しております」とは「ご連絡をせずにずいぶん経ってしまっております。」という意味になります。さらに連絡をしていなかったことに対するお詫びのニュアンスが含まれているのです。

「ご無沙汰しております」は目上の人にも使える?

「ご無沙汰」と、「ご」をつけることで相手に対して敬いの気持ちを、一方、「おります」は謙譲語なので、自分を相手に対して下げることになります。

敬語である「ご無沙汰しております」は、目上の人にも問題なく使うことができます。ビジネスシーンでの鉄板フレーズとして、正しく使えるようにしておきましょう。

「ご無沙汰です」は親しい間柄のみに

ただし「ご無沙汰です」のように略した表現は、目上の人に対して失礼にあたります。

普段からタメ口を使うほどに親しい人でない限りは、「ご無沙汰しております」を使いましょう。

「ご無沙汰」とはどのくらいの期間?

ご無沙汰とはどのくらいの期間?

「ご無沙汰」がどの位の期間を指すかというのは、それまでどの位の頻度でやり取りしていたかによって異なります。ですが一般的には「3ヶ月程度」が目安となっています。

・3ヶ月以上会っていない
・3ヶ月以上メールや電話連絡がない

このどちらかに当てはまれば「ご無沙汰しております」を使っても違和感がないでしょう。

3ヶ月以上会っていないけれど、メールや連絡をしている場合は、

「お会いするのは久しぶりですね」
「対面でのご挨拶はご無沙汰しておりました」

のように使うことができます。

「ご無沙汰しております」の言い換え表現

ご無沙汰しております 言い換え

「ご無沙汰しております」の言い換え表現には、このようなものがあります。

・お久しぶりです。
・しばらくぶりです。
・久方(ひさかた)ぶりです。

ビジネスシーンでは、基本的に「ご無沙汰しております」が好まれます。プライベートでは「お久しぶりです」など、相手に合わせた表現を使うといいでしょう。

「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の使い分け

「お久しぶりです」は「ご無沙汰しております」ととてもよく似た表現ですが、いくつか違いもあります。

まず「ご無沙汰しております」は謙譲語なのに対して、「お久しぶりです」は丁寧語です。謙譲語は自分がへりくだることによって相手を立てることができるため、目上の人に対して使うのにふさわしい言葉です。

そしてもう1点、「ご無沙汰しております」はお詫びのニュアンスがありますが、「お久しぶりです」は「久しぶりに会えた!」という喜びのニュアンスが強くなります。

このような違いをふまえると、ビジネスシーンで目上の人や取引先などに対しては「ご無沙汰しております」を使う方がベターです。その方が相手を立てる表現になりますし、「しばらく経ってしまったのですが……」と申し訳なく思う気持ちも伝えることができるでしょう。

「お久しぶりです」の方は、身近な先輩や同僚、後輩に対して使えます。もちろんビジネス以外のカジュアルなシーンでもよく使われます。「久しぶりに会えて嬉しい!」という気持ちを表したいときにぴったりです。

▼こちらも合わせてチェック!
「お久しぶりです」は敬語?「ご無沙汰しています」との違いと使い方例文

「ご無沙汰しております」の使い方と例文

ご無沙汰しております 使い方例文

それでは、ビジネスで使われる「ご無沙汰しております」の実例を見ていきましょう。

メールで使う場合の例文

メールで「ご無沙汰しております」を使う場合は、冒頭の挨拶の部分に入れることが多いです。

<基本の例文>

ご無沙汰しております。
いろは株式会社の〜〜と申します。

上記が基本の例文です。

次に、転勤後の上司に久しぶりにメールをする場合の例文です。

<上司へのメール例文>

大変ご無沙汰しております。
大阪支店でお世話になりました〜〜です。
その後お変わりありませんか。

このように「お変わりありませんか」「お元気でいらっしゃいますか」などをプラスしてあげると自然な流れになります。

取引先に使う場合には、「しばらくご連絡ができず大変失礼いたしました。」といった一文を添えると丁寧な印象となります。

手紙で使う場合の例文

手紙で使う場合は「拝啓」が最初にくるパターンが多いです。

<拝啓から始まる例文>

拝啓 早春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。すっかりご無沙汰しており、誠に申し訳ございません。

また、暑中見舞いなどの挨拶状でも使われます。

<挨拶状の例文>

暑中お見舞い申し上げます。ご無沙汰しておりますが、お元気でしょうか。

このような形で、時節の挨拶と一緒に使いましょう。

口頭で言う場合の例文

口頭で言う場合、自己紹介とあわせて使われることが多いです。

<口頭での例文集>

・大変ご無沙汰しております。いろは株式会社の〜〜です。この度は、貴重なお時間を作っていただきありがとうございます。

・すっかりご無沙汰してしまいまして申し訳ありません。

・ご無沙汰しております。〇〇のセミナーでお会いした▽▽社の〜〜です。

このように、「大変ご無沙汰〜」「すっかりご無沙汰〜」のようにすると感情を込めやすくなります。

返事も含めた会話編もご紹介しておきます。

A:「いろは株式会社の〜〜です。大変ご無沙汰しております。」

B:「こちらこそご無沙汰しておりまして申し訳ありません。お元気そうで何よりです。」

上記のように、返事をする方も「こちらこそご無沙汰しております。」と返答するのが基本です。

まとめ

「ご無沙汰しております」という言葉は、どんなときに使えばよいのか、正しい使い方を確認していただけましたか? 

ビジネスで久しぶりに連絡を取る場合、久しぶりに会う場合にコミュニケーションを円滑に進めるのは難しいこともあるでしょう。そんなときに役に立つのが、この「ご無沙汰しております」という表現です。

久しぶりにお会いする取引先の方とスムーズなコミュニケーションを取るためにもしっかり使っていきたいですね。

文:マイナビ学生の窓口編集部

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