「~したい」と自分の希望やお願いを伝えるとき、そのまま敬語として使用するのは適切ではありません。通常は「~したい」に尊敬語などを組み合わせて敬語として使用します。ここでは「~したい」を敬語として適切に使用できるようにその使い方や例文を紹介していきましょう。

  • 「~したい」は敬語でなんて言う? 希望・お願いを伝える敬語の使い方と例文をご紹介

    「~したい」は敬語でなんて言う? 希望・お願いを伝える敬語の使い方と例文をご紹介

「~したい」の敬語表現は?

「~したい」を敬語表現にしたい場合、最もシンプルなのが「~いたしたい」「~させていただきたい」と言い換えることです。「ぜひご一緒いたしたいです」「ご提案させていただきたいのですが……」といったフレーズは、ビジネスシーンでもよく使用されています。

その他にも、「~したい」を敬語として使用したい場合、謙譲語、尊敬語や丁寧語との組み合わせることも可能です。謙譲語とは相手に対し敬意を示す目的でへりくだって表現するものです。

例えば、「会う」の謙譲語は「お目にかかる」となり、「~したい」との組み合わせでは「お目にかかりたい」とすれば敬語になります。

尊敬語は動作や存在の主体を上げる目的で、話し手が相手に対し敬意を表現するものです。例えば、「会う」の尊敬語は「お会いになる」となり、「~したい」との組み合わせでは「お会いになりたいでしょうか」とすれば敬語になるでしょう。

丁寧語は動作や存在に対して、話し手が相手に敬意を示したり上品に表現したりするものです。具体的には「お」や「ご」などの接頭語、語尾の「です」や「ます」などが該当します。

例えば、「会う」の場合では「お会いしたいです」にすると、敬語になります。

  • 「~したい」を敬語で使う際の表現をご紹介しました

    「~したい」を敬語で使う際の表現をご紹介しました

「~したい」の敬語表現の使い方・例文

「~したい」を敬語として使用する場合の例を紹介します。なお、「~したい」に謙譲語、尊敬語や丁寧語を適当につけても敬語として機能しないケースもあるので注意したほうがよいでしょう。

「~したい」の敬語表現の例文①

例文1:「あなたの資料を拝借させていただけませんか」
例文2:「あなたの資料を拝見したいです」

「見る」という言葉の謙譲語である「拝見する」を「~したい」に組み合わせることで、上記の例文は丁寧な表現となり敬語として使用できます。

また、「させていただく」や「です」などの表現を加えることで丁寧感が増すのです。ただし、「させていただく」の場合では二重敬語でもあり、また相手のとの立場や親密度の点で丁寧になりすぎて適切でなくなるケースもあるので注意したほうがよいでしょう。

「~したい」の敬語表現の例文②

例文3「お酒をお飲みになりませんか」
例文4「お酒を召し上がりますか」

「酒をのみたいか」を敬語とするには、「お酒をお飲みになりたいでしょうか」などの表現に変えると敬語として利用できそうですが、その表現では適切とはいえないのです。

目上の方に「~したい」を直接問うのは丁寧な表現ではないのでその使い方は避けたほうがよいでしょう。そのため例文3のように「~しませんか」という表現にしたり、例文4のように「食べる」の尊敬語である「召し上がる」を使用したりすると敬語として使用できます。

「~したいです」のビジネス向きの言い換え表現

ここでは、「~したいです」のビジネス向きの丁寧な言い換え表現を紹介します。

「~したく存じます」

「~したく存じます」は、「~したいです」の最上級の敬語表現といわれています。「存じます」とは「思います」「知っています」の謙譲語なので、「~したく存じます」は「~したいと思っています」という意味です。

堅い表現なので、取引先や顧客などの社外の目上の立場の人に使えます。

  • ぜひ一度お伺いしたく存じます
  • お目にかかりたく存じます

「~いたしたいです」

「~する」の謙譲語である「~いたす」に、希望を表す助動詞「たい」をつけて「~いたしたいです」にすることで、「~したいです」よりもより丁寧な表現になります。

こちらも堅い表現なので、社外の人とやりとりする際に使用できます。

  • そのように対応いたしたいのですが、よろしいでしょうか
  • 貴社にもこちらの市場の情報をお伝えいたしたいです

「~を希望いたします」

「~を希望いたします」も、ビジネスでよく使用される「~したいです」の言い換え表現の一つです。口頭だけでなくビジネスメールでもよく使用されます。

  • こちらのプロジェクトにつきまして、弊社も参加を希望いたします
  • メンバーの見直しを希望いたします

「~してもよろしいでしょうか」

「~したいです」をビジネス口調に言い換える際に、社外・社内や口頭・文面問わず使いやすいのが、「~してもよろしいでしょうか」という疑問形の表現です。

「~したいです」と言い切るよりも、丁寧で柔らかいニュアンスになります。

  • こちらの内容について、お話してもよろしいでしょうか
  • 今回の件は、一度持ち帰ってもよろしいでしょうか

「~したい」の敬語表現や言い換え表現を覚えてビジネスに活かそう

今回は「~したい」の敬語表現や、ビジネスで使える言い換え表現を紹介しました。

ビジネスシーンで「~したいです」と言いそうになった際は、今回紹介した敬語表現や言い換え表現を思い出して、ビジネス向けの表現に直してみてくださいね。少し表現を変えるだけで、一気に丁寧な印象に変わりますよ。