初任給とは、社会人1年目となった人が最初にもらえるお給料のこと。はじめてもらえるお給料、みんないくら位もらってるの?平均はどの位?気になったりしますよね。そこで今回は、新社会人になる前に知っておきたい、大卒の初任給、そしてその手取りについてご紹介します。
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2022年3月25日に公開された厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によれば、大卒の初任給の平均は、
22万5,400円
となっています。
実はこの「賃金構造基本統計調査」は2020(令和2)年から変わっており「通勤手当を除く→含む」など変更が出ています。そのため推移を把握しづらいのですが、対前年でみると0.3%減という状況です。
「大卒の初任給って、専門学校や大学院とは違うの?」
上記の調査では大卒以外の初任給もまとめていますので、参考までにご紹介します。
高校 | 17万9,700円 |
専門学校 | 20万6,900円 |
高専・短大 | 19万9,800円 |
大学 | 22万5,400円 |
大学院 | 25万3,500円 |
もちろん「大卒だから高い・低い」ではなく、つく職業によっても初任給は変わってきますので、あくまで目安としてお考えください。
大卒初任給の最低ラインですが、先ほどの「令和3年賃金構造基本統計調査」によれば、「15万円未満」が統計表上の最低ラインとなっており、そこに0.3%ほど分布しています。ですので15万円前後というのが最低ラインの1つの目安となりそうです。
企業の初任給というのは、同業他社や全体としての相場をもとに決められることが多く、どこも似たような金額となっている傾向があります。ですが、やはり高い金額を設定している企業もあることは事実。
ここでは、東洋経済オンラインが会社四季報との協力により発表した「初任給が高い」企業から抜粋して、初任給ランキングをご紹介します。
=2016年度大卒初任給ランキング=
順位 | 社名 | 初任給 (万円) |
1位 | 日本商業開発 | 50.0 |
2位 | GCA | 37.5 |
3位 | グリーンランドリゾート | 34.0 |
4位 | KLab | 32.0 |
〃 | リブセンス | 32.0 |
6位 | モルフォ | 30.8 |
7位 | ソースネクスト | 30.0 |
〃 | サイボウズ | 30.0 |
〃 | バーチャレクス・コンサルティング | 30.0 |
10位 | ウィル | 29.8 |
1位は「日本商業開発(現:地主株式会社)」がダントツの50万円という結果になっています。社会人1年目から上記のような金額というのは驚きもありますが魅力的ですよね。ちなみに業種別でみると、初任給の高い業種TOP3は次のようになります。
=2021年大卒初任給の高い業種TOP3=
順位 | 業種 | 初任給 (万円) |
1位 | 鉱業,採石業,砂利採取業 | 25.1 |
2位 | 学術研究,専門・技術サービス業 | 23.8 |
3位 | 医療,福祉 | 23.5 |
(引用:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
ここまで解説してきた初任給ですが、この額面どおりのお金がもらえるわけではありません。ここからさまざまなお金が引かれた後の、残りのお金を受け取ることになります。この実際に受け取る金額のことを「手取り」といいます。では一体どんなお金が引かれるのでしょうか。
・健康保険料:医療保険です。会社と半額ずつ負担します。
・厚生年金保険料:年金をもらうための掛け金。これも会社と半額ずつ負担します。
・雇用保険料:失業給付などを受けるための保険です。
・所得税源泉徴収:給料にかかる税金です。
・住民税:自分の住んでいる自治体に納める税金です。
(※住民税は社会人2年目から課税させるので初任給からは引かれません)
※他に年齢によって「介護保険料」などが差し引かれることもあります。
先ほどの初任給から、これらの保険料や税金を差し引いたものが「手取り」として実際に支給されることになります。ちなみに、もろもろ引かれる前の金額は「総支給額」「額面」などと呼ばれます。ここを混同しないように気をつけましょう。
ちなみに健康保険料と厚生年金保険料は、当月分をその月に差し引く場合と、1ヶ月遅れで差し引く場合があります。そのため社会人1年目の場合は5月分の給料から差し引かれるケースも多いです。また、住民税は前年の収入を基に計算されるため、1年目は差し引かれません。
では初任給が22万円だった場合は、実際どれくらいの手取りになるのでしょうか。
まずは各保険から計算してみましょう。保険料額は都道府県や加入する健保によって異なりますが、ここでは「協会けんぽ・東京都」を例にとって計算します。給与月額22万円の場合、
このようになります。そして雇用保険料は、2022年度(令和4年度)の雇用保険料率(一般の事業)が3/1000ですので、
ここで、総支給額22万円からこの社会保険料合計3万1,581円を引きます。
差し引かれた後の金額は18万8,419円。次はこの金額に所得税が課せられます。18万8,419円の場合は4,340円が所得税で源泉徴収されます。初任給からは住民税が差し引かれませんので、所得税だけ引いていきます。
これが手取り額です。今回は「通勤手当を含む・含まない」など考慮していませんのであくまで概算ですが、実際に受け取るのは18万4,000円程度となります。
ネット上では「大卒初任給の手取り17万ってどうなの?」といった声も見られますが、手取り17万円というのは特別少ない金額ではありませんのでご安心下さいね。
ちなみに、2年目からは住民税も引かれるので、額面が同じままだと手取りはさらに少なくなります。反対に残業代が増えれば手取りは増えますが、社会保険料もその分増えていくしくみとなっています。
大卒の初任給は平均22万円程度、その場合の手取りは概算18万円〜19万円程度となります。思ったより多い、少ないなどあったかもしれませんね。
実際にお給料をもらう段階で「なんでこんなに少なくなっているんだ!」と驚かないためにも、支給されるまでに差し引かれるお金のことを知っておくと、ダメージが和らぐかもしれません。
文:マイナビ学生の窓口編集部
<参考資料>
・厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」PICKUP:【診断】新社会人におすすめのクレジットカードはコレだ!
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