リソースとは?ビジネスシーンでの意味と使い方【例文つき】

更新:2023/06/27

ビジネス用語

リソースとは

ビジネスシーンでたびたび見聞きするカタカナ言葉の1つに「リソース」があります。

リソースとは一言でいうと「資源」を意味します。資源といえば、石油などの天然資源もリソースの1つ。一方、ビジネスで欠かせない資源とは……?そう、「人」も大切な資源です。

今回は、ビジネスシーンでの「リソース」の意味や種類、使い方について徹底解説。「リソース配分」「リソース不足」といった表現バリエーションや、類義語についてもお伝えします。


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リソースとは?ビジネスシーンでの意味

ビジネス用語としてのリソースという言葉は、ビジネスを行う上での資源全般を指しています。もとは英語の“resource”からきているカタカナ言葉です。

【resource】
資源、物資、財源、資力、資産

資源のほか、上記のような言葉に言い換えてみても分かりやすいかもしれません。具体的には「人」「モノ」「お金」がビジネスシーンでの代表的なリソースです。

それから、リソースはIT分野で使われることも多い言葉です。IT用語としてのリソースは、求められる処理を実行するのに必要なコンピュータの能力やシステム環境のことを指します。

リソースの種類

ビジネスでのリソースには、実にさまざまな種類があります。

もしあなたがこれから何らかのビジネスを立ち上げるとしたら、どんな資源が必要でしょうか。よろしければ起業家になったつもりで考えてみてください。

人的リソース

まず代表的なリソースが「人」です。事業を行うにあたって、最初は1人でも良いかもしれませんが、事業を大きくしていくにはアシスタントや営業などの人材がだんだん必要となってくるでしょう。

この人的リソースは、

・ヒューマンリソース
・人的資源
・シンプルに「人材」

などと言い換えることができます。

また、自分が雇われる側になって考えてみると、「資源」と呼ばれると何となく物質的で「使われる」といったイメージになりませんか。人に対してマイナスなイメージを避けるためにあえてカタカナ語で「リソース」といったり、あるいは「ヒューマンキャピタル(人的資本)」と呼ぶこともあります。

経営リソース

経営リソースとは、会社を経営していく上で必要となるリソース全般のことを指します。先ほどの「人的リソース」も、この後の「外部リソース」も、実は全て経営リソースに含まれるものです。

●経営リソースの具体例

・モノ(オフィス・パソコン・FAX・備品など)
・お金
・情報(顧客情報や業界情報など)
・時間
・知的財産(武器となりうる技術・著作権・商標権など)

外部リソース

外部リソースとは、自社だけでは不足する部分をまかなってもらうための「会社の外にある資源」のこと。例えば、人手が足りない業務についてはアウトソーシング(業務委託)するといった方法があり、これは「外部リソースの活用」といえます。

あるいは、会社を経営する上では専門家のサポートが必要になることも。税務に詳しい税理士や、法律に詳しい弁護士などですね。こうした専門家と顧問契約するようなケースも外部リソースの一例です。

ちなみに、外部リソースの反対にあたるものを「社内リソース」と呼びます。

リソースの使い方

リソースの使い方

リソースとは資源のことなので、代表的な使い方としては「リソースを確保する」「必要なリソース」などがあります。

いずれも事業を行うにあたって必要となる、「人やモノなどの資源」という意味でリソースが用いられています。

そのほか、リソースの使い方でよく見られる表現バリエーションをご紹介しましょう。

リソースを割く

「リソースを割く(さく)」とは、今までの資源を分けて、他のことにも役立てることを意味します。「社内リソースをどこに割くか」といった使い方をします。

例えば新しいA店を出店するなら、当然ながらA店にリソースを割く必要があります。A店で働く人的リソースの投入、そしてお店を回していくための資金リソースも必要になってくるでしょう。

リソース配分

「リソース配分」とは先の「リソースを割く」とほぼ同じ意味合いで用いられます。組織においては、限られた資源を適切に配分することが求められます。

リソース配分で難しいのは、やはり人的リソースでしょう。人それぞれに採用条件やスキルが違いますし、住む場所に家族の事情もあるかもしれません。せっかく異動してもらっても退職してしまったり、新たに新卒採用をするとなれば時間もお金もかかったり。

ということで「人」は最も大切なリソースであると同時に、配分が最も難しいという特徴があります。企業が人的リソースの配分に悩まされるケースは多いようです。

リソース不足

本来なら必要とするリソースを確保できていない状況のことを「リソース不足」と表現します。「リソース不足のため、受付を停止しています。」といった使い方があります。

ところで、「リソース不足」という言葉を聞くと「私に何かが不足している?」と焦ってしまうかもしれません。ですが、人間個々のスキルが足りないというよりも、組織として必要な人員が足りないというニュアンスとなります。

リソース管理

「リソース管理」とは、企業にとって大切な資源を適材適所に配分し、有効活用するためのマネージメント(管理)のこと。

「リソース不足にならないよう、適切なリソース管理が求められている。」のように使われます。実際に、リソース管理が不十分だと次のようなマイナスの影響が懸念されます。

・働く人たちの環境が悪化し辞めてしまう
・サービスが低下し顧客満足度が下がる
・業界の技術トレンドに乗り遅れる など

このようなことにならないよう、リソース管理はしっかり行うことが大切。会社によっては「リソースマネージメント担当」を置いているところもあります。

IT用語としてのリソースの使い方

IT分野でのリソースは、コンピュータ処理に必要なCPUやメモリ、システム環境などを指すことがあります。

例えば「そのシステムを導入するにはリソース不足だ」といった風に使います。ただしIT分野でも人材が不足していることから、エンジニア不足を「リソース不足」と表現することも多いです。

リソースを使った例文

ここからは、リソースを使った例文を一挙ご紹介します。

●基本的な例文

「新商品発売に向けて、必要なリソースを充分に確保してください」

上記の例文では新商品シリーズ発売を控え、ECサイトでは発売開始と同時にアクセスが集中、店頭も混雑すると想定。サーバーダウンしないように「サーバーを増強」したり、「対応人員を確保」したりして備えることを「リソースの確保」と表現しています。

●「リソースを割く」の例文

「新事業への進出に興味はあるが、現時点でリソースを割くのが難しい」

こちらは新事業を検討はしているものの、今はまだ人材や資金などをそちらに回す余裕がない、という意味の例文です。

●「リソース配分」の例文

「リソース配分に偏りがないか、特に人的リソースには注意を払う必要がある」

「リソース配分」と「人的リソース」を同時に使った例文です。A店ばかり働く環境が良くて、B店の環境がブラックというのは好ましくありません。会社全体をみて、人材の配置に偏りがないか注意しなければなりません。

●「リソース不足」の例文

「プロジェクトのリソース不足を補う」

プロジェクトで不足している何らかの資源を補うという意味。人員の場合もあるでしょうし、資金の場合も考えられます。または、場所や物品の可能性もあるでしょう。

●「リソース管理」の例文

「リソース管理は、プロジェクト成功のためのカギを握っています」

リソース管理にはさまざまな要素があります。たとえば資金を確保するために融資を受けたり、物品は必要に応じてレンタルしたり、能力を活かせる人員を配置したり。必要な資源をしっかり管理することで、プロジェクトは成功しやすくなるでしょう。

リソースの類義語

リソースは「人」「モノ」「お金」といった多くの意味を内包しているため、類義語としてはやはり「資源」が適当です。

そのほか「人材」「物資」「労力」「お金と時間」などに言い換えができる場合もありますが、これはケースバイケースで判断しなければなりません。

リソースとアセットの違い

リソースと似た言葉にアセット(asset)という言葉がありますが、リソースが「資源」なのに対して、アセットは「資産」であるという違いがあります。

【リソース=資源】
・産業のもととなって価値を生み出すもの
・「使う」「活用する」ことが前提にある

【アセット=資産】
・金銭・土地・家屋・証券などの財産
・多くの人にとって、それ自体に価値がある

アセットの方は、換金性が高いものを指すことが多いです。リソースも「お金」や「モノ」など換金性があるものが含まれるという点で、共通する部分もあります。

ですが、たとえば「忙しいビジネスパーソンのリソース配分」といった場合、リソースは「時間」というニュアンスを含みます。アセットで言い換えると不自然になってしまいますのでご注意ください。

まとめ

リソースとは一言でいえば「資源」のこと。ですが「人」「モノ」「お金」「時間」などさまざまな種類があるため、パッと聞いただけでどれを指しているのか把握しづらい言葉でもあります。

自分で使う際は「人的リソース」「資金リソース」といった具合に、何を指しているのかを頭につけてあげると分かりやすくなります。ちょっとした工夫が円滑なコミュニケーションに役立ちますよ。

文・マイナビ学生の窓口編集部

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