今さら聞けない!「デフォルト」とは?意味や使い方を例文つきで解説

更新:2024/02/01

ビジネス用語


ビジネスシーンだけでなく、ネット上やニュースなどでも耳にする「デフォルト」。一般のビジネスシーンでは「標準の」「初期設定」という意味で使われることが多くなっています。

ですが実は、デフォルトには意味が複数あるため、正しく知らないと「あれ?」と思ってしまうこともしばしば。意味をはき違えると、コミュニケーションに支障をきたす可能性も……。

そこで今回は、デフォルトの意味や使い方について例文つきで詳しく解説します。


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「デフォルト」の意味は?

デフォルトには複数の意味があるため、ビジネスシーンでも混乱しやすい言葉の1つです。まずは本来の意味から見ていきましょう。

デフォルトの本来の意味

デフォルトの本来の意味について確認しておきましょう。

デフォルトは英語の“default”からくるカタカナ言葉。“default”の本来の意味は「不履行(約束を果たさないこと)」「怠ること」という意味です。

“default”という単語を分解すると「de=強調」+「fault=失敗する」。そこから「怠慢」「ちゃんとやっていない」というニュアンスにつながっています。

本来のデフォルトは、少しネガティブな意味を持つ言葉なのです。

一般ビジネスシーンでは「標準」

一般のビジネスシーンで使われるデフォルトの多くは、「標準」「基本」「普通の」という意味で、ビジネスのほか日常会話でも広く使われています。

「特別に変わったことではなく通常の、定番の」といったニュアンスです。例えば「あの人の遅刻はデフォルトだ」と言えば、たまたま遅刻したというよりも、基本的にいつも遅刻する常習犯というニュアンスになります。

それからもう1つ、デフォルトは「初期設定値」「初期状態」という意味でも広く使われます。スマホやパソコン、アプリやamazonといったECサイトまで、各種設定の画面で幅広く目にすることがあるでしょう。

ITの分野では「初期設定」

IT分野でのデフォルトは、先ほど出てきたとおり「初期設定値」という意味です。パソコンやスマホ、各種ソフトの初期設定のことを指しています。

本来の意味の「怠ること」とは少し違いますが、そこから転じて「何もやっていない」→「初期設定のまま」という意味になったと考えられます。

これがさらに転じて、人やその他の物事に対しての「初期状態」→「標準」といったビジネス一般での広い意味にもつながっているのです。

金融の分野では「債務不履行」

金融の分野でのデフォルトは、上記の本来の意味にとても近く「債務不履行」という意味です。

たとえば、新聞の見出しに「ギリシャ、デフォルトの危機」とあれば、金融危機に陥って債務不履行になりそうだ、という意味になります。

スポーツ分野では「棄権」

もう1つ、スポーツの分野でもデフォルトが使われます。スポーツにおいてデフォルトとは、試合での「棄権」や「欠場」を意味します。

デフォルトの使い方と例文【シーン別】

デフォルトの使い方と例文

ここまで見てきたように、デフォルトは使用シーンによって少しずつ意味が異なります。ここからは、シーン別にデフォルトの使い方や例文をお伝えします。

一般ビジネスシーンでの使い方と例文

一般ビジネスシーンでのデフォルトは「標準」「基本」という意味で、さまざまな物事や人に対して使われます。また、デフォルトを略して「デフォ」ということもあります。

<例文1>

「彼の遅刻はデフォルトだ」

上記は「彼はいつも遅刻する」「遅刻が当たり前になっている」というニュアンス。

<例文2>

「当社ではノーネクタイがデフォルトです」

ネクタイをしないノーネクタイのスタイルが、当社では特別なことではなく、いつものことだという意味の例文です。「金曜日だけノーネクタイ」といった特別な扱いではなく、それが「標準」だということです。

<例文3>

「最近の帰宅は10時を過ぎるのがデフォになっている」

デフォはややくだけた印象となります。帰宅が夜10時を過ぎてしまうのが「通常の状態」になってしまっている、それが当たり前のようになっているという意味の例文です。

また、ビジネスに限らず趣味やプライベートのシーンも含め、デフォルトは広く使われるようになっています。

<例文4>

「これからはこの髪型をデフォルト設定にしよう」

髪型を変えてみたらとても気に入ったので、自分の中で「基本設定」にしよう、これから切るときも基本的にはこの髪型にしよう、という意味です。

IT分野での使い方と例文

IT分野でのデフォルトは「初期設定」という意味でした。パソコンやスマホ、ゲーム機などあらゆるデジタル機器のハード・ソフトを問わず「初期設定」を指して使われます。

使い方としては「デフォルトはどうだった?」「デフォルトに戻そう」「デフォルトのまま」など。同じ意味で「デフォルト設定」と呼ぶこともあります。

入手したばかりのソフトや見積もりなどのフォーマットに対して、何も設定をいじっていなければ「デフォルト状態」とも表現します。

反対に、必要に応じて設定を変えることをカスタマイズといいます。

<例文>

社員A:「このPCのデフォルトのブラウザはMicrosoft Edgeなのですが、このサイトはChromeで開いてください」

社員B:「かしこまりました」

上記のように、デフォルトのままでは上手くいかないというケースもよくあります。コンピューターの設定で何かおかしいと感じたときに「これがデフォルトですか?」という聞き方もできます。

amazonでのデフォルトとは?

amazonのようなネットショッピングサイトの中でもデフォルトという言葉がよく使われています。

●デフォルトのお支払い方法
⇒初期設定(基本)となるお支払い方法

●デフォルトの住所
⇒初期設定(基本)となる住所

イメージとしては、はじめての買い物で自宅住所やクレジットカードを入力すると、それがシステムに登録されてあなたの初期設定となります。

次に買い物するときは初期設定があるので、都度入力せずに済んで楽々!というわけです。もちろんデフォルトの情報は変更することもできます。

金融での使い方と例文

金融・経済の分野でのデフォルトは「債務不履行」という意味なので、緊迫したシーンで使われることが多いです。「デフォルトが起きた」「デフォルト危機」「デフォルト騒動」などの使い方があります。

<例文>

「アルゼンチンはデフォルトしたことがある」

アルゼンチンは過去、外国から借りたお金が返せなくなりデフォルト宣言をしました。国のデフォルトは国際経済に大きな影響を与えるので、新聞などで大きく取り上げられます。

よって、新聞でデフォルトという言葉を見かけたら「債務不履行」を意味している可能性が高くなります。

デフォルトは国のほか、会社の場合でも使われますが、個人の債務不履行に使われることはあまりありません。

まとめ

デフォルトは使用シーンにより意味と使い方が異なります。「初期設定」から変化して「標準」や「基本」という意味でも使われることが多くなっています。

本来は「不履行」という意味だったのですが、だんだんと変化してきたということですね。デフォルトには複数の意味があることを知り、シーンによって使い分けるようにしましょう。

(学生の窓口編集部)

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学生の窓口編集部

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