OJTの意味とは? 目的や言葉の使い方を解説【例文つき】

更新:2023/06/27

ビジネス用語


OJTとは、On-The-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略称で、実際の職場で実践を通して学ぶ訓練のことを指します。

多くの企業は新人研修の一環としてこのOJTを取り入れ、上司から部下へ、またはベテラン経験者から若手社員へと知識やスキルを伝承しています。

入社してすぐの新人研修などで、OJTという言葉を初めて耳にしたという新社会人も多いでしょう。OJTの詳しい意味と言葉の使い方、類義語や対義語についてご紹介します。

「OJT」とはどんな意味?

OJTとは、On-The-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)のことで、実際に仕事の実務をこなしながら学んでいく研修手法を指します。

一般的に「研修」というと、研修センターや会議室などに集まって、講義を受けたり実習したりするイメージがありますよね。

こうした一般の企業研修とは異なり、「ビジネスの現場に身を置いて実践的に仕事を教えてもらう」のがOJT(オージェーティー)です。

OJTの特徴とは

OJTの大きな特徴は、「仕事についての指導を受ける」と同時に「実務もこなす」という点です。

プロの現場に身を置くわけですから、対外的なやりとりもあります。場合によっては責任の大きい仕事に、入社早々から関わることもあるでしょう。

OJTの具体的なやり方は、

・1人の新入社員に対して、1人の先輩社員が教育係としてつく
・専門の指導員を配置する
・チーム全体で、問題が起きたときにフォローする

このように企業によってバラつきがありますが、同じ部署の先輩社員が教育係としてつくケースが多いようです。

OJTのメリット・デメリット

実務を行いながらのOJTは、より実践的なノウハウや知識を身につけることができる点がメリット。

新入社員の早期成長につながるとメリットを感じる企業が多い反面、対象社員が受け身である場合は成長しにくい、社内に明確なマニュアルがない場合は教育係の先輩社員のスキルに左右されやすい、といったデメリットもあります。

このデメリットを回避するためには、教育係自体の研修も重要な課題と言えるでしょう。

OJTが生まれた背景

OJTという言葉が生まれたのは第一次世界大戦中のアメリカです。当時、アメリカの造船所では大幅に人員を増やす必要があり、大量の人材を育成する指導方法として、チャールズ・R・アレン氏が「4段階職業指導法」を考案しました。

4段階職業指導法とは、「やってみせる(Show)」→「説明する(Tell)」→「やらせてみる(Do)」→「確認、追加指導(Check))」の4つからなるもの。

さらに第二次世界大戦中、この「4段階職業指導法」を発展させた「TWI研修(Training Within Industry for supervisors ― 監督者のための企業内訓練)」が生まれ、高度成長期になる日本に輸入されて、現在のOJTへと発展しました。

OJTの目的

OJTの目的

OJTの目的は次のとおりです。

●その企業における戦力となる社員を育てること

●OJT終了後は独り立ちして活躍できるレベルになってもらうこと

つまり、OJTの期間をただ全うしてそれなりの社員になる、というのでは不十分であり、しっかり「1人で動けるようになるまで育てる」ことを目的としています。

そのため、OJTでは明確なマニュアルのもとに、一定のスキルまで人材を育てることが求められます。マニュアルがない状態で、先輩社員の判断だけに依存した研修は、OJTとは呼べない可能性もあるということです。

OJTの使い方とビジネス例文

OJTという言葉は、新入社員教育のシーンで使われることが大半です。使い方としては、名詞的に「今年のOJTは〜」「OJTを実施する」のように用いられます。

また、新入社員のほか中途社員の教育においても使われることがあります。いくつかビジネス例文をご紹介しますので、使い方のイメージをつかんでみてください。

<例文1>

「来週はスーパーバイザーによるOJTだ。さらに気を引き締めよう」

スーパーバイザーとは監督者のこと。飲食業界などでは本部の役職の1つであることが多く、受け持つエリア全体の店舗について管理や指導をして回っています。

このスーパーバイザーが一定期間、実際に店舗スタッフとして一緒に働きながら指導を行うのもOJTの1つのパターンです。

<例文2>

「OJTでは、ちゃんとマニュアルも活用しよう」

指導する側の先輩社員は、普段の業務に教育係としての仕事が加わり責任重大。マニュアルにもとづき、教えるべき仕事を網羅していく必要があります。

<例文3>

「導入研修が終わって、明日からいよいよOJTスタートだ」

「OJTで実践的なビジネスマナーを身につけることができた」

最初は研修センターなどに一堂に集まって導入研修→より実践的にOJTを行う、というケースは多いようです。

OJTの類義語・言い換え表現

OJTの類義語・言い換え表現

OJTの類義語・言い換え表現には次のようなものがあります。

・職場内研修

・職場内トレーニング

・現任訓練(げんにんくんれん)

・実地研修(じっちけんしゅう)

「現任」には「現在、役を任されていること」という意味があります。つまり仕事人としての役割も任されながらの訓練、ということ。あまり聞きなれない表現かもしれませんね。

OJTの対義語

OJTとは反対の意味になる対義語は、“Off-JT(Off the Job Training)”です。

これは「実際の業務から離れて行う研修」のことを指します。


まとめ

OJTは、新入社員の教育手法としてよく知られています。もちろん新入社員だけでなく、中途社員に適用されることもあります。

仕事のやり方は、マニュアルを見ただけではなかなか頭に入ってこないもの。OJTなら実際にやってみることができ、失敗も通して多くの経験値を得ることができるでしょう。

OJT期間は、担当する先輩社員に気軽に質問しやすい「ラッキー期間」でもあります。このチャンスに1つでも多くのことを吸収できれば、今後のキャリアにきっと活きてくるはずですよ。

文・マイナビ学生の窓口編集部

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