コミットの意味とは? ビジネスシーンでの使い方と例文を紹介

更新:2023/08/17

ビジネス用語

コミットとは「責任を持って引き受けること」という意味を持つビジネス用語です。

某パーソナルトレーニングジムのCM効果もあり、「結果にコミットする」というフレーズはビジネス以外でも頻繁に耳にするようになりました。

今回は「コミット」「コミットする」の意味や使い方、その例文や言い換え表現についてもご紹介していきます。

コミットの意味とは?

コミットの意味は、責任の伴う約束や目標や目的に対して「積極的に関わること」「責任を持って引き受けること」を意味します。

コミットはもともと“commit”(動詞)“commitment”(名詞)という英単語から来ています。2つの意味合いはよく似ており、

【commit】
委託する、引き渡す、引き受ける、約束する
(罪などを)犯すという意味もある

【commitment】
委託、委任、約束、公約、責任
投獄という意味もある

という幅広い意味合いを持っています。カタカナ言葉としてのコミットはもう少し意味が絞られており「責任を持って約束する」「全力で取り組む」といったニュアンスです。

ちなみにコミットメントは政治の分野でよく使われる言葉で「公約」を意味しています。

コミットの意味をわかりやすくいうと

もう少しコミットの意味を分かりやすくするために、テレビのCMで有名になった「結果にコミットする」の意味を考えてみます。この場合の「コミットする」をわかりやすくいうと

・(結果を出すことを)約束する
・(結果に)責任を持って深く関わる

という意味になります。

「コミットする」は本来の意味を考えるとおかしい?

ちなみに「結果にコミットする」という使い方ですが、英語の“commit”から考えると少しおかしいのでは、という意見もあります。

英語のcommitは動詞です。動詞に「〜〜する」を付けるのはおかしいのではないか、とする意見です。

確かに「カムする」「スピークする」などを考えると、動詞に「する」を付けるのは違和感があるかもしれません。つまりカタカナ言葉としての「コミット」は、英語の“commit”と全く同じではなく名詞的に使われているのです。

フルコミットの意味とは

また「コミット」の最上級の表現として「フルコミット」という言葉もあります。フルコミットは、結果や成果に対して、コミットをより強調する意味で使われます。

<例文>
今年は仕事にフルコミットしたい。

これは、仕事以外のことを差し置いてでも仕事に「100%全力投球したい」という意思表明のニュアンスで使われています。

IT業界におけるコミットとは

IT業界におけるコミットとは、コンピュータ処理を「確定させる」「反映させる」という意味を持ちます。

例えばデータベースシステムにおいて、トランザクション処理の一連の流れが正常に行われて確定させることをコミットと呼びます。

また、バージョン管理システムにおいては、例えばGitというシステムを使っている場合に「変更内容を保存し反映させる」ことを指しています。

ビジネスシーンでのコミットの使い方と例文

ビジネスシーンにおいては、「仕事に対して責任を持ち、目標までの過程を積極的に行動に変えていくこと」がコミットしている状態です。

代表的な使い方は「コミットする」「コミットできる」「コミット力」などが挙げられます。

コミットするには責任もリスクも伴うので、失敗を恐れない精神や愚痴をこぼさない、あきらめない粘り強さが必要になります。それゆえ「自分自身にコミットする」のようにも使います。

コミットできる人は、コミットしていない人に比べてその成果や結果を高く出せるともいわれています。プレッシャーも伴いますが、必ずやり切るという決意がコミットとも言えるでしょう。いわば、本気度がコミットなのです。

コミットを使った例文|約束・公約という意味で使う

実際のビジネスシーンでコミットがどのように使われるのか例文をご紹介します。
まず、約束・公約という意味で使われる例文です。

・彼女がコミットしないのは自信がないからだろう。

・結果にコミットできない人は採用できない。

・その意向にはコミットできません。

・50%利益拡大を実現することをコミットします。

・私の上司はいつも部署の業績にコミットして結果を出し続けています。

コミットを使った例文|関わる、深い関与という意味で使う

次に、関わる・深い関与という意味で使われる例文です。

・そのプロジェクトにコミットさせてください。

・この役割に全身全霊でコミットしていきます。

・改革の実現に向けてコミットしていきます。

・上司の仕事にコミットした。

・彼はコミットが足りないようだ。

・あの先輩のコミット力は素晴らしいな。

コミットをビジネスで使う際の注意点

コミットの意味や使い方が分かれば早速使ってみたいところですが、実は注意点もあります。ビジネスシーンで「コミットする」を使う際に注意したいポイントをまとめました。

責任を持って取り組みましょう

「コミットします」と言った場合、その行動や結果に対しては責任が求められます。確実に実行できると思われる約束に限定するとともに、周囲の関係者に対して責任を果たすことが重要です。

無理な約束は避けましょう

コミットする前に、自分のスケジュールや持てる力をよく確認し、本当に約束を果たすことができるのかどうか慎重に検討しましょう。くれぐれも無理な約束は避けるべきです。

約束の範囲を明確に

前項の「無理な約束」にも関連しますが、あまり広範囲な約束をしないように注意しましょう。範囲を明確にしてできるだけ具体的な約束をすることで、本当に結果を出せる可能性が高まるでしょう。

コミットの言い換え表現・類義語

ビジネス用語でのコミットの言い換え表現には次のようなものがあります。

・積極的に関与する
・約束する
・深く関わる
・参加する
・責任を持つ
・参与する

「結果にコミットする」を言い換えると、「結果に責任を持つ」などと言い換えることができます。ケースバイケースで言い換えるといいでしょう。

コミットとプロミスの違い

コミットと似た意味を持つ類義語に、「約束」という意味の“Promise(プロミス)”があります。コミットもプロミスも「約束」という意味がある点は同じです。

違いとして、まずコミットの方は「計画や目標の達成」について責任を持ってやり遂げるというニュアンスが強いです。

<コミットの例文>
私たちはこのプロジェクトの成功にコミットします。

対してプロミスの方は、日常やビジネスの取引など広いシーンでの守るべき約束といったニュアンス。もちろん必ず守るべきものではありますが、目標に向けてやり遂げるといったニュアンスは弱めです。

例えば「明日のお約束は2時ですね」といったものがプロミスですが、そのまま日本語で「お約束」と表現されるケースが多いです。カタカナ言葉のプロミスを使うケースとしては「ブランドプロミス」という言葉があります。

<プロミスの例文>
ブランドの顧客に対するお約束のことを「ブランドプロミス」と呼びます。

例えば「◯◯を通じた感動体験」「革新的な機能とシンプルなデザイン」といった風に、ブランドがお客様にどんな価値を提供するのか、約束する内容をブランドプロミスと呼んでいます。

コミットと混同しやすい言葉も

「コミットメント」「コミット」と似た言葉に、「コミッション(commission)」「コミッショナー(commissioner)」「コミッティー(committee)」などがあります。

それぞれの意味は次のとおりです。

●「コミッション」
→手数料、わいろ

●「コミッショナー」
→プロ野球などの協会最高権力者

●「コミッティー」
→委員会

これらはコミットと音が似ていて混同しやすいので注意しましょう。

まとめ:コミットは責任が伴うシーンで使われる

ビジネスシーンで使われるコミットの意味は、「積極的に関わる」「責任を持って約束する」ことを指します。つまりコミットとは結果を出すことが求められる言葉でもあります。

コミットすることは時に難しいこともありますが、だからこそチームのみんなや社員と協力しながらスキルを向上していけるのではないでしょうか。コミットの意味と使い方をしっかり覚えて、ビジネスシーンでも活用していきましょう。

文:マイナビ学生の窓口編集部

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