「報連相(ほうれんそう)」とは? 意味や使い方、重要性を解説【例文つき】

更新:2023/10/13

ビジネス用語

報連相 意味と使い方 実践ポイント

みなさんは「報連相」という言葉をご存知ですか?知っているつもりでも自信がない、あるいは「上手くできない……」と悩んでいる人もいるかもしれません。

報連相ができていないと、その人への評価が下がるだけでなく、全体としてのパフォーマンスにも悪影響が及び、結果的に他人にも迷惑が掛かってしまいます。

今回は、ビジネスシーンでいつの時代も重要視されている「報連相」の意味や目的、上手に実践するコツを学んでいきましょう。

報連相の意味は?

報連相とは、「報告」「連絡」「相談」のそれぞれの頭文字をとった造語を指します。読み方は「ほうれんそう」。野菜の「ほうれん草」を連想させる覚えやすい言葉となっていますね。

「報告」
⇒業務の状況や結果を伝えること。

「連絡」
⇒そのときどきに応じて必要な情報を伝えること。

「相談」
⇒直面した課題に対して上司や先輩から指示・判断やアドバイスをもらうこと。


「なんだ、こんなことか」と思うかもしれませんが、いざとなるとつい怠ってしまいがち。ビジネスシーンにおいては常に念頭に置いておきたい言葉です。

報連相の目的とは?

報連相の目的は、組織内で情報を共有すること、そして情報の共有によって組織としての力を最大化することです。

ビジネスにおいては多くの場合、組織で物事が進んでいきます。組織ではA→B→Cといった具合に指示系統が決まっており、目まぐるしく移り変わる状況に臨機応変に対応することが求められています。

こうした組織の中で適切な判断や指示が行われるためには、現場で何が起こっているのかきちんと共有することが不可欠です。

たとえば営業の報告をすることで新しい戦略を立てられたり、困っていることを相談することで早期解決を図ったりできるでしょう。

このように、さまざまな情報を共有することによって組織が一丸となり、ワンチームとして最大の力を発揮できるようになるのです。

報連相の重要性とは?

報連相の重要性

ビジネスシーンにおいては、誰もが報連相の重要性を認識し、行動に移していかなければなりません。報連相が重要視されている理由は次のとおりです。

損失を最小限にできる

もしあなたが電話対応していて、大きなクレームを受けてしまったらどうでしょう。小さなクレームなら1人でも善処できるかもしれませんが、大きなクレームでは会社としての適切な対応が求められることも。

そんなときに報連相をしないで1人で抱え込んでしまうと、問題がより大きく複雑になってしまうことになりかねません。適切に報連相を行うことで、会社の方でもベストな対応策を講じることができるようになるのです。

それに、メリットは会社側だけでなくあなた自身にもあります。1人で抱え込んで問題が大きくなってしまったときの精神的負担は計り知れません。

業務に責任感を持ってあたることも大切ですが、報連相によって組織で対応することで、あなたへの過度な負担を軽減することにもつながるのです。

業務を効率化できる

報連相は「業務を効率化できる」というメリットも。たとえば重要な案件にチームで取り組んでいるときでも、ミーティング等で報連相が行われていれば軌道修正が容易にできます。後になって「あれは無駄になってしまったね」というようなことを減らせるわけです。

しかし、報連相がなく情報が共有できていないと、上司も状況を把握できていないため指示がズレてしまう可能性があります。するとチームとしてのパフォーマンスや成果は著しく低下してしまうのです。

報連相する上で気をつけること

実際に報連相をするときに気をつけたい、2つの注意点について解説します。

相手の立場に立って考える

報連相とはいわばコミュニケーションの1つなので、相手の立場に立って考えることが大切です。

たとえば上司が重要なトラブル対応にかかっているときに、さほど緊急性のない報告を行うのはタイミングとして好ましくありません。

また、何を伝えたいのかわからない報連相も、相手を不安にさせたりイライラさせたりすることにつながりかねません。上司の時間も限られていることを考慮し、「簡潔に」「結論から」伝えるように心がけましょう。

相手の気持ちを考えて適切なタイミングで簡潔に要件を伝えられれば、チームとしての生産性が上がりますし、お互いの信頼関係も生まれてきます。何事も相手をおもんぱかる気持ちが、相乗効果を生み出すのです。

相手を気にしすぎないことも大切

「相手の立場に立ってと言われても、上司はいつも忙しくてタイミングが分からない……」

報連相が大切なのは分かっていても、なかなかタイミングが掴めずストレスになってしまうケースは多いもの。特に、タイミングが悪くて叱られたりした経験があると、次はどのように報連相すべきか悩んでしまいますよね。

先ほどの「相手の立場に立って考える」と相反するようですが、実は「相手を気にしすぎない」ことも大切です。実例で考えてみましょう。

<実例>
クライアントから連絡が入り、当社の重大なミスが発覚。即対応すべき案件です。しかし上司は別の重要案件に対応していて忙しそう……どうする?

(1)今話しかけると怒られそうなので10分待つ
(2)怒られそうだがすぐ報連相
(3)上司が落ち着くまで待つべき

どうでしょうか。正解は(2)です。

もちろん詳細によって異なりますので、あなたの責任権限によっては上司への報連相が少し後になっても構わないケースもあります。ですが、責任者がその上司である場合にはすぐに報連相すべきです。

怒られたくないという気持ちはよく分かります。しかし、報連相が遅れたことでクライアントの怒りを買ってしまったり、被害が拡大してしまったりする方が問題としては大きいのです。

上司も人間ですから、あまり業務が集中すると声を荒げてしまうこともあるでしょう。しかし後になってみると、すぐに報連相したあなたのことを評価してくれるはずですよ。

上手な報連相のコツ ポイントは4つ!

簡単なようで意外に難しい報連相。できるだけスムーズに上司とやりとりしたいものですよね。ここでは上手な報連相のコツを4つのポイントにまとめました。

1)適切なタイミングで
2)報連相の前に一声かける
3)伝え方は「簡潔に」
4)自分の考えも用意する


それぞれ順番に解説します。

1)適切なタイミングで

先ほどの内容とも重複しますが「適切なタイミングで」を心がけましょう。報連相と一口に言っても、その中身は緊急性の低いものから高いものまでさまざまです。

緊急性の高い件に関してはすぐに報連相することが求められますし、業務の状況報告ならキリの良いときや落ち着いた頃を見計らうなど、ケースバイケースで対応を分けることが大切です。

2)報連相の前に一声かける

タイミングを見計らうといっても、上司がどんな状況なのか分かりづらいこともありますよね。そんなとき「報連相の前に一声かける」ことが有効です。

たとえば「今お時間よろしいでしょうか」と上司にお伺いを立てることで、上司の側に報連相のタイミングの判断を委ねることができます。

「どんなこと?」と聞かれたら「◯◯の件の状況報告です」と簡潔に伝えます。あるいは、緊急の案件なら最初から「◯◯でトラブルが出ています、今よろしいでしょうか」と一言で重大性が分かるように伝えるといいでしょう。

3)伝え方は「簡潔に」

「ああなって、こうなって、そしてこんなことがあって…」

こんな風にだらだら感のある伝え方では、聞いている側が頭の中で話をまとめなければならず、疲れてしまうかもしれません。

伝えるときは結論から、5W1Hを意識して簡潔に伝えることを心がけましょう。

それから「ご相談は2点あります。1つ目は〜、そして2つ目は〜」のように、最初に2つあると表明してしまうのも、分かりやすく伝えるコツの1つです。

4)自分の考えも用意する

報連相の内容によりますが、どう対応すべきか判断に迷っているときの相談事では、自分なりの考えを用意してみるといいです。

A「◯◯の件で困っています。どうしたらいいでしょうか。」

B「◯◯の件で困っています。私としてはこのように考えていますが、いかがでしょうか。」

もしあなたが上司の立場だったら、どちらの方が答えやすいでしょうか。

Aの場合、対応策について上司が1から答えを示してあげる必要があります。ですがBの場合は、相談者の考えが示されているため、その考えを軸にしてアドバイスしやすいのです。

それに、正しい答えを全て上司に委ねるよりも、自分で考える練習をすることが新たな気づきにつながることも。あなた自身の成長にもきっと役立つでしょう。

報連相の例文を見てみよう

報連相という言葉を使った例文を何点かご紹介しておきます。

「困ったときこそ、報連相をしっかりしなければ」


仕事で問題が起きたり困ったりしたときこそ、1人で抱え込まずに報連相を行うことが大切。先輩や上司に相談することで、解決のきっかけとなるアドバイスをもらえるケースは多いです。

「例のトラブルがA社の責任者に報告されていない。A社は報連相どうなっているのだろう……」


トラブルが担当者のところで止まっていて、A社の責任者まで報告が行っていないという意味の例文です。こうしたことが発覚すると社外からは不信感を持たれてしまうため、注意しなければなりません。

「リモートワークでは、今まで以上に報連相を意識することが求められる」


会社に出社せず、自宅で仕事をするリモートワークが増えています。対面で様子を見ることができない分、オンラインミーティング等でしっかりと報連相を行うことが大切です。

さいごに

報連相の意味や使い方例文、実践のポイントまで解説してきました。組織で円滑に仕事を進めていく上で、報連相は欠かすことのできないものです。

ですから報連相についてはどこの企業でも必ずといっていいほど新人研修に組み込まれているはず。しかし、その重要性を知りつつも、なかなか上手くできないという人も多いようです。

反対にしっかりと徹底できている人は、周りの人や上司から信頼され、仕事を任せてもらうことにもつながるでしょう。

上手に報連相する際のポイントも解説しましたので、ぜひ参考にして、あなたも今日から実践してみてくださいね。

(学生の窓口編集部)

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