「ご足労おかけします」や「ご足労いただきありがとうございます」の使い方、知っていますか。
「上司に使ってもいいんだろうか」「上から目線だし、失礼なのでは?」と、知ってはいても使えないという人も多いようですね。
なんとなく使っている人もいるようですが、使うなら本当の意味や使い方を理解した上で使った方がいいでしょう。
この記事では、「ご足労」の意味とマナー違反にならない使い方、言い換え表現などを紹介します。
▼目次
1.「ご足労おかけしますが」は敬語?本来の意味とは
2.「ご足労おかけします」を使用するタイミングと注意点
3.「ご足労おかけします」の使い方例文
4.「ご足労いただきありがとうございました」はお礼の表現として
5.「ご足労おかけします」の言い換えフレーズ例
6.まとめ:「ご足労おかけします」を使いこなして敬語マスターに近づこう
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足労の本来の意味は足を働かせるというものであり、平たく言えば「歩く、行く、来る」などの行為を示すものです。「ご足労」はそれを敬語表現としたものであり、この場に足を向けて来てくれたことを意味します。
ビジネスシーンでよく用いられる「ご足労おかけします」という表現は、基本的にはわざわざ来てもらうことに対して感謝を表すために用いられるのです。「こちらの要望に応じて、わざわざこの場にまで足を運ぶようにお願いしてしまいますが」という意味を持ちます。
「ご足労おかけします」「ご足労いただく」は場面に応じた使い分けが必要になりますが、いずれも相手がわざわざ出向いてくれたことに対して敬意を表するための表現です。
広い使い方では相手の行ってくれた行動全般に対する敬意表現として用いる場合もあるんですよ。
「ご足労おかけします」という表現にある「ご足労」は本来は「歩く、行く、来る」といったものですが、目上の人が行う行為全般を示すケースもあります。
「ご足労おかけします」という表現は、その意味を利用して、「歩く、行く、来る」といった行為に重点が置かれない場面でも使用できます。
最も有用なのは上司や顧客とのコミュニケーションにおけるクッション言葉としての活用です。
上司にわざわざ現場の視察に来てもらったり、会議への出席や交渉の場への隣席を依頼したりする場合に、「ご足労おかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」と伝えるといいでしょう。
また、顧客に対して店舗への再来店を要求しなければならない場面もしばしばあります。そのような際に「ご足労おかけしますが、この日以降に再度ご来店いただけますか」という使い方ができます。
このように「ご足労おかけします」をクッションとして利用すると相手の印象が格段によくなります。
上司や目上に使う場合は、実際の負担が来ることにあるか、その後に必要になる会議や交渉などの行為にあるかにかかわらず使用できるクッション言葉として「ご足労おかけしますが」を利用してください。
「ご足労おかけします」という表現は「これからわざわざ来ていただくことに対して敬意を払うために使う表現」です。依頼の際に使用するようにしましょう。
実際に会って使用するよりは
のときに用いられることが多いです。
また、「ご足労おかけします」の後には「よろしくお願いいたします」がセットで付いてきます。
「ご足労おかけします」を使うタイミングは、依頼を承諾してもらった後です。依頼の承諾に対するお礼として「ご足労おかけしますが」という表現を使うのが適しています。
来てもらうことを意味してしまうからこそ、その事実が確定するまでは使用しないのが原則です。
まだ依頼を承諾していない時点から「ご足労おかけしますが」と言ってしまうと、来てもらうことが前提になってしまい押し付けがましい印象を与えます。
他の敬語表現と同じように、取引先などの社外の人がいる中で社内の人間に対して「ご足労をおかけします」と使うのはNGです。
社外の人に対して失礼になります。
「ご足労様です」は、「ご足労をおかけいたしました」を短縮した表現として使われることがありますが、使わない方がいいでしょう。
「ご足労おかけします」が相手に対する感謝の表現なのですから、省略せずにきちんといいましょう。
「ご足労おかけします」の使い方を具体的な例文で紹介します。
「ご足労おかけします」は本来の意味の都合上、相手がわざわざ出向いてくれるというビジネスシーンでの利用が基本です。どのような言い回しがあるかを知って覚えておくとすぐに使用できるようになるでしょう。
基本形としてまず覚えておくといいのが
「ご足労おかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」
という表現です。
ビジネスメールのやり取りの最後によく用いられる表現です。
直接会話しているビジネスシーンでも、イベントへの参加の承諾を得たり、後日に会社まで来てもらえる交渉に成功した際にはよく用いられます。
「ご足労おかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
「ご足労おかけしますが、弊社へのご尽力を決断してくださいまして御礼の言葉もありません。」
「弊社へのご尽力を決断してくださいまして〜」の表現は、協力を得られて後日に会社まで来て指導をしてもらえるといった場合に使います。
実際に来てもらった場合には
「この度は弊社にご足労いただきまして恐縮です。」
が基本表現です。
「本日はお足元の悪い中、ご足労いただきましてありがとうございます。」(雨天の場合)
雨の日に来ていただいた方に対して「本日はお足元の悪い中」をプラスしましょう。
「ご足労」は謝罪のシーンでも使えます。
「ご足労いただいたところ、非常に申し訳ないのですが」
「こちらの不手際であるにも関わらずご足労をおかけし、誠に申し訳ございません」
のように、こちらのミスで謝罪しなければならないのにも関わらず、相手に来社してもらった場合や相手が来社した場合に使います。
「ご足労おかけします」が必ずしも定型句として頻用されるわけではありません。ご足労を用いる表現は多数あります。
「ご足労いただく」というのは「ご足労おかけします」と同様に広く用いられる表現です。
たとえば「ご足労いただきありがとうございます」のように、「わざわざ足を運んでいただき(ありがとうございます)」のように使います。
タイミングに応じて同じ言葉であっても表現を変える必要があることは留意して使用していきましょう。
「ご足労おかけします」を使いたくない場合の言い換えフレーズについて紹介します。打ち合わせなどで来社してもらう際、「来てください」だと直接的過ぎますね。
来社してもらいたい場合は、
などのフレーズが使えます。
「ご足労おかけします」や「ご足労いただき」といった、「ご足労」を使った表現の意味と使い方について解説しました。
「ご足労おかけします」や「ご足労いただき」は、ビジネスでお世話になる相手への気遣いや配慮を表す大切な言葉です。
ぜひ意味と使い方、使い分け方をしっかり押さえてスムーズに使えるようにしましょう。
文:学生の窓口編集部
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