入れすぎ注意!洗剤と柔軟剤の絶妙なバランス

更新:2017/08/22

社会人ライフ

洗濯はしっかりと汚れを落としたい!柔らかく香りよく洗濯物を仕上げたい!そう思うあまり、洗濯をする際についやってしまいがちな間違いが、洗剤や柔軟剤の入れすぎです。洗剤や柔軟剤は量が多いと効果が高いというわけではありません。そこで、洗剤や柔軟剤の効果を高める方法や入れすぎによるデメリットについて考えてみましょう。


■洗剤で汚れが落ちる仕組み

洗剤は「界面活性剤」の働きによって衣類の汚れを落とします。「界面活性剤」とは、水や油などの性質が異なる2つの物質をなじみやすくする働きをする物質のことです。洗濯用洗剤に含まれている界面活性剤には、次のような働きがあります。

1. 繊維に水を浸み込ませる

乾いたタオルや衣類に水をかけると繊維が水をはじいてしまいます。これは、繊維の表面に界面張力(分子同士が引き合う力)が働いているからです。界面活性剤は繊維の界面張力を弱めて繊維に水を浸み込ませる働きをします。

2. 汚れを繊維から引き離す

界面活性剤が繊維と繊維についた汚れの間に入り込み、汚れを繊維から引き離します。

3. 汚れを水に分散させる

油汚れやホコリやススなどの水に溶けにくい汚れは水になじみません。界面活性剤は、繊維から引き離した汚れを水になじませる働きをします。

4. 汚れが再び繊維につくのを防ぐ

水に分散された汚れを界面活性剤が包み込み、汚れの分子が再び繊維につくのを防ぎます。


■洗剤の量は洗濯物の量と水量で決まる

洗濯洗剤は、量が多ければ多いほど汚れを落とす効果が高まるわけではありません。汚れを落とす界面活性剤は一定の濃度までは濃度と洗浄力は比例しますが、一定量を超えてしまうと洗浄力はほとんど変わらなくなります。そのため、各メーカーは、汚れを最大限に落とせる濃度になるように使用する洗剤の量を設定しています。指定された分量より多く入れても洗浄力はアップしないので洗剤のムダ遣いになるだけでなく、すすぎが不十分になり、かえって汚れが残ってしまうことにもなりかねません。逆に、量が少なすぎると洗浄力が低下して汚れを落とし切れなくなることがあります。洗濯用洗剤の効果を最大限に高めるためには、適切な量を使用することが大切です。

洗濯機にも洗濯物の量や水量による洗剤の量の目安が示されている場合が多々ありますが、あくまで目安としてとらえておき、必ず洗濯用洗剤に記載されている使用料を守るようにしてください。


■柔軟剤の効果とは?

柔軟剤は、電子の性質を利用して繊維をふっくらと柔らかに仕上げることが主な目的です。繊維を柔らかく仕上げることで衣類やタオルなどの肌触りや使用感をよくする働きがあります。柔軟剤には、繊維を柔らかくする柔軟性分の他にもたくさんの成分が含まれていて、洗濯物の仕上がりがよくなるのがメリットです。柔軟効果の他の効果には次のようなものがあります。

・香りをよくする。香りを長持ちさせる

・汗やタバコなどの臭いをつきにくくする

・洗濯ジワを軽減したり、干した後の縮みを防止する

・静電気を防止する

・抗菌効果


■柔軟剤を入れすぎるとどうなる?

柔軟剤の主成分は、「陽イオン性界面活性剤」です。陽イオン性界面活性剤は、親油基(油になじみやすい性質)と親水基(水になじみやすい性質を持つ)両方の分子を持っています。柔軟剤を入れると、繊維に親水基がくっつき、乾かすと親油基が繊維の表面を覆います。そのため、乾いた衣類やタオルの表面は薄い油膜で覆われているような状態になるのです。

親油基が繊維の表面を覆うことで吸水性が悪くならないように、柔軟剤は成分が調整されています。したがって、柔軟剤を入れすぎると吸水性が悪くなり、タオルや衣類が水分や汗などを吸いにくくなってしまうのです。逆に、使用量が少ないと柔軟剤の効果が低くなってしまいます。


■柔軟剤を入れるタイミングにも注意

洗剤と柔軟剤の主成分は両方とも界面活性剤ですが、洗剤の界面活性剤と柔軟剤の界面活性剤では性質が全く異なります。そのため、洗剤と柔軟活性剤が混ざってしまうと、それぞれの界面活性剤がうまく働かなくなってしまうので注意が必要です。

柔軟剤を入れるタイミングは、すすぎの水がきれいになり、脱水をする前がベスト。手動で入れる場合は、すすぎが終わった時点で投入するようにしましょう。全自動の場合は、洗剤の投入口と柔軟の投入口は別になっているので注意してください。

洗剤も柔軟剤も、使用量が少なすぎても多すぎても効果を発揮することができません。どちらも適正な量を守ることが大切です。吸水性を重視するなら柔軟剤を使用しないという選択肢もあります。洗濯物の種類により使い分けるとよいでしょう。



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