「お久しぶりです」は敬語?「ご無沙汰しています」との違いと使い方例文

更新:2023/04/21

対人マナー


しばらくやり取りしていなかった相手に「お久しぶりです」と伝えたい。でもこれってそもそも敬語…?今まで使い慣れてきた言葉ですが、ビジネスシーンでも使っていいのか迷ってしまうこともありますよね。

実は「お久しぶりです」は、相手によっては「失礼」と思われてしまう可能性も…!必要に応じて言い換えた方がいい言葉でもあるのです。

今回は、この「お久しぶりです」のビジネスでの使い方や「ご無沙汰しております」との使い分けについて分かりやすく解説。ビジネスメールや対面、電話での例文もご紹介していきます。

「お久しぶりです」の意味は?

「お久しぶりです」の意味

「お久しぶりです」は「前回会ってから長い時間が経ってしまいましたね」という意味です。

しばらく会っていなかった、電話やメールのやり取りがなかった相手への「挨拶」の意味で用いられています。

ここでいう「長い時間」がどのくらいかというのは、それまでのやり取りの頻度や個人の感覚によって異なります。目安としては、2~3ヶ月以上やり取りがない場合には「お久しぶりです」を使うことができるでしょう。

お久しぶりですは敬語?目上や先輩に使えるか

「お久しぶりです」は「お」や「です」といった敬語表現が使われており、敬語(丁寧語)にあたります。敬語ということで、目上の人や先輩に使われることもありますが、実は注意したい点があります。

それは、「お久しぶりです」は丁寧語であり、尊敬語や謙譲語とはいえないということ。どちらかというとカジュアルな敬語表現であり、くだけた印象となりやすいため、ビジネスシーンで使う相手には注意が必要です。

使う相手としては、より親しい関係性の先輩ならOKでしょう。同僚ならもちろんOKです。

目上の人は完全NGではないものの、相手によっては失礼と受け取られかねません。「お久しぶりでございます」とより丁寧な表現にすることもありますが、後ほどご紹介する「ご無沙汰しております」の方がベターです。

ビジネスメールでも敬語として使える?

「お久しぶりです」は話し言葉のように思われるかもしれませんが、ビジネスメールでも敬語として使えます。久しぶりの送信相手に対して、

「お久しぶりです。編集部でお世話になりました〇〇です。」

のように、冒頭の挨拶として使うといいでしょう。
使う相手については、先ほどお伝えしたとおりです。親しい関係性となる同僚や先輩などに使うのに適しています。

ビジネスでもっと丁寧に言い換えるなら?

繰り返しになりますが、「お久しぶりです」はカジュアルな敬語表現となるため、ビジネスシーンで目上の人や取引先に使いたいときは言い換えをした方が無難です。

目上の人に対してピッタリの表現が、ずばり「ご無沙汰しております」

「ご無沙汰しております」は、目上の人にも安心して使える便利な表現。次からは「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」の違いについて見ていきましょう。

「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」の違い

「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」

そもそも「ご無沙汰しております」の「ご無沙汰」とは何でしょうか。

「ご無沙汰しております」の意味

「ご無沙汰(ごぶさた)」の「沙汰」には「便り、知らせ」という意味があります。つまり、「ご無沙汰」は便りがない、知らせがないという意味です。

よって「ご無沙汰しております」は、しばらく連絡が途絶えてしまいましたという意味と、それを申し訳なく思う気持ちも含めた挨拶の意味で用いられています。

<例文>
・ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。
・すっかりご無沙汰いたしまして申し訳ありません。

「ご無沙汰しております」はより丁寧な敬語表現

「ご無沙汰しております」は「ご」を付けることで相手に対して敬いの気持ちを表し、「おります」という謙譲語で自分を下げて相手を敬っている表現です。

つまり「ご無沙汰しております」は謙譲語です。先ほどの「お久しぶりです」よりもワンランク丁寧な敬語表現といえます。ビジネスシーンで目上の人にも問題なく使えますので、是非この機会に覚えておきましょう。

「お久しぶりです」とのニュアンスの違い

「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」は、微妙なニュアンスの違いもあります。

Point1
「ご無沙汰しております」にはお詫びの意味が含まれています。

長く相手を訪ねることがなかったり、連絡を取らなかったりしたことを申し訳なく思い、詫びるニュアンスを持っています。

Point2
「お久しぶりです」はお詫びをするというわけではなく、会えてうれしいという喜びの気持ちを表しています。

例えば「電話で実際に声が聞けてうれしい」といった気持ちを表現するのには「お久しぶりです」がピッタリです。

「お久しぶりです」との使い分けまとめ

「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」の使い分けについてまとめます。

【お久しぶりです】
⇒同等程度の人向け、カジュアル

【ご無沙汰しております】
⇒目上の人向け、ビジネス向け

このように使い分けるといいでしょう。

特にビジネスシーンでは「ご無沙汰しております」の方が好まれます。目上の人に対しては「ご無沙汰しております」を使うようにすると間違いありません。

「ご無沙汰しております」は「お久しぶりです」より丁寧な言い方になり、目上の人に使うことで敬意を表すことができます。挨拶としてだけでなく、詫びる気持ちも表現できるためビジネスシーンでの使用に向いています。

逆に、カジュアルなシーンで使いやすいのが「お久しぶり」「お久しぶりです」。同僚や後輩とのやり取りや、プライベートでの友人との会話などで幅広く使えるでしょう。

「お久しぶりです」の使い方と例文

「お久しぶりです」の使い方と例文

ここからは、「お久しぶりです」の具体的な使い方を例文とともにご紹介します。

例文1)ビジネスメールで

親しい先輩に、久しぶりにメールを送る場合の例文です。

【親しい先輩へのメール】

(名前)様

お久しぶりです。編集部の鈴木 花子です。
昨年の営業部では大変お世話になりました。

その後すっかりご無沙汰しておりますが、お元気でいらっしゃいますか。

今般、営業部時代のチームメンバーでの飲み会を企画することになりました。
お忙しいとは存じますが、是非ご参加いただければと思いメールさせていただきました。
つきましては〜

いくら親しい間柄でも、先輩に送るメールはマナーを守ったものにすべきです。
そこで、上記の冒頭では「お久しぶりです」と親しみのある表現で始まっていますが、文中で「ご無沙汰しております」も織り交ぜた例文となっています。

これが同期や後輩の場合には、次のようにもう少しカジュアルな表現でOKです。

【同期や後輩へのメール】

(名前)様

お久しぶりです。編集部の鈴木 花子です。
私の方は相変わらずですが、お元気ですか。

営業部時代のチームメンバーで、飲み会をやろうと計画しています。
忙しいとは思いますが、良かったらまた集まりませんか。
つきましては〜

このような気軽なメールでは「お久しぶりです」が便利ですね。

反対に、もっとビジネスライクに「ご無沙汰しております」の方を使いたい場合には、以下の記事で例文をご紹介していますので参考にしてみてください。

▼こちらもチェック!
「ご無沙汰しております」の意味と正しい使い方 【もう間違えない! 定番ビジネス敬語集】

例文2)対面や電話で

例えば、電話では何度か話をしていたけれど直接会うのは数年ぶりという場合は、「お久しぶりです」がよいでしょう。

また、メールで連絡は取っていたものの電話で実際に話をするのは久しぶりという場合も、「お久しぶりです」が使えます。

【対面や電話での例文】

「お久しぶりです。先日の会合以来ですね。お元気でしたか。」

「お久しぶりでございます。先日は大変お世話になりました。その後プロジェクトの様子はどうですか。」

「久しぶり!先月、街で偶然会って以来だね。その後どう?」

カジュアルなシーンでも使えるため、友達同士でしばらく会っていなかったときに、「お久しぶり」と声をかけるときや、クラブやサークルなどの同僚や後輩に向けても問題なく使えます。

まとめ

「お久しぶりです」は敬語ではありますが、少しくだけた印象を持たれる可能性のある言葉です。目上の人に使われることもありますが、相手によっては失礼と受け取られかねませんので「ご無沙汰しております」を使うといいでしょう。

また、話し言葉としてだけでなくビジネスメールでも使って問題ありません。親しい関係性の先輩や同僚、後輩など幅広く使うことができます。

ビジネスシーンでも少しカジュアルな表現をしたいときがありますよね。そんなときは「お久しぶりです」の出番。上手に使いこなして親近感を表現してみましょう!

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