「大丈夫です」に代わる敬語には「承知いたしました」「かしこまりました」などの敬語があります。便利なため、よく使ってしまう「大丈夫です」には否定の意味も肯定の意味もあるため、相手が困惑してしまうこともあるでしょう。ビジネスにおいては、相手にわかりやすいようなニュアンスで伝えることが必要になってきます。まして、上司や先輩などの目上の人には正しい敬語でコミュニケーションをとりたいところ。そこで今回はビジネスシーンで使う、「大丈夫です」に代わる敬語について紹介していきます。
名詞の「大丈夫」には、元々男性をほめる言葉で「りっぱな男」という意味があります。そこから派生して、「危なげがないさま」「たしかであること」を表すようになりました。
例えば小さな子どもが転んだときに「大丈夫?」と声をかけますよね。行きたくない、あるいは行けないという意図で「大丈夫です」という言葉を使っても肯定の意味で相手に伝わることがあるでしょう。それは相手が本来の意味の「大丈夫」でモノゴトを判断しているからです。
相手への申し訳ない気持ちとなるべくやさしく表現したいという気遣いから、相手の誘いや依頼を断るときに「大丈夫です」という言葉を使うこともあります。ただ、もともとの「危なげなく、たしかである」という意味でしか捉えていない相手には、否定ではなく肯定の意味で捉えられることもあるため、使うときに注意が必要です。
それでは、肯定の意味で使う「大丈夫です」について考えてみましょう。例えば、「明日までに、この資料まとめておいてくれる?」と上司に聞かれたときに「引き受けます」の意味で「大丈夫です」と答えてしまうこともあるでしょう。
しかし、ビジネスのシーンでは「大丈夫です」は最適ではありません。この場合は「承知しました」「かしこまりました」と答えたほうが、敬語がきちんと使える社会人と認めてもらえます。逆に距離の近い上司であれば、かしこまった敬語を使われると堅苦しいと思われるかもしれません。そういった場合は「はい、大丈夫です。明日までにできます」でも問題ないでしょう。相手との関係性を見ながら使う言葉を選んでください。
「大丈夫です」と同じようなシーンで、「了解です」を使っている人もよく見かけます。しかし、こちらもより丁寧な印象を与えるには、「承知いたしました」「かしこまりました」などの敬語を使っていきましょう。
<例>
上司「明日までに、この資料まとめておいてくれる?」
△「 大丈夫です。」
◎「かしこまりました。」
上司からの「今晩チームで飲みにいくんだけど、予定空いている?」という誘いに対して、丁寧に断りたいときには、どうすればよいのでしょうか。
「大丈夫です」の答え方が不適切なのは説明した通りですが、断ることを申し訳ないと思う気持ち、傷つけないように断ろうという気持ちは素晴らしいことです。ではどう言って断れば、人間関係を円滑に保ちつつ断ることができるでしょう。
上司「今晩チームで飲みにいくんだけど、予定空いている?」
×「大丈夫です。」
◎「せっかくお誘いいただいたのに、申し訳ありません。あいにく先約があり、今回は遠慮させていただきます。」
◎の例文を見てください。上司の気持ちを考えれば、何か考えがあって飲み会に誘ってくれたのかもしれません。まずは、上司に誘ってもらったことに対するお礼の気持ちを伝えましょう。そして飲み会に行けない理由をサラッと伝え、断らないといけない申し訳ない気持ちを伝えるとよいでしょう。
日常会話で「大丈夫」を「りっぱな男」の意味で使わなくなったように、言葉の使われ方はどんどん進化しています。もしかしたら数年後の辞書の「大丈夫」には、「間に合っています」というようなニュアンスの説明が追加されるかもしれません。ただ、コミュニケーションの手段として言葉を使う場合、なるべく相手に誤解のないようにすることが大前提です。ビジネスシーンでは「大丈夫です」ではなく、「承知いたしました」「かしこまりました」などの敬語を使っていきましょう。
執筆:小西尋子(こにしひろこ)
編集者・ライター。広告代理店で約10年間営業を経験したのち、クリエイティブに転向。ハウスエージェンシーでのコピーライター、編集プロダクションでの編集・ライター職などを経て2018年2月フリーランスに。京都の観光記事や企業の採用ページのインタビュー記事などを手がける。
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