■「平成ライダー」シリーズの敵役ここからは平成ライダーシリーズの「敵役」です。平成に入ると、仮面ライダーの敵役は「悪の秘密結社」という単純なものではなく、いろいろ工夫を凝らしたものになってきます。悪の秘密結社という設定がなかったり、経済活動をしている会社がそれに当たったり、特に組織に属さないもの、また組織があっても中でさまざまな分派が暗躍していたりと、敵役も実に多彩です。
●『仮面ライダークウガ』
⇒「グロンギ」「未確認生命体」
本作には悪の組織は登場しません。怪人体「グロンギ」は、もともと人間に近い種族で、グロンギはその名称。超古代に封印されていたものが現代に復活したのです。人間側ではこのグロンギを「未確認生命体」と呼びます。
●『仮面ライダーアギト』
⇒「アンノウン」
本作にも特に悪の組織は出てきません。アンノウンは、地球上の生物に似た外見を持つ超越生命体です。彼らは神に使えるものとして、(神が恐れる)アギトを抹殺する命令を受けているのです。
●『仮面ライダー龍騎』
⇒「ミラーモンスター」
「ミラーワールド」という鏡の中に存在する世界があり、そこに生息するモンスターが「ミラーモンスター」です。龍騎の物語の骨子は13人の仮面ライダーが戦いを繰り広げるというもので、ミラーモンスターを敵役とするのは少し違和感があるのですが。
●『仮面ライダー555』
⇒「オルフェノク」『スマートブレイン社』
「オルフェノク」という人類の進化形態が登場します。これは人が一度死んでから覚醒したもので、自らの意志で「戦闘形態」へ変化することができます。『スマートブレイン社』は巨大複合企業ですが、裏ではオルフェノクによる世界制覇を企んでいたのです。
●『仮面ライダー剣』
⇒「アンデッド」
「アンデッド」とは、不死の生命体で、地球上に存在する生命の始祖とされています。1万年前に封印されたのですが、それが現代によみがえったのです。
●『仮面ライダー響鬼』
⇒「魔化魍(まかもう)」
「魔化魍(まかもう)」は、人界に害悪をもたらす怪物の名称です。日本の妖怪をモチーフにしています。この「響鬼」は、人間のための戦う「鬼」という設定なのです。
●『仮面ライダーカブト』
⇒「ワーム」(『ワーム軍団』)
「ワーム」とは、隕石(いんせき)と共に地球にやって来た地球外生命体です。知能は高いのですが、人間を殺害しながら繁殖しています。
●『仮面ライダー電王』
⇒「イマジン」
イマジンとは、もともと未来から現在にやって来た未来人の精神体で、時間の改変を企んでいます。精神体ですが、その記憶によって「怪人」の体を得ています。「カイ」というボス格のイマジンがいますが、その下を離れたイマジンも存在するなど、さまざまなイマジンが登場します。
●『仮面ライダーキバ』
⇒「ファンガイア族」『チェックメイトフォー』
ファンガイア族とは、人間の生命エネルギー「ライフエナジー」を吸って生きているモンスターです。『チェックメイトフォー』は、ファンガイア族の中でも最強の力を持つとされるメンバー4人を集めたチームです。
●『仮面ライダーディケイド』
⇒『大ショッカー』『スーパーショッカー』
「ディケイド」のお話は九つの並行世界を股に掛ける物語です。『大ショッカー』は歴代ライダーが倒してきた悪の組織が結集した豪華な勢力です。『スーパーショッカー』も同様に歴代の悪の組織の構成員の力を再結集したもの。
●『仮面ライダーW』
⇒「ドーパント」『ミュージアム』『財団X』
「ドーパント」とは、「ガイアメモリ」と呼ばれる「地球の記憶」を体内に挿入して「怪人」となった人間のことです。物語内では「超人体」とも呼ばれます。
『ミュージアム』は、「人間を理想的に進化させよう」というスローガンを掲げていますが、その裏側は悪の秘密結社でした。『財団X』は、ミュージアムに出資している組織ですが、その実態は「死の商人」です。
●『仮面ライダーオーズ/OOO』
⇒「グリード」
「グリード」とは、800年前に錬金術師によって作られた「コアメダル」というメダル、「セルメダル」というメダルをもとに生成される「怪人」で、人間の欲望をエネルギーにします。「セルメダル」というメダルを人間に入れると下級怪人「ヤミー」が生成されます。
●『仮面ライダーフォーゼ』
⇒「ゾディアーツ」『ホロスコープス』
「ゾディアーツ」とは、元は人間ですが、ゾディアーツスイッチを押して変身する「怪人」のことです。
『ホロスコープス』は、「十二星座の使徒」と名乗って暗躍する組織です。通常のゾディアーツを凌駕(りょうが)する力を持っています。
●『仮面ライダーウィザード』
⇒「ファントム」
「ファントム」とは、人間の精神世界(「アンダーワールド」と呼ばれます)に住んでいる魔物のことで、これが強力な魔力を持った人間を「ゲート」として物理世界にやって来るのです。
●『仮面ライダー鎧武/ガイム』
⇒「インベス」『ユグドラシル・コーポレーション』
「インベス」とは、「ヘルヘイムの森」という異世界に住む怪物のことです。『ユグドラシル・コーポレーション』は、物語の舞台となる「沢芽市」を仕切っている巨大企業です。裏側では、60億人を抹殺して、地球の人口を10億人にまで減少させる計画を進行していました。
●『仮面ライダードライブ』
⇒「ロイミュード」
「ロイミュード」は、世界を崩壊させようとする人工生命体です。総数108体の「増殖強化型アンドロイド」で、モデルの人間をコピーしてなり切る能力を持っており、人間の欲望をエネルギーとして進化・覚醒できるのです。
以下は1作だけあった特別な仮面ライダーです。SMAPの稲垣吾郎さんが仮面ライダーに変身する主役を演じました。
●『仮面ライダーG』
⇒『シェード』
『シェード』は、もともと日本政府が創設した対テロ組織でしたが、非合法な活動に手を染めるようになっていたのです。
いかがだったでしょうか。仮面ライダーシリーズの敵役にもどんどん新機軸が取り入れられ、進化してきたのがおわかりいただけたのではないでしょうか。
あなたは、どの仮面ライダーシリーズ作を見たことがありますか? どんな敵役が印象に残っていますか?
(高橋モータース@dcp)