税金支払済みなのにさらにお金がとられるの? 企業の「内部留保課税」について調べてみた

更新:2018/04/11

税金・年金

税金支払済みなのにさらにお金がとられるの? 企業の「内部留保課税」について調べてみた

例えば、あなたが会社を作ってその会社がボロもうけしたとしましょう。決算をすると税金もたくさん支払わないといけません。でもかなりのお金が残りそう! でもそこで安心してはいけません。税金がそのお金も狙っているのです(笑)。

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■「内部留保」って何!?

企業は毎年決算を行って、その年度の企業活動の結果を出します。いくらもうかったのか、税金がいくらになるかなどの計算を行いますね。決算に従って税金を納め、その年度の利益が確定しますが、その際にお金が残ることがあります。

この企業活動の結果、内部に残ったお金を(社外流出部分以外という意味で)一般的に「内部留保」「内部留保金」といいます。

決算書の中でいえば、バランスシートの中の「税引き後利益の中の、会社内部に残した利益」が表れる「利益剰余金」が「内部留保」になります。この内部留保は、次期の企業活動の資金に、またいざというときの蓄えとなりますから企業にとっては大事なお金です。
※......ただし、どの勘定科目で「内部留保」と呼ぶかについては諸説あります。

業績が何期にもわたって好調な企業はこの内部留保がどんどんたまって、保有する「現金」が増えていくことになります。このような企業では社員も安心して働けますね。例えば、任天堂は「内部留保」の蓄積の多い優良企業として有名です。

任天堂の最新の決算を見ると、保有している「現金及び現金同等物の四半期末(期末)残高」が「4,261億2,400万円」もあります。驚きですね。

⇒任天堂の最新決算「第75期 第2四半期 四半期報告書」
http://www.nintendo.co.jp/ir/p...

■「内部留保金」に課税される場合がある!

「内部留保」は企業にとってとても大事ですし、日本の企業は「内部留保」を重視する傾向にあります。「何かあったときにも対応できる」お金ですからね。

ただし、この「内部留保」に税金が掛かる場合があるのです。

それは、その会社が「特定同族会社」で、配当などの利益配分を適正に行っていないとされた場合です。国税庁の定義によると、特定同族会社に認定されるのは、

「特定同族会社の特別税率の規定の適用を受ける特定同族会社とは、発行済株式の50%超を1株主グループにより支配されている会社(以下「被支配会社」という。)で、被支配会社であることについての判定の基礎となった株主等のうちに被支配会社でない法人がある場合には、当該法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定するものとした場合においても被支配会社となるものをいうこととされている」

となっています。何のこっちゃと思われるかもしれませんが、要は「特定の株主だけで議決権を握っている会社」、例えば、一人の株主が50%以上の株を支配している、また一人の株主とその関係者(家族・親族)で50%以上の株を支配しているといった場合には、「特定同族会社」と認定されるというわけです。

なぜ特定同族会社がターゲットにされるかというと、株主の意向によって「租税回避」が行われやすいから、とされています。

もし、あなたが100%の株を持って起業した会社でボロもうけした、なんて場合には「内部留保課税」がされないか気を付けなければなりません。ただし、資本金が1億円未満の中小会社には留保金課税されませんからご安心を!

(高橋モータース@dcp)

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