先日の衆議院選。自民党の圧勝で終わりましたが、皆さんは投票に行きましたか? テレビはいまだに選挙のニュースばかりで、今まさに「選挙」というものに興味を持っている人も多いでしょう。ところで皆さんは、こうした選挙に立候補するにはどうすればいいのかご存じですか? 「結構なお金がかかる」といった漠然としたことは知っていても、何をどうすればいいのかは意外と知らない人が多いと思います。今回は、選挙に立候補するにはどうすればいいのか、調べてみました。
▼こちらもチェック!
今まで一度も投票に行ったことのない人はどのくらいいる?
■立候補できるのは満25歳以上!
まずは選挙に立候補できる年齢ですが、これは公職の種類で異なり、以下のようになっています。
●衆議院議員
日本国民で満25歳以上であること
●参議院議員・都道府県知事
日本国民で満30歳以上であること
●都道府県議会議員
日本国民で満25歳以上であり、その都道府県議会議員の選挙権を持っていること
●市区町村長
日本国民で満25歳以上であること
●市区町村議会議員
日本国民で満25歳以上であり、その市区町村議会議員の選挙権を持っていること
公職によってこのように違います。最低でも25歳になっていないといけないのです。また、これらの立候補資格を有していても
・禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
・禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
・公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者
・選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者
・公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者
・政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、被選挙権が停止されている者
といった条件の場合は資格を失います。
立候補の年齢と資格を有していて、上の条件に当てはまっていない場合、選挙に立候補することができます。他には、公職選挙法の規定によって「立候補による自動失職」というものがあります。例えば国家公務員、地方公務員といった人は在職のままで立候補をすることができないことになっており、もし立候補する場合は立候補届の受理と同時に、仕事も辞めたものと見なされるのです。
さて、こうした条件をクリアしたら次は立候補届の提出準備です。
立候補届は以下の3種類があります。
●本人届出
本人が届け出るもの。衆議院、参議院の比例代表選出議員選挙以外で行えます。
●推薦届出
選挙権を持つ人が、候補者となる人の承諾を得た後に届け出をするもの。こちらも衆議院、および参議院の比例代表選出議員選挙以外の選挙で行うことができます。
●政党届出
衆議院小選挙区選出議員選挙など、国政選挙の場合のみで行われる届け出の方式です。この届出は政党や政治団体が行います。
立候補届を作成したら届け出を行うのですが、その前に「立候補予定者説明会」や書類の不備がないかを確認する「事前審査」も行われるので、初めて立候補する人などはこれに参加します。
■戻ってこないかもしれないがお金さえあれば立候補できる?
次に必要なのが「供託金」です。これはむやみやたらに誰もが立候補するのを防ぐためのもので、候補者は法務局にお金を預けないといけません。預けるお金は公職選挙法第92条で定められており、
・衆議院小選挙区選出議員の選挙......300万円
・衆議院比例代表区選出議員の選挙......600万円
・衆議院小選挙区との重複立候補の場合......300万円
・参議院選挙区選出議員の選挙......300万円
・参議院比例代表選出議員の選挙......600万円
・都道府県知事の選挙......300万円
・都道府県議会議員の選挙......60万円
・指定都市の長の選挙......240万円
・指定都市の議会の議員の選挙......50万円
・指定都市以外の市の議会の議員の選挙......30万円
・指定都市以外の市の長の選挙......100万円
・町村長の選挙......50万円
それぞれこのような金額になっており、最低でも30万円は必要になるようです。ちなみに、この供託金は選挙の結果が確定した後に戻ってきますが、得票数が法律で定められた数に達しなかった場合は没収となります。定められた得票数は、参議院選挙区が有効投票数の8分の1、それ以外は有効投票数の10分の1です。
供託金を預けたら、告示日(選挙が行われることを公示する日)に立候補届を提出。ここで選挙活動に使う腕章や旗を受け取り、立候補完了となるのです。
あとは議員の皆さんがやっているように、選挙事務所を開いたり、ポスターを掲示したり、街頭演説をするなどして選挙活動を行い、自分に投票してくれる人を増やす努力をします。投票日の前日までが選挙活動を行える期間。あとは開票を待つだけです。
以上が選挙に立候補をするための簡単な手順になります。
立候補する資格と供託金さえ準備できれば、立候補するのは簡単といえます。ただ、そこから当選するまでの道のりが非常に難しいということですね。皆さんの中にも、「票を入れたい政治家がいない」ことで悩んでいる人もいるかもしれません。「それなら自分が!」と思う人がいましたら、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
(中田ボンベ@dcp)
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