意外と知らない、「貴社」と「御社」の正しい使い方

更新:2018/11/01

ビジネス用語

意外と知らない、「貴社」と「御社」の正しい使い方

面接や履歴書・エントリーシート・お礼状など、就活では正しい敬語を使えることが当然のマナーです。よく使うにもかかわらず、意外とまちがえやすいのが「貴社」と「御社」。面接時に、どちらを使うか迷ってパニックに......。なんてことにならないように、正しい使い方をマナー講師の小藤弓先生に教えてもらいました。

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■そもそも「貴社」や「御社」って何?
人を敬う気持ちの表現として、人の名前には「様」や「先生」を、また社名には「御中」をつけます。これらのことを総称して「敬称」と言います。また、「あなたの会社」と伝えるときには、その会社に対する敬意として、「貴社」や「御社」を使用します。これは、尊敬の気持ちをもって表現する「尊称」とも言われ、社会人であれば知っておくべき言葉です。これらは、企業のみならず、団体・協会・組織に対しても使用され、昨今は、団体や組織によって尊称を変えることがあります。

■「貴社」は文章向き、「御社」は会話向きの言葉
「貴社」(きしゃ)の読み方は「帰社」をはじめ「記者」や「汽車」などの同音異義語が多いため、話し言葉には向いていません。従って、「貴社」は文章における書き言葉で使用し、「御社」は話し言葉で使用するという使い分けを行うのが一般的になっています。

しかしながら、『貴社』と『御社』のどちらを使用してもまちがいではありません。そこで、大切なポイントは、その文章や会話の中で使用する言葉を統一することです。

例えば、面接中に「貴社の海外進出についてご教授いただけますでしょうか」と質問をしたのちに、「御社戦略を理解できました」というように、2つの言い方を混在させるのは避けましょう。

■覚えておきたい「迷いやすい尊称パターン」
この他、下記の尊称例も、覚えておきましょう。店舗に対する尊称は「貴店」。株式会社〇〇スーパー 〇支店であれば「貴社」「御社」でも問題はありません。しかし、個人商店の場合は「貴店」が望ましいでしょう。学校に対する敬称は「御校」「貴校」。〇〇学園のような場合は「貴学園」、大学の場合は「貴大学」「貴学」が良いでしょう。

官公庁に対する敬称は「貴省」「貴庁」「貴所」。
〇〇省(例:厚生労働省)であれば「貴省」
〇〇庁(例:国税庁)であれば「貴庁」
〇〇所(例:税務署)であれば「貴所」を使用します。
銀行に対する敬称は「貴行」。
株式会社〇〇銀行であれば「御社」「貴社」でも問題はありません。
〇〇信用金庫であれば「貴庫」を使う場合もあります。
協会に対する敬称は「貴法人」「貴協会」。
財団法人〇〇協会であれば「貴法人」「貴協会」どちらでも問題ありません。

上記をしっかり理解しておけば、いざというときも迷うことはありません。相手に対する敬意と尊重の気持ちを忘れずに、上手に使い分けましょう。

小藤弓先生プロフィール
マナー講師。2011年3月11日の震災をきっかけに、マナーコンサルタントの西出ひろ子に師事し、マナー講師として独立。仙台を拠点に、就職マナーや企業でのビジネスマナーなど幅広く活躍中。
公式ホームページ http://www.dailymanner.jp
監修●西出ひろ子先生プロフィール

マナーコンサルタント。21歳のときにマナー講師を目指し夢と志を実現させているマナー界のカリスマ。『ソロモン流』(テレビ東京)でも賢人として紹介された。フレッシャーズ「西出ひろ子のフレッシャーズのためのビジネスマナー辞典」(http://student.mynavi.jp/freshers/manner/nishide/)でも執筆中。公式ホームページ http://www.hirokorose.co.jp

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