完ぺき主義な人、ビッグマウスな人、注目! 高すぎる目標設定の恐ろしい副作用とは?

更新:2018/07/05

社会人ライフ

完ぺき主義な人、ビッグマウスな人、注目! 高すぎる目標設定の恐ろしい副作用とは?

「W杯優勝」という高い目標を掲げ、ザッケローニ監督のもと全力を尽くしたサッカー日本代表。1次リーグ最終戦の対コロンビア戦では「奇跡を信じて勝つ」と宣言、しかし結果は1-4の惨敗を喫し、残念ながら1次リーグ敗退となった。

試合後、選手たちから、自戒の念を込め「精神面の改革、目標の改革、ものさしの改革」と、多くの課題が発せられたのは記憶に新しい。

では、これからの日本代表に必要な「ものさしの改革」とは何か—。

現在女子ゴルフ世界ランキング38位(7月13日現在)(日本人トップ)の横峯さくら選手のメンタルトレーナーで、企業やトップアスリートへ「OKライン」という独自メソッドで指導をしている森川陽太郎さん。横峯さくら選手の夫でもある森川さんは、著書『絶対的な自信をつくる方法—「OKライン」で弱い自分のまま強くなる』の中でこう記している。

「プロのアスリートや向上心の高いビジネスパーソンは、自分に厳しく、ストイックで完璧さを求めがちです。しかし、ストイックになればなるほど、自分に『OK』をあげることが難しくなり、努力すればするほど、自信を失ってしまいます」

では彼らが自信を取り戻すためには、どうすればいいのか。

●高すぎる目標設定の、恐ろしい副作用

森川さんは同書の中で、高い目標設定の危険性について次のように述べている。

「ムリに高い目標を掲げてしまうことには、恐ろしい副作用があります。それは、せっかくの『できたこと』も受け入れられなくなってしまうことです。<中略>目標設定が高すぎるから、目の前の小さな、でも結果的には大きな進歩につながる貴重な一歩に、意識が向かない。飛躍的な進歩や劇的な変化でなければ『よし、OK』とは思えないのです。できもしない目標を掲げ、結局、『やっぱりできなかった』という結果を繰り返していると、自信を失っていくどころか、自分自身を否定して、心のどこかで『自分には絶対ムリ』とやる前からあきらめてしまう。そしてやっぱり失敗する。この悪循環に陥りやすいのです。」

●新しい「ものさし」を持とう

自信を持つために、森川さんは「OKライン」という考え方を提唱している。

「適切な目標設定こそが、自信をつくる『土台』となるのです。そのために、まずは現状の自分を知ること、等身大の自分を受け入れること、失敗や負けも認めることが重要なのです。正しい現在地点を知り、そこから『どこを』目指すのか。正しくその距離を測る『ものさし』が、OKラインなのです。<中略>OKラインとは、自分自身が『ここまでは確実にできる』と思えるラインのこと。<中略>『今の自分の実力に見合った高さ(レベル)』にOKラインを設定し、そこで『できる自分』を肯定しながら、少しずつラインを上げていくことが大事なのです。」

ちなみに横峯選手は、「OKライン」に出合ってから、目標に対する意識が大きく変わった。これまで「優勝しなければ意味がない」と思っていた彼女も、先月の「全米女子オープン」では「トップ10を目指す」とコメント。日本勢が次々とスコアを落とす中、7位タイ(日本人トップ)で終えた。一歩ずつ、自分のできるところからクリアすることで、結果として自己記録を更新したのだ。

志を高く掲げ、ストイックに努力を続けてきたザックジャパン、新体制では、勇気を持って「OKライン」を下げることが必要かも。選手たちもインタビューで「くやしいが、結果が出なかったのは事実」「全てを受け入れてまた明日から進んでいかないといけない」と結果を受け入れ、次の一歩を踏み出す決意を明かしている。

ぜひ「OKライン」という新しいものさしで横峯選手のような奇跡の復活を遂げてほしい。

参考:書籍『絶対的な自信をつくる方法—OKラインで弱い自分のまま強くなる』(森川陽太郎著、ダイヤモンド社刊)

文●編集部

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