「シャドー・バンキング」ってそもそも何なの?

更新:2018/07/11

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「シャドー・バンキング」ってそもそも何なの?

最近ニュースなどで「シャドー・バンキング」という単語をよく見かけるようになりました。このシャドー・バンキングというのは何なのでしょうか。

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■通常の銀行以外の「金融仲介業務」!

「シャドー・バンキング」とは何なのか、まず財務省の広報さんに聞いてみたところ、「シャドー・バンキングが何かということについて、財務省が定義した資料は特にない」とのことでした。

一般的に、シャドー・バンキングとは「通常の銀行ではなく、証券会社、投資銀行、ヘッジファンドや証券運用会社などの金融仲介業務」を指す言葉です。

シャドー・バンキング(影の銀行)という、印象の良くないネーミングになっていますが、その金融活動を行っているのはあくまで普通の会社で、特に非合法な会社というわけではありません。

上記の中では「通常の銀行ではなく」という点がキモです。通常の銀行は、免許制で金融当局(日本でいえば金融庁)の厳しい目が光っていてうかつなことはできません。

しかし、それ以外の金融仲介業務を行っている会社では、通常の銀行のようにその業務実態を厳しく監督されないため、気が付いたときには「とんでもないことになっていた」といった事態になることがあります。

例えば「サブプライム」「欧州債務危機」など、世界的な金融危機において、このシャドー・バンキングがその要因になったという指摘もあります。しかし、世界的に本格的な規制を課すということには現在も至ってはいません。

なぜなら自由な金融活動を標榜する人々、会社からの、規制に対する激しい反発があるからです。「自由と規制」どちらを優先するのかという難しい問題なのです。

■中国のシャドー・バンキングって!?

さて、現在では中国に注目が集まっており、「中国のシャドー・バンキング」ついて述べた記事が多く見られるようになっています。上記の定義どおり、「中国における通常の銀行以外の金融仲介業務が問題だ」と言っているわけですね。

中国では、独自の投資商品(いわゆる理財商品など)を扱う会社などが、多くの資金を集めて「ダメでした!」と言っては倒産してしまうといったことが増えており、その金額が莫大なものと予測されています。シャドー・バンキングの活動のため、金融当局が実態を把握できているとはとても思えず、そのため「危険」というわけです。

例えば2014年3月13日には、財務省財務総合研究所平成25年度第4回「中国研究会」において、以下のレポートが提出されています(野村資本市場研究所の関根栄一氏)。

⇒『中国の金融・資本市場改革 -シャドーバンキング問題と不良債権問題-』
https://www.mof.go.jp/pri/rese...

詳細なデータはこのレポートを参照してほしいのですが、例えば「(前略)銀行理財商品の発行残高は、2006年末の4,670億元から、2012年末には7.1兆元に達している」という記述があって、大変驚かされます。4月21日現在のレート(1元 = 16.45円)で換算すると7.1兆元は116兆7,950億円です! 想像を絶する金額ではないでしょうか。これらがすべて「ダメでした!」となったらと思うと、恐ろしいですよね。その影響は中国国内だけでは済まないでしょう。

(高橋モータース@dcp)

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