しゃべりがうまいのに信用できない人、言葉が少なくても説得力のある人の違いとは? 『人は見た目が9割』の著者に聞いた

更新:2018/08/07

社会人ライフ

しゃべりがうまいのに信用できない人、言葉が少なくても説得力のある人の違いとは? 『人は見た目が9割』の著者に聞いた

ビジネスの場では、やはり信頼が第一。多くのビジネスパーソンが相手の信頼を得られるよう努力していると思います。にもかかわらず、営業成績や取引先との関係に差が出たり、同じことを言っても人によって説得力が異なってしまうのはどうしてでしょう? 仕事の場で信頼できる人物になるために必要なことを、非言語コミュニケーションの重要性を説いてベストセラーになった『人は見た目が9割』の著者・竹内一郎氏に教えてもらいました。

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信頼されない人は「矛盾」を感じさせる人!

——しゃべりがうまいのに信用できない人もいれば、言葉数は少ないのに説得力のある人もいます。その違いはどこにあるのでしょう?

まずは目線です。自分に自信がなかったり、やましいことをしていると、やはり目が下に向いてしまったり目が泳ぎますね。ですから、きちんと相手の目を見て話をすることです。あとは、声。自信を持って話している人の声は必然的に伝わるものです。声に自信がなければ、同じ言葉を話しても伝達力は低くなります。姿勢や立ち居振る舞いが美しい人の言葉も説得力が高くなりますね。

また、時計、万年筆、ボールペンなどの持ち物や資料の完成度が、その人のしゃべりと合っているかどうかということも関係してきます。いくら「自分は仕事ができる」というしゃべりをしていても、資料が粗雑だったり安っぽいものを身に付けていると信頼できなくなってしまうんですね。言語情報、非言語情報のどこかに矛盾点があると、言語情報はほとんど信頼されなくなるというアルバート・マレービアン博士の研究結果もありますから。

大切なのは「発信力」以上に「受信力」!

——しゃべりの上手さ、下手さは、信頼感にはほとんど関係ないのですね。

しゃべりがうまいのにうまく相手に伝わらないというのは、しゃべりが自分の快感になっているだけで、相手の気持ちを察していない、空気を読んでいないから。ビジネスの世界のしゃべりは相手に何かをきちんと伝えるためのものですので、相手に伝わって初めて意味があるのです。ですから相手がどういう人なのか、何を求めているのかを踏まえて、その人に理解できるような「届く」言葉で話しているかどうかが大切ですよね。それが真の知性だと思います。

コミュニケーションは発信力が大切だと思いがちですが、実は相手が求めていることを察する受信力も同じくらい大切なのです。お客さまならば何を求めているのか、ひやかしなのか急いでいるのか、ゆっくり時間をかけても高いものを買いたいのか、非言語情報を含めていろいろな観察をする力ですね。受信力があって、その次に発信力がある。その両方が矛盾なく相手に伝達できている人が、信頼できる人なのではないでしょうか。

「受信力」を磨くには?

——確かに受信力は意識していない人が多いように思います。受信力を磨くコツはありますか?

人間は動きというか変化で、その人の心根の深いところをお互いに感じ合いますが、それを感じる力はいろいろな人とコミュニケートしていくなかで磨かれていくものです。こういう感じの人にはこういう人が多いとか、自分の中にデータをいっぱい入れておく必要があるわけです。

そのためには、パソコンばかり、勉強ばかりではなく、きちんと社会を観察し、人間として人と付き合うことです。そんなに難しく考えなくてもいいんです。学生のうちは部活やサークル活動をする、いい友達と遊ぶといったことで十分。まず非言語情報を読み取る受信力、いわゆる「空気を読む」ことを忘れないようにするなどから、ビジネスの場でも信頼されるコミュニケーションを身につけていくことが大切でしょう。

講師プロフィール

竹内一郎氏
劇作家・演出家・漫画原作者。非言語コミュニケーションをわかりやすく説いた『人は見た目が9割』(新潮新書)が112万部のベストセラーに。『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(講談社)でサントリー学芸賞、筆名(さいふうめい)で発表した『戯曲・星に願いを』で文化庁・舞台芸術創作奨励賞佳作、『哲也 雀聖と呼ばれた男』で講談社漫画賞を受賞。宝塚大学教授、九州大谷短期大学非常勤講師、専修大学兼任講師。『やっぱり見た目が9割』(新潮新書)、『見た目が9割「内定術」』(産経新聞出版)なども好評。

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