弁護士に聞いた! 特定秘密保護法は実際僕らの生活にどんな関係がありますか?

2014/01/11

新生活・準備

弁護士に聞いた! 特定秘密保護法は実際僕らの生活にどんな関係がありますか?

「特定秘密の保護に関する法律」、通称・特定秘密保護法が12月13日に公布されました。この法律に関して、今もあちこちで議論が交わされています。どんな点が問題なのか、アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士にお話を伺いました。



——法律の中身を詳しく知らない人もいると思いますので、まずこの法律の概要を教えてください。



鈴木弁護士 「特定秘密の保護に関する法律」は、国の安全保障に関して特に重要な情報を「特定秘密」に指定して、それを取り扱う人がどのような人物かを調査、監督しながら、特定秘密を部外者に知らせる行為、部外者が知ろうとする行為を処罰するものです。



——特定秘密を扱う人物は、調査、監督されるのですね。



鈴木弁護士 そうなっています。



——罰則規定はあるのでしょうか。



鈴木弁護士 この法律で定められている最高刑は、懲役10年です。懲役3年を超す刑期を言い渡されると執行猶予が付きませんので、かなり重い処罰が定められているといえますね。



——弁護士の立場から、この法律についてどのようにお考えでしょうか。



鈴木弁護士 弁護士という立場から懸念しているのは、



?国民の知る権利、マスコミの取材活動の自由といった権利が侵害されないか。



?適切な刑事裁判が行われるのか、



という点です。



■知る権利、取材活動の自由について



——?の「知る権利、取材活動の自由」についてはどう考えればよいでしょうか?



鈴木弁護士 この法律では、「特定秘密」に関する情報を、不法な方法で取得する行為が処罰の対象とされております。



例えば、取材活動のために記者が、居酒屋で官僚を取材していたとします。



特定秘密に関する事項について質問を繰り返し、その際、酔った勢いで官僚の肩を揺すったなどという場合、不法な方法で特定秘密を取得したとして処罰される可能性があります。



ここで厄介なのは、指定されている特定秘密が何なのか、取材する側は分からないため、思わず地雷を踏んでしまったということが起こり得ることです。



これまでは、政府がひた隠しにしていた事項でも、マスコミの取材によって事実が少しずつ判明し、国民が真相を知ることができていたわけです。しかし、これまでどおりにはいかなくなるでしょう。



——他にも懸念はありますか?



鈴木弁護士 また、国民も、特定秘密に指定されている事項について情報開示するようにデモ活動を行った場合に処罰される可能性があります。



国民の知る権利実現のためにデモ活動は認められるべきと思いますが、「デモ活動はテロ行為と本質的に同じだ」と先日某議員がブログに書きました。



そのような考えに基づくのであれば、デモ活動が不法な方法での情報取得行為として処罰されてしまう可能性があります。



——その某議員はその発言を撤回していましたが。



鈴木弁護士 そうですね、撤回はされていました。実際にどの程度のものが逮捕、起訴に該当してくるのか分かりません。しかし、少なくともそういった危険があるということを、記者や我々市民が認識することで、萎縮効果が生じ知る権利を害される危険が存分にあるわけです。



■裁判は適切に行われるか!?



——?の「適切な刑事裁判」についてはどう考えますか。



鈴木弁護士 この法案には罰則が定められていますので、それに違反したとして処罰される場合は、憲法上は公開の法廷による裁判手続きを経た上でということになります。

でも、本当にこれまでと同様の刑事裁判手続きを行えるのか疑問があると思いますよ。



——具体的にどのようなことでしょうか。



鈴木弁護士 例えば、特定秘密を不法な方法で取得した人が処罰される場合を考えてみましょう。



被告人としてはその行為を行ったかどうかの認否をするためには、「特定秘密の内容」が起訴状で明らかにされていなければなりませんし、有罪とするためには検察側が証拠に基づき立証する必要があります。



しかし、裁判を公開で行っていく上で、特定秘密の内容が公になってしまうことが懸念されます。



そうすると、非公開手続きとする、起訴状には記載をしないなどという措置が取られることが考えられます。



わいせつ事案などで、被害者保護の観点から法廷内で被害者の名前を秘匿することはありますが、それは公開の法廷で名前を秘匿するというだけのことで起訴状には名前が記載されています。



名前をAとぼかして審理を適切にすることはできますので、特定秘密の内容を秘匿することとは次元が異なります。



——なるほど。これまでの裁判のやり方が通用するのかということですね。



鈴木弁護士 そういう観点からすると、従前どおりの適正な手続きに基づく裁判が実現されないのではないかと懸念を抱くのです。



また、特定秘密を扱う者は「適正評価」といって、身上に関する事項、飲酒についての節度に関する事項、経済的な状況などについての調査をされることになります。



その適正評価が、弁護を行う弁護士自身に及ぶ危険もあります。その調査に同意しなければ弁護人に付けなくなるというのでは、ますます被害者、被告人の利益を害することになり得ますよね。



■一般人への影響をどうみるか



——一般人への影響についてはどうでしょうか?



鈴木弁護士 指定された特定秘密が具体的に何なのかが分からないということで、一般市民も特定秘密を知らないうちに漏えいすることがあり得るのです。



例えば、原発に関する情報が特定秘密に指定されていたとして、その情報を偶然に知ってブログやツイッターに投稿していたとしますよ。



けっこうあり得ることだと思うのですが、特定秘密の情報と知らずに行っているので漏洩の故意はありませんが、客観的には犯罪に該当する行為をしているわけです。それにより、捜査機関の捜査が及ぶかもしれません。



捜査の上、認識なく行ったということであれば、処罰されることはないですが、そうはいっても、知らないうちに自分が「捜査の対象にされていた」ということになれば、気持ち悪いことこの上ないですよね。





いかがだったでしょうか。

弁護士さんのご意見はこのようなものでした。あなたは、特定秘密保護法についてどう思いますか?



⇒アディーレ法律事務所の公式サイト

http://www.adire.jp/">http://www.adire.jp/





(高橋モータース@dcp)

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