チェックリストで確認! ブラック企業から自分を守る方法

更新:2016/01/28

スキルアップ

チェックリストで確認! ブラック企業から自分を守る方法

2013年のユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされた「ブラック企業」。残業代が支払われない、過重労働など、労働者にとって過酷な仕事を強制する企業の存在が明るみとなり、社会問題にまで発展しています。となると、当然、「もしも自分の内定先がブラック企業だったらどうしよう......」なんて心配する学生も多いはず。そこで、特定社労士で「オフィスADR」の代表、今中良輔さんにお話を伺いました! そもそも、ブラック企業の定義って何なんですか?



「大別すると、

1.残業代が支払われない(就業しただけの賃金が支払われない)

2.パワハラやセクハラが日常的に行われている

3.不当な理由で解雇される、または辞めたいのに辞めさせてくれない

の3つですね。このほかにもさまざまなトラブルがありますが、相談に来られる方の多くはこれらの問題を抱えています」



では、問題が起きた際に労働者の私たちはどうすればいいのでしょうか?



●労働者が必ず持っておくべき、3つのモノ



「何が原因かによって対処法は異なります。ですが、すべての労働問題に共通して言えるのは、『給与明細書』、『雇用契約書』、『労働条件通知書』、まずはこれらを必ず手もとに持っておくこと。就業規則があれば、それもコピーしておくのがいいですね」



また、トラブルに至った経緯や、会社側とのやりとりを、細かく記録しておくことも大切。本当にブラック企業だった場合、それが大事な証拠として使われるのだそうです。問題が起きた際にはこれらを持って、社労士さんに相談しましょう。しばらく様子を見る必要もあるかもしれませんが、なるべく早めに相談するのが一番です。



また、今中さんにお願いして、ブラック企業チェックリストなるものを作っていただきました。それがコチラです!



【ブラック企業チェックリスト】※YESかNOで答えてください。

1、契約書、雇用契約書、労働条件通知書など書面による契約が交わされており、また、それに署名している

2、会社の就業規則が作成されており、労働監督署に届け出もされている。また、それを従業員が確認できるようになっている

3、雇用契約書や就業規則に反映された給与明細書がきちんと作成されている

4、会社から異動などの意思表示があった際、きちんと文書で伝えられている。また、タイムカードや業務日報など、就業時間が客観的に見られる資料がある

5、病院に行った際に出した診断書などに対して、きちんとした対応が取られている



NOの数が多ければ多いほど、ブラック企業の可能性大! ところが、今中さん曰く、「実はもうひとつチェックしなければならないことがあるんです。それは自分自身へのチェックリストです」とのこと。自分自身のチェックリスト? 一体なんですか!?



●自分自身へのチェックも忘れずに



「例えば、『会社に不当解雇された、ブラック企業だ!』とご相談に来られる方の中にも、そもそも、その人自身が会社側の損益になるようなことをしている場合があるんです。会社側の問題点を追及する際には、自分自身に問題がないかも同時に確認する必要があります」



【自分自身へのチェックリスト】※YESかNOで答えてください。

1、労働契約の内容に従って働いていない

2、きちんと業務命令に従っていない

3、就業時間中、職務に専念していない(仕事中に私用の電話やネットサーフィンをしていないか)

4、自分自身が他の同僚にセクハラ・パワハラをしている

5、会社の備品を許可なく持ち出している

6、勤務時間外に会社の信用を落とすようなこと、不利益になるようなことをしている

7、企業の秘密や個人情報を流用している

8、他社と情報を提供したり、自分自身が別の会社を立ち上げたりしている



「YESが多いと、要注意です。会社をブラック企業だと訴えようにも、自分に落ち度があったということになってしまいますから。会社側と自分自身、両方チェックしてはじめて、ブラック企業として認識できるのではないかと思います。でも、チェックがついたからといって諦めることはありません。あくまで、指標ですから。トラブルが起きたときはすぐに特定社労士や弁護士に相談すること。これが解決の一番の近道です」



皆さん、参考になりましたか? 万が一、入社した会社がブラック企業だった場合でも、然るべき所に相談しましょう。未払いの残業代が支払われる可能性もありますし、不当解雇の場合は、相応の慰謝料を受け取れる場合もあります。もちろん自分自身も最善を尽くして仕事をすることは大事ですよ。とはいえ、トラブルにならないのが一番。皆さんが働く会社がホワイト企業であることを祈っています。



文●中村未来(清談社)



今中良輔さん(社労士)

特定社会保険労務士事務所オフィスADR代表。企業労務、裁判外紛争解決手続代理業務及び成年後見業務に従事している。

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