初対面でも会話が続く、「究極の相づち」とは?

更新:2016/07/08

社会人ライフ

「初めて会った人と会話が続かない」「ビジネスの場で打ち解けた話ができない」......そんな悩みを持つ社会人のみなさん、相手に気持ちよ〜くしゃべってもらう方法を身につけたいと思いませんか? 元吉本興業の漫才師で、笑いのあるコミュニケーション・スキルを伝授する「笑伝塾」を開いている殿村政明さんに、会話が弾む「究極の相づち」の心得を教えていただきました。

■心得その1 「リアクションがとれる人は親切な人。ノーリアクションは不親切な人」

相づちは、リアクションの一つ。漫才では「合いの手」とも言いますが、しゃべるばかりがコミュニケーションではないので、うちの研修でも必ず取り上げているテーマです。相づちを打つのは、相手がしゃべりやすいようにしてあげるための、いわば「大人のマナー」。自分が聞き手になったら、相手の話をちゃんと聞いて、「なるほど。そうなんですね」などと言えば、相手は「自分の話をよく聞いてくれている」と感じます。うなずくにしても相手が分かるくらい大きくうなずいて、ジェスチャーも入れると、相手も「関心を持って聞いてくれている」と話しやすくなりますよね。でも、リアクションが薄いというか、できていない人が非常に多い。リアクションを取るのは相手に対する思いやりのマナー、親切なのだと、意識しなければなりませんね。

■心得その2 「『感情スイッチ』を入れて相づちを打つ」

相づちの言葉は、単純でいいんです。たとえば、「え? そうなんですか?」と言う時には、本当に驚きの表情で、顔も体も動かないといけない。「なるほど」も、口先だけで言うのと、頭を動かして大きくうなずきながら言うのでは全く印象が違いますよね。うちの研修でも、『感情スイッチ』を入れて、感情を込めて相づちを打つ練習を何回もさせています。感情を出すのが下手な人、リアクションの小さい人は、癖にならないと実際の仕事では自然に出てきません。感情を出さないと相手に伝わりにくいし、距離も縮まらないですよ。

■心得その3 「喜びの表現は、初対面の時こそ大きく」

特に、うれしい、楽しい、感謝などの喜びの表現は、大げさなくらいのリアクションでいいんです。何かをもらった時の「え、いいんですか?」、いただいたものを食べた時の「うまっ」とか、表情や体全体で喜びを表現できれば、それだけで距離も縮まるし好印象になります。慣れている人よりも、初対面の人にこそ意識しないといけません。これができないと、すごく損すると思いますよ。

■心得その4 「礼儀正しく、アホになれ」

ビジネスの場では、感情を込めすぎると相手がなれなれしく感じるのではと心配する人も多いのですが、最初にきっちり礼儀正しくしておけば大丈夫です。最初にかなり礼儀正しくしていれば、あとは多少なれなれしくても、むしろ「あっ崩してくれているんだな」と親しみを感じてもらえます。人の懐に入ろうと思ったら、丁寧なだけではダメ。自分の素を明かすようなフレンドリー感を出すことも必要です。要はメリハリ。堅苦しくなく、「ちょっとアホ」くらいに思わせたほうが、絶対相手もしゃべりやすくなりますから。

■心得その5 「意識のベクトルを相手に向ける」

最近は、コミュニケーションの場でも、ベクトルが全部「自分」に向いている人が多いように感じます。「自分が緊張するから、リラックスさせてほしい」とか「ヘンな人だと思われたらどうしよう」とか、そんなのばっかり。相手に甘えているんです。そうではなくて、「相手は緊張していないかな」などと意識のベクトルを相手に向けて、「相手をリラックスさせてあげよう」くらいの気持ちでいく。そういう気持ちでいれば、相手をしゃべりやすくさせる相づちやリアクションは、難しいものでも特別なものでも何でもなくなると思いますよ。

文●木下洋子(エフスタイル)

講師プロフィール
1968年、兵庫県明石市生まれ。19歳でオール阪神巨人に弟子入り。吉本総合芸能学院「NSC11期生」に入学。500組中5組に選抜され、「心斎橋2丁目劇場」で5週勝ち抜き、吉本興業の所属タレントに。引退後、ハウスメーカーの営業マンになり、笑いを交えたトークを武器に3カ月間で全社営業トップに。28歳で独立し、起業。「笑い」のメカニズムを科学し、一般人が習得できる教育プログラムを開発。2007年、コミュニケーションスキルアップを目的とする研修会社「(株)ヒューマンコメディックス」設立。個人参加型コミュニケーショントレーニング塾「笑伝塾」塾長も務める。著書に『仕事が変わるコミュニケーション・スキル 笑いの凄ワザ』『一瞬で相手の心をツカむ! 笑いのスキルで仕事は必ずうまくいく』『ワラトレ オモシロイ会話が続く 笑いのトレーニング』などがある。

「笑伝塾」HP:http://www.human-cx.co.jp/

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