仕事人生を支えたこの言葉、「社長の金言」   ―残心余情―

更新:2016/01/28

社会人ライフ

仕事人生を支えたこの言葉、「社長の金言」    ―残心余情―

『週刊現代』に『社長の風景』を連載し、取材のたびに座右の銘をノートに書き留めてきたライターが、「心に銘を刻む」賢人の金言をひも解く。





「残心余情」

アサヒ飲料株式会社 代表取締役社長 菊地史朗







私は自分から働きかけ、自分をさらけ出すことが好きです。社長就任後、半年かけて全国の事業所をまわり、社員と直接話す"対話集会"を開きました。夫婦も会社も、愛があればこそうまくいく。とくに社長というポジションは、みんなに愛してもらうためにも、社員とコミュニケーションを深め、自分をよく知ってもらうことが大切です。



だから、例えば「北海道の山奥の生まれだから、子供の頃はよく熊と相撲をとったものだよ」とか、「カラオケは小林旭さんしか歌わない」などと面白おかしく自己紹介をします。すると、社員食堂でごはんを食べている時に、若い社員が話しかけてきてくれたりするんです。





誰かの心に残るって大事なことだと思います







私が若い頃、アサヒビールには『スーパードライ』がなく、営業に行っても「用はないよ」と追い返されるような時代が長かった。情けなくて、何度も会社をやめたいと思ったけど、何とか取引先に自分のことを心に留めていただきたいと思い、くじけずに営業を続けました。その時代からの座右の銘なんです。





どなたにお会いしても、今日と同じ出会いは二度とない。だからこそ、まずは自分から心を開けっ広げにし、どんなことでもいいから「こういうヤツだった」と思っていただきたいんです。その心得が「残心余情」です。





また、実は私、妻と仲がよいのも自慢です。夫婦円満のコツは、妻の言うことには、絶対従うことですよ(笑)。愛情は「覚悟」。この人以外は見ないと決める、愛情1000%! の思いなんですよ。

最後は、余談でしたでしょうか(笑)。







【社長プロフィール】

菊地史朗(きくち しろう)49年、北海道生まれ。10年3月より現職。十六茶をノンカフェインにするなど、優れた戦略の指揮を取り、アサヒ飲料を業界4位まで押し上げた。







●文/夏目幸明(なつめ・ゆきあき)

1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、雑誌記者へ。現在、小学館『DIME』にヒット商開発秘話「UN・DON・COM.」を連載中。『資格の学校TAC』の『マスコミ・就活対策』の講師もつとめる。http://www.w-seminar.co.jp/masscom/koza/allmasscom_east.html facebookアカウント「夏目幸明」

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