入社一年目のフレッシャーズに贈る、仕事において大切な「情報収集力」

更新:2016/01/28

入社準備

入社一年目のフレッシャーズに贈る、仕事において大切な「情報収集力」

【1】ビジネスパーソン必読! 「情報収集力」の本当のコツ



ビジネスパーソンにとって、「情報収集力」はとても重要です。

これはあるテーマに関して、「どれだけ早く多くの有用な情報を得られるか」という力のことです。

では、情報収集にあたり一番大切なコツは何だと思いますか? 答えは、「詳しい人に聞く」こと。

漫然と情報を集めるのではなく、詳しい人に聞くクセをつければ、聞く人の"引き出し"も次第に増えていきます。

関連分野の論文を読むのもおすすめです。論文には出所や参考文献が記されているので、芋づる式に情報を収集できます。

詳しい本に"聞く"わけですね。

臆せず聞くことを恐れてはいけません。僕は新人の頃に通信キャリアの新技術の調査を命じられたとき、

すぐに海外の通信ベンチャー約数十社にメールで質問しました。すると数社から回答があり、

それをクライアントに提示したらとても喜ばれたことがあります。

新人ならではのフットワーク勝負でした。新人はできないことが多いですが、新人にしかできないこともあります。

臆せず聞くことを心がければ、情報収集力は格段に上がると思います。







【2】情報はバイアスを疑い、自分の頭で確かめ、考えよう!



情報の扱いにもコツがあります。まず本当に重要な情報は、実は公開情報の中にあるということ。

極秘情報なんてほとんどなく、それよりも既存の情報に対していかに反応するかが大切です。

同じ情報に触れても、人によって引き出すストーリーは全く異なります。だからこそ、新聞なども盲目的に読むのではなく、

意味を考えて読むことが大切です。例えば、僕はグラフを見るときは、必ず目盛りの単位や出所を確かめます。「戦後、ガン患者が急増!」と示すグラフを見れば、必ず厚生労働省のホームページを調べるわけです。すると同じページには他の資料があり、先のグラフは「年齢調整」していないことが判明したりします。つまり、ガン患者が増えたのではなく、お年寄りが増えただけだったのですね(笑)。

「データの見せ方を疑う」「一次情報にあたる」「自分の頭で考える」「情報のバイアスを見抜く」

などを心掛ければ、より正しい判断ができて世界の見え方が変わります。より面白い話もできるようになるはずですよ。







【3】社会人の「学ぶ力」は、キツい負荷をかけることで磨かれる



筋肉トレーニングも負荷をかけなければ意味がないように、僕は脳に汗をかかない限り「学ぶ力」はつかないと考えています。ただ、僕たちは既にキツい負荷を経験済み。それはかつての「受験勉強」。それと同じように脳に負荷をかける意味で、

難しい本を何度も繰り返して読んだり、意見を書き込んだり、見ながら考えることをおすすめします。良書を何度も読むことですね。

仕事でも、一見面倒な作業であっても、繰り返すことは大切です。僕は今でも、単純なデータ入力を自分でやることがあります。自分で生の数字に触れると気づきを得ることが多く、そうした地道な作業が血となり肉となるからです。

1,500円の書籍では、所詮1,500円程度のものしか身につきません。

だからこそ、ビジネス本などは一冊読めば一つ学ぶことがあれば十分。大切なものは簡単には手に入りません。

簡単に手に入るものは大切ではないと思いながら、僕は毎日勉強を続けています。







【4】コミュニケーションは、相手の立場を想像することから始めよう



新人が苦労しがちなのが、上司や先輩とのコミュニケーション。「なぜこんなに理不尽なことを言うのか?」と思うことも多いかもしれませんね。でも、実は世の中のほとんどの人は"リーズナブル"だと僕は捉えています。



理不尽に感じるのは、相手の立場でどう見えるかを想像できていないから。だからこそ、僕は意見が合わない人に会ったときは、「なぜこの人はこう思うのだろう?」と考えるようにしています。

すると、次第にその人の置かれた立場や見ている世界が理解できて、理不尽に思えた行動にそれなりの理屈があることがわかるのです。

相手の立場を想像することは、普段の何気ない行動にも表れます。例えば上司に大切なメールをするとき、"重要度高"のフラグを付けて済ませていませんか? 大切なメールだとついしがちですが、これも自分のことだけを考えて多忙な上司の状況を想像していない行動です。本当に重要ならメールの後に印刷して、ラインを引き、「ここを読んでください」と目につく場所へ置くべきなのです。

相手の立場や制約条件、世界観を想像することからコミュニケーションは始まります。

自分が正しくて周りが間違っているなんてことは、ほとんどありません。たとえ自分が正しかったとしても、「なぜ理解し合えないのだろう?」と考える姿勢が大切です。相手のロジックに合わすことができれば説得も上手くなり、人を動かす立場になったときにも役立ちます。コミュニケーション力を磨けば、いい新人になれると思います。















●岩瀬大輔

ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長

1976年埼玉県生まれ。1998年に東京大学法学部を卒業後、

ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ジャパン(現RHJインターナショナル)を経て、ハーバード経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で卒業(ベイカー・スカラー)。

2006年にライフネット生命保険の設立に参画。2009年2月より現職。

世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。日経ビジネス「チェンジメーカー・オブザイヤー 2010」受賞。近著に、『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社刊)。

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