【社会人になる前に知っておきたいお金の話】第3回:貯金はどうすればうまくいく?

更新:2016/01/28

貯金・節約


第3回:貯金はどうすればうまくいく?

お金を"自動"で貯める仕組みを作ろう

「貯金しなきゃ!」とは思っているものの、どうやってすればよいのか、どれくらいの金額をすればよいのか、その方法が分からない人はとても多いもの。そこで、前回は支出の管理についてお伝えしましたが、今回は次のステップとして貯金について考えていきたいと思います。

私がおすすめする資産づくりは"自動"でお金を貯めていく方法です。給料をもらったら真っ先に自動積み立てにし、具体的には普通預金から毎月一定の金額を定期預金に預け入れる「積立定期預金」や、勤務先の「財形貯蓄」「社内預金」などを活用します。

上手に貯金するための大切なポイントは、自由に引き出せる普通預金にお金を全額置いておかないということです。目の前にお金があるとついつい使ってしまいがちですし、お金があるのに使えないとストレスにもなりかねません。そこで、たとえば給料の18万円が銀行口座に入金されたら、真っ先に3万円を定期預金の口座に自動的に移動させる仕組みを作り、15万円で生活をしてみましょう。このとき、3万円はないものと考えるのが貯金を成功させるコツです。

貯金額の目安としては、手取りの給与の25%(18万円の場合4万5000円目安)を積み立てできればとっても優秀です。一人暮らしで余裕がないという人の場合は、月1万円からでもよいのでまずは始めてみることが大切です。

■預金のメリットは元手が減らないこと

「でも、自動積み立てで銀行にお金を預けてもほとんど増えないのでは?」--よく、こんな声も聞きます。たしかにメガバンクの普通預金金利は0.02%、定期預金(1年 300万円以下)の金利は0.025%などとても低く、比較的金利が高いネット専業銀行の1年定期預金(100万円未満)でも0.17%程度です(2011年10月31日現在)。

しかし、預金は預けたお金が減らないというメリットもあります。お金を増やそうとして株式や外貨などで運用すると、自分のお金がまるでスーパーのお肉の値段のように日々変動にさらされリスクが伴います。元本(預貯金などの貯蓄の元手)が割れるのが絶対イヤという場合は、円預金など安全資産を多めにするのが得策です。

■金利には"単利"と"複利"の2種類がある!

さて、ここで利息の種類についても知っておきましょう。利息には「単利」と「複利」の2種類があるのをご存知ですか? 単利とは、元本だけに利息がつく計算方法です。対して複利は、元本によって発生した利息も次期の元本に組み入れられ、元本と利息にも次の利息がつく計算方法になります。

ここで、100万円を年利3%で3年間運用するとします。単利運用した場合と、複利運用した場合の結果を比べてみましょう。分かりやすくするために、税金に関しては考慮しないことにします。

1年目 100万円×3%=103万円 (単利・複利ともに同じ結果)

2年目 103万円+100万円×3%=106万円 (単利)
103万円+103万円×3%=106万900円 (複利)

3年目 106万円+100万円×3%=109万円 (単利)
106万900円+106万900円×3%=109万2727円 (複利)

同じ金額、年利、運用期間でも、単利と複利の違いによって利息に2727円の差が出ました。つまり、少しでも多くの利息を受け取るには、定期預金をする場合にも複利計算で利息を受け取れるタイプを選ぶほうが有利なことが分かります。3年ではあまり変わらないようにも見えますが、 複利は先々に大きな差となります 。また、元本・利率が大きいほどその差はより大きくなります。

ちなみに、毎月4万円を定年退職までのおよその勤続年数である37年間に渡って積み立てた場合、低いと感じられた0.15%(1年複利)で計算しても約1825万円になります。このように時間の力を活かし、 貯蓄は早く始めれば始めるほど有利 なのです。千里の道も一歩から。初任給をもらったら、まずは積み立ての仕組みを作る ようにしましょう。

(2011.11.11)

■ ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子(はなわ ようこ)
CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2011年度相談員。元外資系の投資銀行勤務。現在は雑誌・新聞・テレビ・ラジオ出演や全国講演などを精力的に行っている。『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で年収600万円をめざす!二人で時代を生き抜くお金管理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。日経マネー、日経ウーマンオンライン、CREA webなどで連載。
■Twitter:@yokohanawa ■公式サイト:http://yokohanawa.com/


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