【社会人になる前に知っておきたいお金の話】第2回:初任給はいくらもらえて、どうやって使えばいい?

2015/06/19

給料・年収

第2回:初任給はいくらもらえて、どうやって使えばいい?

初任給の平均額

初任給はいくらもらえて、どうやって使えばいいんだろう......。これから社会人になるうえでとても気になることです。


いくらもらえる――というところでは、初任給の平均は大卒で197,400円というデータがあります(厚生労働省「平成22年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」より)。この数字は総支給額で、ここから社会保険料や所得税などが引かれると手取りの給与は17万円程度になります。2年目の6月からは「住民税」も引かれ、総支給額から引かれる金額がさらに増えます。

■収入は限られている! 支出管理をしっかりと

給料が上がるペースは、会社の業績にもより予測がつきにくいものです。そこで、自分の力でコントロールできる支出管理で自己防衛をすることが大切です。

特に毎月の支払いとなる住居費、保険料、自動車の維持費などの大きな固定費についてはシビアに考えましょう。一番のコストとなる住居費は手取りの1/3以内に抑えるのが理想。初任給が低いという人は友達とルームシェアをしたり、会社の社宅を利用したりするのも一つの手です。

さらにざっくりで良いので家計簿をつけ、支出を把握しましょう。基本的には、切手代のような細かい代金もすべて記録するのが理想です。買ったその場でケータイ家計簿などに記録する方法がおすすめです。一ヶ月分の合計額を出すときには、各項目ごとに千円単位で把握できれば大丈夫です。

項目としては、「住居費」や「食費」などの生活にかかる費用に加え、「被服費・美容費」、「交際費」などのお楽しみの支出や、「図書費」、「貯金」など将来への投資の項目があり、家計簿ソフトにも予め登録されていることが多いです。

家計簿は、正確につけることにこだわり過ぎないことがポイントです。1円単位まで正確に記入する必要はありませんし、内訳が分からない支出は「使途不明金」としても構いません。使途不明金に入れた支出は、理由が分かった時に修正すれば大丈夫です。

とりあえず1カ月分からでも良いので記録してみましょう。スマートフォンや携帯電話から入力ができる家計簿や、クレジットカードや銀行口座を登録すると自動的にデータが反映される「自動ネット家計簿」というものもあります。こうした便利なツールを活用しながら、上手に支出管理をしましょう。

■クレジットカードの使い方には十分に注意を

日々のお金を使う上で、十分に気を付けてほしいのがクレジットカードの使い方です。ポイントを貯められたり、キャッシュバックが受けられたり便利な反面、使い過ぎる危険性もあるからです。

クレジットカードを使う場合には、給料を先取りして買い物をしないことが大切です。つまり、現金で買い物をするときと同じように、先にお金を貯めてから欲しい物を買うというのが基本。自信のない人は現金払いや、預金口座から直接引き落とすデビットカードでの支払いをおすすめします。

特に「リボ払い」には注意が必要です。「リボ払い」とは、あらかじめ指定した一定額(例えば月5,000円など)を返済していく方式です。お買い物をどんどん続けても、毎月の最低返済額しか払わなくてもよいために借金が膨らみがちです。しかも利息は年率15%など非常に高くなります。

私自身も「リボ払い」の残債が200万円に膨らみ、カード破産しそうになった経験もあります。クレジットカードはとても便利な反面、使い方を間違えると立て直すのに大変な苦労を伴います。きちんと計画を立てるなど、自己管理能力を高めてうまく付き合っていくことが大切です。

このように、初任給をもらう前からお金の知識を蓄えておけば失敗が少なくなります。限られたお金ですから、「こんなはずじゃなかった」ということがないようしっかりと守っていきましょう。
(2011.10.28)

■ ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子(はなわ ようこ)
CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2011年度相談員。元外資系の投資銀行勤務。現在は雑誌・新聞・テレビ・ラジオ出演や全国講演などを精力的に行っている。『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で年収600万円をめざす!二人で時代を生き抜くお金管理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。日経マネー、日経ウーマンオンライン、CREA webなどで連載。
■Twitter:@yokohanawa ■公式サイト:http://yokohanawa.com/


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